プリマハムは6月25日、「Rudi's Fine Food Pte Ltd(以下、Rudi's)」の発行済株式の全てを投資ファンドから取得し、子会社化することで合意し、株式譲渡契約を締結した。同株式取得は、当該株式譲渡契約に定める所定の条件が充足された後に実行される。
Rudi'sは、マイスターが作るソーセージやハム等の食肉の加工・販売事業を行うシンガポール企業。スーパー・ハイパーマーケットでのコンシューマー製品、ホテル・レストランなどの業務用製品の販売を中心に展開しており、長年に渡りこれらの顧客との強固な関係を構築している。
総菜用を含むコンシューマー製品の市場ではトップシェアを持ち、高品質で、本場欧州の味の製品をシンガポール国内で製造する貴重な食肉加工メーカーとしてのブランドを確立している。
プリマハムは、経営の基本方針の1つとして「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を掲げている。Rudi'sは、成長著しい東南アジアの中心に位置するシンガポールの食肉製品市場で強い顧客基盤と高い商品開発力を有している。成長ポテンシャルの高い東南アジア市場における戦略拠点となり得ることから、同社のグローバル戦略の推進力となり得ると考えて、今回の契約締結に至った。
株式取得後もRudi’sの強みである鮮度の良い本場欧州の味を再現した食肉加工製品の製造・販売を継続していく。加えて、日本からだけでなく、海外のハム・ソーセージ工場としては初のJAS規格を取得したプリマハムのタイの製造拠点からの製品をRudi'sの販売網を利用して拡販、共通の原材料の共同調達、プリマハムが長年に渡り蓄積してきた生産ノウハウを生かした「生産性の改善」などを予定している。また、伊藤忠グループとの連携により、すでに実績のある周辺諸国向け輸出事業拡大を図る。
Rudi’sのさらなる成長と、プリマハムの海外事業の強化に努めていく考えだ。Rudi’sの2020年6月期の売上高は1,430万シンガポールドル(日本円で約11億8千万円、1ドル=82.57円として)、事業内容は食肉の加工・販売事業。
〈畜産日報2021年6月28日付〉