安定志向の社員をどうモチベートし、自発的に動けるようにしたら良いか?

THE OWNER特別連載「経営者のお悩み相談所 〜経営コンサルタントが一問一答!〜」第27回目は「安定志向の社員をどうモチベートし、自発的に動けるようにしたら良いか?」という経営者のお悩みについてお答えします。

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【今回のご質問】
新しい事業を導入する時に、成長思考を嫌う、安定思考の社員をどうモチベートし、自発的に動けるようにしたら良いですか?

人の性格は十人十色ですが、仕事に対する姿勢や考え方にも同じことが言えます。安定志向の社員を成長志向に変えていくには努力を伴いますが、やり方がないわけではありません。今回は特に大企業で多いとされる安定志向の社員をモチベートする方法について解説致します。

岩下 廉(株式会社ポムスタディ 代表取締役社長)
岩下 廉(株式会社ポムスタディ 代表取締役社長)
【略歴】製薬会社、国家公務員総合職での勤務を経て、ITベンチャー企業でディレクターを務める。20年1月より株式会社ポムスタディを設立して独立。
【学歴】東京大学 農学部 国際開発農学専修 卒
【資格】TOEIC970、将棋アマチュア参段
【株式会社ポムスタディ】マーケティングを中心としたコンサルティング事業および教育学習支援事業を推進。コロナ禍の状況下でも、増益増収を達成中。
HP:https://pom-study.com
Mail:info@pom-study.com

本当に安定志向の社員をあてる必要があるのでしょうか

まず最初にご質問を拝見して、新規事業に安定志向の社員を充てるということ自体にややミスマッチを感じました。当然のことではありますが、新規事業の開始時点では実績はゼロです。ベンチャー企業でもそうですが、実績がない状態から商品を売り込み実績を作っていく「ゼロイチ」の部分が一番労力を伴います。商品が市場から受け入れられている状態を専門用語では「プロダクトマーケットフィット」と呼びますが、プロダクトマーケットフィットは何としても事業を成功させるという強い気概がないとなかなか成立しないものです。