「社長のおごり自販機」
(画像=「社長のおごり自販機」)

サントリー食品インターナショナルは10月19日、法人向けの新サービス「社長のおごり自販機」の展開を開始した。自販機設置先の社員2人がそろい、対象部分に2枚の社員証を同時にタッチすることで、それぞれ1本ずつ飲み物が無料でもらえるもの。

サントリーは、同サービスを導入したねらいについて、働き方が多様化しリモートワーク化が進む中で、雑談などのコミュニケーションが不足していることをあげる。実際に1000人を対象にした調査(一般社団法人日本能率協会 2021年10月4日 「ビジネスパーソン1000人調査」【雑談機会と効果】)でも、テレワークを行っている人の8割以上が職場のメンバーと雑談がしにくくなったとする結果がでている。そこで、オフィスにいる時、大切な雑談(コミュニケーション)を自販機で増やしたいと考えたという。

サントリービバレッジソリューションの須野原剛事業推進本部長は、ねらいについて次のように語る。

「自販機は、のどの渇きを潤すのはもちろん、1人で行くときはほっと一息できるリフレッシュスペースになり、2人で行くときは、コミュニケーションスペースとなる。2人で買いにいくきっかけをつくれば雑談を増やすことができる」。

サントリー食品の社内で実証実験した際は、社員から「気楽に話しかけられるようになった」「普段会話しない人と話すきっかけになった」といった感想が出たという。

サービス名称は、実験時に“社長、ごちそうさまです!”という声が複数から出てきたことが背景にある。

サントリーの須野原本部長は、導入目標について次のように述べた。

「今回の取り組みは、コロナ禍になる前から検討していた。自販機でオフィスに何かお役立ちできないかなと考えていた。社内のコミュニケーション活性化に貢献していきたい。この自販機でおしゃべりが生まれて、そこからいい仕事が生まれるきっかけになればと考えている。2022年には100社への導入を目指す」。

今後、首都圏から順次展開する。「社長のおごり自販機」の飲料代は設置先の法人が負担する。社員証をかざして無料になる時間・曜日、1人1日当たりの無料になる上限本数などはカスタマイズすることができるという。

実証実験にはコクヨも参加。同社の黒田英邦社長は「社長のおごり自販機」について次のように述べた。

「経営者として、コミュニケーションを活性化したいということはどの企業も考えており、この新自販機の取り組みは必要だと考えて参加した。結果としては、当社で月に平均1000回この自販機が利用され、現場では好意的にこの取り組みが受け止められたようだ。リモートワークとオフィスワークのハイブリッドワークをどうつないでいくのかということにお客様のニーズが移っている。オフィスでは人とのつながりが大切であり、われわれの業界でも注目されている。この新自販機は、これからのハイブリットワークのニーズにおいて非常に重要な取り組みになる」とした。

サントリーの須野原本部長は、「オフィスへの出勤率は下がっているが、こういったサービスを考えるにあたり、同じロケーションで同じ利用者の方が継続して買っていただけることに注目している。そういうお客様を対象にしたサービスの方が、より接点としては確実に(商品を)提供できる場所と捉えている。毎日違う方に買っていただける自販機も重要だが、オフィスの中でサービスを提供することにわれわれの存在価値がある。引き続きオフィスに向けたサービス改善に取り組んでいきたい」と話した。

コロナで働き方の変化もあり、社員のコミュニケーション活性化は経営課題の解決にもつながる。これまでにない新しい発想が注目されそうだ。