2022年1月22日、第695回毎日オークション「絵画・版画・彫刻」が東京で開催された。ジャンル、年代問わず多くの作品が出品され、落札金額は合計で約6.9億円を記録した。今回のオークションの中から落札価格の高かったTOP5とANDARTで取り扱う作品の落札情報をお届け。落札価格は手数料込みで計算。
5)李禹煥《From Line No.790364》
落札価格:約2,796万円
李禹煥(リ・ウファン)は1936年大韓民国慶尚南道生まれ。木や石などの自然の素材と紙や鉄、ガラスなどの工業製品を組み合わせて「もの」との関係性を探る動向「もの派」を牽引したアーティスト。彫刻・絵画問わず制作しており、本作はキャンバスに岩彩(鉱物を砕いて作られた粒子状の顔料)で描かれている。このシンプルさが李禹煥らしい。(予想落札価格:1,000〜1,500万円)
4)パブロ・ピカソ《調教師とライオン》
落札価格:約2,913万円
パブロ・ピカソ(1881-1973)の鉛筆で描かれたドローイング作品。官能的な女性が描かれているのは、ピカソのキャリア後期の特徴でもある。世界一多作な作家としてギネスブックにも登録されているピカソは、本作が制作された1968年は当時86歳にして、3月から10月の間に347点以上の作品を制作した狂乱的な年でもあった。(予想落札価格:2,000〜3,000万円)
3)藤田嗣治《美人》
落札価格:約4,544万円
藤田嗣治(1886-1968)は、日本生まれのフランスの画家・彫刻家。1913年フランスに渡り、ピカソやアンリ・マティスらと親交を結んだ。猫と女性をモチーフに描くことを得意とし、「乳白色の肌」と呼ばれる独特の色で描かれる裸婦が代表作群。5人の女性と深い関わりを持っていた藤田嗣治は、本作が制作された1932年、マドレーヌ・ルクーという女性と関係を持っていた。(予想落札価格:2,500〜3,500万円)
2)草間彌生《かぼちゃ》
落札価格:約5,942万円
草間彌生を象徴する「水玉模様」「網目模様」「かぼちゃ」を黒と黄色で描いた1992年の作品。サイズは15.8×22.7cmと小さめだが、キャンバス作品のため高額で高額で落札された。(予想落札価格:3,000〜5,000万円)
ANDARTでは、黒と黄色で書かれたかぼちゃのプリント作品《南瓜 B》を取り扱いっている。
1)マルク・シャガール《果物と花に囲まれた恋人たち》
落札価格:約6,524万円
マルク・シャガール(1887-1985)は、ロシア(現ベラルーシ)出身のユダヤ系フランス人画家。郷里への思いや聖書をテーマにした作品の制作を続けた。20世紀を代表するユダヤ人画家、または宗教画家と評価されている。本作は水彩、パステル、墨で描かれた作品。この1950年代のシャガールは、特にステンドグラスの制作に力を入れていたことでも知られている。(予想落札価格:3,000〜4,000万円)
ANDART取り扱い作品落札情報
KAWS《URGE》
落札価格:それぞれ約134万円
アメリカのストリート出身のアーティスト・KAWSによる10枚組の作品《URGE》から2枚出品され、それぞれ約134万円で落札された。2020年に250部限定でプリント制作された《URGE》は、KAWSの代表的なキャラクター「CHUM」にトレードマークでもある「×」が入った手がそれぞれ違う色で描かれたKAWSらしい明るくポップな作品。(予想落札価格:80〜130万円)
ANDARTで扱う《URGE》は10枚全てが揃った作品。共同保有のオーナー権総額は890万円なので、今回のオークション結果よりも割安で提供している。
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文:ANDART編集部