(株)ジャパン・パックライス秋田(大潟村、涌井徹社長)は7月21日、大潟村に建設した県内初の無菌包装米飯工場の落成式を開催、本格生産をスタートした。関係者向けに工場見学会が催され、本格生産を始めたばかりの工場が披露された。
ジャパン・パックライス秋田は2020年5月に設立、(株)大潟村あきたこまち生産者協会など地元企業が出資している。工場は鉄骨造1階建て、延床面積は2,863.30平方メートル、施工は秋田市・加藤建設(株)、製造ラインには茨城・(株)シンワ機械の機械・システムを導入した。総額約21億円の事業としているが、半分は国の補助金、1/6は県の補助金を活用した。
1日の生産量は約12万食、年間約3,600万食を生産予定で、自動化システムの導入によって省人化を図り「製造ラインの最初から最後まで計5人ほどで管理する」という。主に量販店PB商品の製造を担うため、「原料は秋田のみならず、顧客のニーズに合わせて全国から仕入れる」としている。輸出も視野に入れており、「将来的には海外向けの割合を5割程度に増やしたい。商社を通さずに輸出する体制を整えているが、新型コロナの影響で思うように進まない」とのことだ。
落成式で涌井社長は「原料は直接農家から精米を仕入れることで、原価を抑えることができる。無菌包装米飯メーカーは他にもあるが、農家が作ったパックご飯の強みを活かし、米の消費拡大や日本の農業の発展に貢献していきたい」と述べた。また「工場が完成する前に年間生産量の販売の目処を立てることができた。今後は県内に工場を増やす取組にシフトしていきたい」とし、8月1日付で代表取締役社長を退き、会長に就任するとした。後任には田端和彦副社長が就く。落成式には自民党・金田勝年氏(衆・秋田2区)や農水省・平形雄策農産局長など多数が参列し、祝辞を述べた。
〈米麦日報2021年7月26日付〉