ANDARTでのバンクシー作品の値動きを徹底分析!4作品の会員間売買での価格推移を公開
(画像=ANDARTでのバンクシー作品の値動きを徹底分析!4作品の会員間売買での価格推移を公開)

会員間売買とは?
日本初、アート作品の共同保有プラットフォーム「ANDART」には、「オーナー権(共有持分権・所有権)」をユーザー間で売買できる機能があります。

人気のバンクシーは、現在取り扱っている8作品のうち、4作品で会員間売買が可能。オーナー権には限りがあるため、発売時に抽選を行ったものもあるのですが、「売り切れで買えなかった!」という方も会員間売買で手に入れるチャンスがあります。

売り手と買い手のバランスによって取引の成立価格が変動しますが、バンクシーの4作品については、これまでの平均成立価格が当初の販売単価である1万円を下回ったことがありません。つまり、各作品の最初のオーナーたちは、会員間売買のほとんどの場合で利益を出しているということ! 平均して1枠につき数千円の利益を得ているんです。

バンクシー4作品の価格推移

バンクシー4作品の価格推移
(画像=バンクシー4作品の価格推移)

これは、会員間売買ができるバンクシー4作品の平均成立価格の推移をグラフにしたものです。各作品が会員間売買を開始した月から2021年11月までの、月ごとの平均成立価格を比較しました。多少の波はありますが4作品とも1万円から1万5千円の間で推移しており、1万円を割ったことがないと分かります。

この数値は成立価格の平均を示したものなので、実際の取引額はこれより高い場合も低い場合もありますが、基本的には当初の販売額である1万円よりも高額での取引が多いということになります。

では、4作品それぞれについて、会員間売買の実績やオークションでの落札価格を見てみましょう。

《Sale Ends (v.2)》

 《Sale Ends (v.2)》
(画像= 《Sale Ends (v.2)》)

❚ 作品について
ANDARTで初めて取り扱ったバンクシーの作品。神にすがるように「SALE ENDS TODAY(本日セール終了)」の看板に群がる人々を描き、資本主義社会への皮肉が込められています。バンクシーが自身の作品を販売していたストア「POW(Pictures on Walls)」をクローズする際、最後を飾る記念作品として限定500部で抽選販売された貴重なシルクスクリーンです。

❚ 会員間売買の実績
これまでの最高成立価格は1万3千円で、当初の販売額の1.3倍となっています。成立価格は安定して1万1千円前後で推移しています。最近のオークションでは700万円を超えて落札されているのに対し、ANDARTのオーナー権総額は580万円。1万円以上でオーナー権を購入しても割安といえます。

❚ オークションでの落札結果との比較
・ANDARTでのオーナー権総額:580万円
・2020年9月18日開催のサザビーズ(ロンドン):約797万円(£52,920)
・2021年3月16日開催のクリスティーズ(ロンドン):約791万円(£52,500)

《Jack and Jill (Police Kids)》

《Jack and Jill (Police Kids)》
(画像=《Jack and Jill (Police Kids)》)

❚ 作品について
印象的なスカイブルーの画面に、イギリスの童謡にちなんだ少年Jackと少女Jillが笑顔で駆けている爽やかな作品。しかし2人は「POLICE」と書かれた防弾ベストを身に着けており、権威による自由の抑圧を風刺しているという見方もあります。ANDARTでの販売開始後わずか7分で売り切れとなり、バンクシーの人気を証明しました。

❚ 会員間売買の実績
これまでの最高成立価格は1万5千円と、なんと当初の販売価格の1.5倍! 2020年9月のクリスティーズオークションでは、同一のエディション作品がANDARTオーナー権総額の約2.4倍となる1,633万円で落札されました。他にも1千万円以上で落札されたことが複数回あり、ANDARTのオーナー権は割安となっています。

❚ オークションでの落札結果との比較
・ANDARTでのオーナー権総額:670万円
・2020年9月23日開催のクリスティーズ(ロンドン):約1,633万円(£112,500)
・2021年7月31日開催の毎日オークション:1,250万円

《BOMB LOVE》

《BOMB LOVE》
(画像=《BOMB LOVE》)

❚ 作品について
ピンクの背景に少女が描かれた可愛らしい見た目の一作。無垢な少女と爆弾のコントラストが衝撃的な本作は、イラク戦争が勃発した2003年に発表され、反戦を象徴するイメージとなりました。早期の完売が予想されたため、2021年2月、オーナー限定で事前抽選販売が行われました。

❚ 会員間売買の実績
こちらも最高成立価格は1万5千円と、当初の販売価格の1.5倍! 会員間売買が開始されてから2021年11月末までの平均成立価格が最高で14,500円と、4作品の中で最も高額で取り引きされている作品です。オークションでは、2020年頃から急激に落札価格が上昇。2015年のサザビーズオークションでは約85万円でしたが、2021年のクリスティーズオークションでは1,789万円と、6年で約21倍もの価格に跳ね上がりました。

❚ オークションでの落札結果との比較
・ANDARTでのオーナー権総額:700万円
・2021年3月16日〜4月1日開催のクリスティーズ(ロンドン):約1,789万円(£118,750)
・2021年3月23日〜30日開催のフィリップス(香港):約1,554万円(HK$1,071,000)

《Napalm》

《Napalm》
(画像=《Napalm》)

❚ 作品について
2021年5月、一般販売前にオーナー限定の抽選販売が行われた作品。アメリカの代表的なキャラクター、ミッキーマウスとドナルド・マクドナルドに手を引かれ、ベトナム戦争の有名な写真から切り取られた少女が泣き叫んでいます。反戦・反資本主義のメッセージが込められたバンクシーらしい一作です。

❚ 会員間売買の実績
こちらも最高成立価格は1万5千円と、当初の販売価格の1.5倍!オーナー権の総枠数が1,500枠とバンクシー作品の中でも多めですが、早々に売り切れた人気の作品だけあって、高くても欲しいと思う人が多いようです。まだ販売開始から半年強ということもあり、今のところANDARTのオーナー権総額を超えるオークション結果は出ていませんが、バンクシー作品の成長率を考えると、将来的に高値を更新する可能性に期待してもいいでしょう。

❚ オークションでの落札結果との比較
・ANDARTでのオーナー権総額:1,550万円
・2021年3月16日〜4月1日開催のクリスティーズ(ロンドン):約1,036万円(£68,750)
・2020年12月4日開催のフィリップス(香港):約914万円(HK$630,000)

バンクシー作品の価格は高騰している!

オークションにおけるバンクシー作品の売上額と販売数の推移
(画像=オークションにおけるバンクシー作品の売上額と販売数の推移)

引用:https://www.artprice.com/

自身のオークションレコードを年々更新しているバンクシー。2018年、オークション開催中に《Girl With Balloon》がシュレッダーで裁断され話題を集めましたが、2021年、同作品が《Love is in the Bin》として再びオークションに登場し、裁断前の約18倍となる約28.9億円で落札されました。これが現在のバンクシーの史上最高落札価格です。

シュレッダー事件からの5年程で、バンクシー作品の需要が急激に高まっており、2021年上半期オークションでの売上高は、存命中のアーティストの中で世界一。全期間の総合ランキングでもTOP5に入っており、歴史に名を残すアーティストであることは間違いありません。

まだ新規のオーナー権を買えるバンクシー作品も!

ANDARTで取り扱っている8作品のうち、現時点でまだ新規のオーナー権を買うことができる作品は4作品。1枠1万円で購入できるので、今後の価格上昇を期待して今のうちに買っておくと、マーケットの動きを見るのが楽しみになるかもしれません。ただし100%価格が上がるとは限らないので、あくまでもご自身の判断で行っていただくようお願いいたします。「アートを所有する喜びを味わう」という観点からは、長期保有をお勧めしております。

《HMV》

《HMV》
(画像=《HMV》)
大手レコード会社のロゴにも使われている犬のニッパーと蓄音機の絵画のオマージュ作品。支配への反抗心や、音楽業界などで大量生産する大手企業によって作り出される「文化の主流」に対するアンチテーゼなどの意味を含んでいる。

《Very Little Helps》

《Very Little Helps》
(画像=《Very Little Helps》)
大手流通企業「TESCO」のスローガン“Every Little Helps(どんな小さなことでも役に立つ)”をもじって、“Very Little Helps(ほとんど何の役にも立たない)”と皮肉り、資本主義と消費社会への批判を込めた作品。

《Pulp Fiction》

《Pulp Fiction》
(画像=《Pulp Fiction》)
クエンティン・タランティーノ監督の映画の一場面をモチーフに、ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが演じたギャングが持つ拳銃をバナナに変えたユーモラスな作品。

《Flag》

《Flag》
(画像=《Flag》)
太平洋戦争の激戦地となった硫黄島で撮影された写真「硫黄島の星条旗」をモチーフにし、反戦のメッセージを込めた作品。バンクシー作品の中でも日本と結びつきが強く感じられる。

実際にバンクシー作品を観たい方は

2021年12月、新たにオープンしたANDARTのオフィス併設アートスペースでは、オープニング展としてバンクシーの取り扱い作品8点全てを展示中。気に入った作品のオーナー権はその場で購入・注文オファーすることができるので、是非この機会に実物をご覧ください。

*入場には無料会員登録が必須となります。オーナー様と無料会員で入場可能な期間が異なりますので、下記の記事でご確認ください。

2021年12月12日に開幕した「バンクシー展 天才か反逆者か(BANKSY GENIUS OR VANDAL?)」東京展。アトリエを再現したインスタレーションなど、バンクシーの世界を体感できるボリューム満点の展覧会です。バンクシー作品だけでなく、ANDARTで取り扱っているジャン=ミシェル・バスキアの《Jawbone of an Ass》も展示しています。

*記事中の落札価格は2021年12月1日のレートで計算(1GBP=150.69円、1HKD=14.51円)

ANDARTでは、バンクシー作品の他にも多数の本格アートを取り扱っています。無料会員登録をすると新作の発売情報などもゲットできるので、人気作品をいち早く手に入れたい方はぜひ登録をご検討ください。

文:ANDART編集部