2020年度の語学ビジネス市場は前年度比10.8%減の7,817億円
~幼児・子供層を中心に生徒が戻りつつあり、2021年度の市場は回復する見通し~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の外国語学習に関わるビジネスを調査し、参入企業動向、分野別の市場動向、将来展望を明らかにした。
2020年度の語学ビジネス市場分野別市場規模
1.市場概況
2020年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比10.8%減の7,817億円であった。
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、需要期である新年度のタイミングで休校を余儀なくされた外国語教室の市場規模は前年度を下回った一方、オンラインによる語学学習ニーズが拡大した。とくに外国語教室の休校時(2020年4月~5月)のオンライン英会話においては、特需とも言える状況になるほど需要が拡大した。
また、周辺ビジネスに関してもコロナ禍の影響を受けている。ヒトの動きが制限されたり、企業活動が停滞したり、語学試験の中止や延期されたことで、語学試験市場、留学斡旋市場、通訳・翻訳ビジネス市場といった周辺ビジネスの市場規模も縮小した。
2.注目トピック
外国語教室は非対面型レッスンを拡充
語学学習方法が多様化しつつ、新型コロナウイルスの感染拡大によって対面レッスンが制限される中、外国語教室運営事業者各社は、新しい生活様式に対応した非対面型レッスンの提供を増やしている。単にオンラインレッスンを提供するだけではなく、ライブ配信サービス、AIを活用した英会話アプリなど、これまでの週数回のレッスン提供に加え、学習者の自習をサポートする取り組みにまで提供サービスを拡充させている。
3.将来展望
2021年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比3.2%増の8,071億円と予測する。
新型コロナウイルスの感染拡大が続いているものの、前年度のように新年度開始時期において教室が休校するといった事態は発生していない。感染拡大に注意しながら運営している状況であるため、幼児・子供層を中心に生徒が戻りつつあることから、前年度を上回るものと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年4月~6月 2.調査対象: 外国語学校運営事業者・団体、オンライン語学学習事業者、通信教育事業者、語学学習教材販売事業者、出版社、電子辞書メーカー、ソフトウェアメーカー、資格試験運営団体、留学斡旋事業者、通訳・翻訳ビジネス事業者等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談・オンライン取材及び、電話・eメールによるヒアリング、文献調査併用 |
<語学ビジネス市場とは> 本調査における語学ビジネス市場とは、①成人向け外国語教室市場、②幼児・子供向け外国語教室市場、③プリスクール市場、④幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑤書籍教材市場、⑥語学独習用機器・ソフト、⑦電子辞書市場、⑧幼児向け英会話教材市場、⑨通信教育市場、⑩オンライン語学学習市場、⑪ソフトウェア市場、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場の主な14分野を対象とし、事業者売上高ベースで算出した。なお、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場については語学関連サービスとして、周辺ビジネスと定義している。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 成人向け外国語教室市場、幼児・子供向け外国語教室市場、プリスクール市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、書籍教材市場、語学独習用機器・ソフト、電子辞書市場、幼児向け英会話教材市場、通信教育市場、オンライン語学学習市場、ソフトウェア市場、語学試験市場、留学斡旋市場、通訳・翻訳ビジネス市場 |
出典資料について
資料名 | 2021 語学ビジネス徹底調査レポート |
発刊日 | 2021年06月30日 |
体裁 | A4 435ページ |
定価 | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
お問い合わせ先
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