2020年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場は前年度比4.1%減の3,744億6,900万円の見込
~新型コロナウイルス感染拡大の影響による各症例数や外来患者数の減少から縮小へ~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のカテーテル&チューブ、IVR製品市場の調査を実施し、市場規模推移、診療科目別製品導入動向、製造販売業/販売元シェア、参入各社の販売政策、今後の成長製品などを明らかにした。
1.市場概況
カテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)である。カテーテル&チューブ、IVR製品を含む国内医療機器市場は、近年、診療報酬改定による影響を受けて減少する製品も多いものの、全体では横這いから微増推移を続けている。
2020年4月の診療報酬改定では、技術料に当たる本体部分については0.55%増、薬価を市場拡大再算定の見直し等を含め0.99%減、医療材料価格が0.02%減となり、その上で、本体部分の引き上げ0.55%のうち0.08%を「救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応」に充て、残りの0.47%を各科に配分し、医科が0.53%、歯科が0.59%、調剤が0.16%となった。また、今回の改定は急性期一般入院基本料の要件の厳格化や地域包括ケア病棟入院料の届け出の制限などを図る等、前回改定を踏襲する内容となっている。
2.注目トピック
アブレーション関連カテーテル市場
不整脈などのアブレーション治療(経皮的心筋焼灼術)が2019年度で102,105例、うちAF(心房細動)症例が67,950例と拡大しており、同症例に対してIVUS(Intra Vascular Ultra Sound)・ICE(Intracardiac Echocardiography)等の診断用に90%以上で採用されていると推測する。アブレーション関連カテーテルでは、症例数が増加する中でアブレーションカテーテルの出荷本数の増加と併せて、電極カテーテル、遠位端可動型シースイントロデューサーセットの市場も拡大し、2019年度は前年度比15.0%増の890億7,600万円、2020年度は852億1,700万円が見込まれる。
3.将来展望
2019年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比2.3%増の3,905億8,900万円となった。2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から各症例数や外来患者数の減少により同4.1%減の3,744億6,900万円の見込みである。
今後も成長が続く、冠動脈センサー付きガイドワイヤー等の付加価値診断系カテーテルやアブレーション関連製品等を除くと、多くの製品が微減から1%未満の成長率にとどまる見通しで、2024年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場規模は、2019年度比で6.0%減の3,671億1,600万円になると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2020年5月~2021年1月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の総発売元(製造業・製造販売業) 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、ならびに電話取材調査併用 |
<カテーテル&チューブ、IVR製品とは> 調査におけるカテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)を指し、血管内で使用される、PTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)やPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)関連のカテーテル、血管造影用カテーテル、アブレーション治療関連のカテーテル、Coronary Stent(ステント)、末梢血管用ステント、塞栓用コイル、消化管バルーン・ステント、栄養カテーテル、サクションチューブ(吸引カテーテル)、尿管ステント、ネラトンチューブ、自己導尿カテーテルなどに加え、各診療科特有の製品を含む52項目(80区分)を対象とした。また、IVR(Interventional Radiology)製品は、X線透視撮影装置やCTなどの画像診断下で体内の診断・治療を行うデバイスで、血管系と非血管系の製品に分類される。 |
<市場に含まれる商品・サービス> カテーテル&チューブ、IVR製品 |
出典資料について
資料名 | 2020年版 カテーテル&チューブ、IVR製品市場の中期予測と関連製品の徹底分析 |
発刊日 | 2021年02月08日 |
体裁 | A4 703ページ |
定価 | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
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