1世帯当たりの平均資産額は、都道府県によって金額がかなり異なる。日本には47都道府県があるが、1位と47位では3,000万円以上も差がある。総務省の「2019年全国家計構造調査」の結果から、ランキング形式で各都道府県の平均資産額を紹介していこう。
「家計資産総額」ランキング、東京が唯一4,000万円台で1位
以下は、2019年全国家計構造調査における「家計資産総額ランキング」である。家計資産総額とは、預貯金や住宅・宅地資産、株式などの資産から、負債を差し引いて計算された金額だ。
1位は東京都で4,701万円となっており、唯一4,000万円台となった。2位は神奈川県で3,787万7,000円、3位は愛知県で3,489万8,000円の順となっている。
一方、家計資産総額が最も少なかったのは1,431万6,000円の北海道で、ワースト2位(46位)が青森県で1,454万1,000円、ワースト3位(45位)が鹿児島県で1,474万7,000円だった。
「金融資産残高」ランキングでは東京は9位、なぜ低くなった?
続いて、「金融資産残高ランキング」を見ていこう。このランキングでは、住宅・宅地資産などを抜いた資産がどれほど多いかを確認できる。
1位は神奈川県で1,607万7,000円、2位は奈良県で1,564万5,000円、3位は愛知県で1,557万3,000円という結果だ。家計資産総額ランキングで1位だった東京都は9位の1,420万7,000円と順位が低くなっている。
この順位の差から分かることは、東京都の世帯は家計資産において住宅・宅地資産が占める割合が多いということだ。
都市と地方で明らかな格差、次回の調査結果にも注目を
この記事では東京都にフォーカスしてランキングを説明したが、都道府県によって大きく資産面での格差が生まれていることはデータから明らかだ。経済活動の都市部への集中がさらに進めば、このような格差はより大きくなっていくものと考えられる。
ちなみに、2019年全国家計構造調査では、都道府県別の1世帯当たりの年間収入のランキングも紹介されている。1位は東京都で629万7,000円、47位は沖縄県で423万3,000円だ。
全国家計構造調査は5年ごとに実施されている。次回の調査で家計資産総額や金融資産総額、年間収入のランキングがどう変わっているのかにも、注目したい。
文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)