矢野経済研究所
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2021年度の国内製造業向けプラントO&Mサービス市場規模は1兆257億円の見込

~化学、半導体、医薬品分野を中心に設備のメンテナンス等の需要が拡大する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の製造業向けプラントO&M(Operation & Maintenance)サービス市場を調査し、市場動向や主要プレイヤーの動向、将来展望について明らかにした。

製造業向けプラントO&Mサービス市場規模推移・予測

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1.市場概況

日本国内における2020年度の製造業向けプラントO&M(Operation & Maintenance)サービスの市場規模(事業者売上高ベース)を、前年度比99.7%の1兆176億円と推計する。生産能力増強が続く半導体分野において、ユーティリティ設備などのオペレーションやメンテナンスのニーズが増加している。しかし、鉄鋼分野や石油・石炭分野において、コロナ禍による景気の鈍化などを理由に設備投資計画の見直しや設備合理化を行う動きがみられたため、市場規模は2019年度比で微減となった。

今後、半導体分野の市場が好調を維持するとともに、2020年度中に延期となった案件が進展すると考えられ、2021年度の製造業向けプラントO&Mサービス市場規模は前年度比100.8%の1兆257億円を見込む。

2.注目トピック

IoTなど新たな技術を活用したプラント操業・保全サービスの進展

エンジニアリング会社やプラントメンテナンス会社において、IoTなど新たな技術を活用した商品・サービスの開発が進んでいる。例えば、データ活用で先行するプレイヤーは「データによる分析・予測」が可能な商品・サービスを開発している。
サブスクリプション方式の料金体系を採用して、コスト面での新たな技術の導入のハードルを下げる動きが出てきている。実際にVR(Virtual Reality)を利用した安全教育等のコンテンツなどで採用事例がある。このような試みは、新たな技術の普及を後押しする要因となり得る。

3.将来展望

製造業向けプラントO&Mサービス市場規模は、2022年度が1兆288億円、2023年度が1兆319億円で推移すると予測する。化学分野や半導体分野、医薬品・薬品分野など、設備の更新や生産能力増強の動きがみられる分野においてプラントO&Mサービスの需要が増加すると考えられることから、市場全体は中長期的に微増傾向で推移する見込みである。

2020年代中盤以降は、カーボンニュートラル対策の設備投資が進み、例えばプラント内に設置された自家消費用再生可能エネルギー発電設備などのO&Mサービスの需要が増える見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2021年4月〜7月
2.調査対象: 製造業のプラントを対象にO&Mサービス事業やプラントメンテナンス事業、設備診断事業などを展開している企業(エンジニアリング会社やプラントメンテナンス会社など)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、電話・メールによる取材、ならびに文献調査併用
<製造業向けプラントO&Mサービスとは>
本調査における製造業向けプラントO&M(Operation & Maintenance)サービスとは、製造業のプラントオーナーからの委託を受けて、プラントのオペレーション業務(設備の運転、生産ラインの操業、ユーティリティ設備の管理業務等)や保全業務(点検、メンテナンス等)を実施・支援するサービスを指す。
プラントメンテナンスやオペレーションサービス、その他保全業務支援サービス(設備診断、保全業務計画策定支援、ファシリティマネジメント支援等)に加え、EPC[設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)]事業の一環として、プラントメンテナンスや設備診断などを行っている場合も対象とした。
<市場に含まれる商品・サービス>
製造業向けプラントを対象にしたプラントメンテナンスやオペレーションサービス、その他保全業務支援サービスなど

出典資料について

資料名2021年版 製造業向けプラントO&Mサービスの現状と将来展望
発刊日2021年07月30日
体裁A4 295ページ
定価165,000円 (本体価格 150,000円)

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