業界最大手の食品の企業間取引市場を運営するMマートは6月11日から、「自然肉」コーナーを開設した。Mマートは、業務用食品の検索や注文が自由にできるネット上の市場で、東証マザーズにも上場している。買い手会員数は約18万社で、業務用食材、食品、アウトレット商品など、飲食店、スーパーなどの仕入れに必要な商品を豊富に取りそろえている。
九谷田登志恵常務取締役販売本部長は、「Mマートは業務用食品卸業界をリードしていく存在を目指している。そのため、最先端の食品である代替肉への対応も意欲的に取り組んでいきたい。健康上の理由以外にも、ハラル、ヴィーガンとさまざまな人種も国内で生活をし始めていることから、代替肉の需要は今後もっと高まってくるだろう。また、世界的に人口が増えていることからSDGsも意識していかなければならない。そういう意味では、代替肉の販売はやらなければいけないことだと思っている」と使命感を示した。
「自然肉」と名付けた理由は、植物由来の代替肉だけではなく、昆虫によるたん白質も扱っていくという意思表示で、あらゆる食品を取り扱う市場を目指しているという。
「自然肉」コーナーには現在6社が出店している。商品には、大豆由来の代替肉が多く、チキンやチキンの味に近づけるための材料なども販売している。
「自然肉」コーナーの見通しとして九谷田本部長は、「これから、大手メーカーが参入してくれば、出店社もどんどん増えてくるはず。現在は、『自然肉』を販売する場所が少ない。業務用でも一般化しておらず、商品価格も高いので、飲食店でメニュー化されるようになるまでには、まだ時間がかかると思っている」と語った。
〈大豆油糧日報2021年6月28日付〉