ネクストミーツ「ネクストファクトリー」完成イメージ図
(画像=ネクストミーツ「ネクストファクトリー」完成イメージ図)

〈年間生産量は国内向け3000t~4000tを計画、持続可能な工場を目指す〉
ネクストミーツは7月30日、新潟県庁で、同社初の自社工場の新設に係る記者会見を開き、新潟県長岡市に建設される代替肉製造の新工場「ネクストファクトリー」について説明した。着工予定時期は2021年10月、竣工予定時期は2022年夏頃としている。新工場の年間の生産量は3000t~4000t(月300t)を計画しており、国内向けの製品を製造する。

建設予定の長岡市は、創業者の白井良取締役会長の故郷であり、地元に貢献したい、そして新潟から世界へと事業を展開していきたいとの想いから、同地を選定したという。設計・施工は「中越興業」をはじめとした、地元の企業と連携しながら建設を進めていくとする。

ネクストミーツ創業者・白井良取締役会長と、佐々木英之代表取締役
(画像=ネクストミーツ創業者・白井良取締役会長と、佐々木英之代表取締役)

冒頭あいさつした白井会長は次のように述べた。

〈白井良取締役会長〉
『ネクストファクトリー』には世界からいろいろな分野の博士が移り住んでくれる。博士には基礎研究をいろいろな学問からアプローチしていただく。彼らが工場の中のR&Dセンターの『ネクストラボ』に移籍し、新しい食べ物をどんどん作っていってもらう。おいしく、安全で、多くの人に食べていただける食べ物をこれから開発していく。

SDGsの中でもとりわけ最も大事にしているサステナビリティに着目して、持続可能な工場を作る。具体的には、工場自体に自家発電ができるような設計にしたり、地元の建材を使ったり、生産ライン自体は全体的に省エネを図れるような設計にしていく。屋上には太陽光のパネルなどを設置する。

われわれの理念『地球を終わらせない』をもとに作っていくが、この理念により会社を立ち上げたきっかけは、子どもたちが、これから生まれてくる命が大人になっていく過程で、未来に希望を持てないのはかわいそうと考えたからだ。地球の未来は大人が作っていかなければならない。その姿勢を示す一つの取り組みとして、命をかけ、日本の技術を集結させて、この取り組みを世界に広げていきたい。

次いで、佐々木英之代表取締役が質疑応答に答え、「投資金額はおおよそ20億円をイメージしている。従業員数は40~50人を想定している。建屋は約800坪、一階建てを計画しており、屋上にはソーラーパネルを設置する予定だ。1年後に代替肉市場がどうなっていくか分からないので、工場には汎用性を持たせ、余力を持たせている」とした。

〈研究開発から生産ラインまで備えた一気通貫型、DXを実践した最先端の工場に〉
同社の代表商品であるNEXT焼肉シリーズは焼肉チェーン「焼肉ライク」に提供されているほか、大手スーパー「イトーヨーカドー」をはじめとする国内160店舗以上のスーパーで販売されており、国内外での累計販売数は2020年6月の発売開始から1年間で10万食を超えた。

今回の新設工場に当たっては、生産体制の安定化による品質向上と生産コストの低減、さらに商品開発の幅を広げる研究開発の強化を目指し、代替肉専用の食品工場の建設に至ったと説明している。

同工場の特徴は、日本初の代替肉専用工場であり、研究所「NEXTラボ」も併設し、代替肉専用の研究開発から生産ラインまで備えた一気通貫型の工場であることに加え、環境保全やエネルギーに配慮した持続可能な工場であること。また、クラウドシステムを含むデジタルトランスフォーメーション(DX)を実践した最先端の工場であることなどをあげている。

〈大豆油糧日報2021年8月2日付〉