「AppleはEpicのアカウントを停止する必要は無かった」——。米ゲーム開発会社のEpic Gamesのティム・スウィーニーCEO(最高経営責任者)は、同社のApp StoreアカウントをAppleが停止したことについて、Twitter上でこう反論した。
AppleとEpic Gamesの対立が鮮明になっている。Epic Games側はApp Storeにおける課金方法について批判を展開しており、その是非を問う裁判も始まった。
連載「経営トップ、発言の真意——WORDS by EXECUTIVE」、今回はEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOの発言を取り上げ、対立の争点などについて考えていく。
AppleとEpic Gamesの対立
AppleとEpic Gamesの対立は2020年8月13日から始まった。
App Storeでゲームを配信していたEpic Gamesはこの日、Apple側の課金システムを回避する独自の支払いシステムをゲーム内で導入した。Apple側はこのことが規約違反に当たると判断し、Epic Gamesの人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」をApp Storeから削除した。
AppleはApp Storeを通じて配信されるアプリの開発企業・開発者に対し、課金手数料の30%をAppleに支払うようルールを定めている。この30%の手数料を回避しようとしたEpic Gamesの行為をApple側が問題視したという構図だ。
フォートナイトが削除されたあと、Epic GamesはすぐにAppleに対して批判を展開。同日中にAppleの行為が不正な独占行為に当たるとして、米カリフォルニア州の連邦地裁にApple社を提訴している。
Apple側はEpic Gamesに対して規約違反となる箇所の修正を求め、猶予期間として14日間を与えたが、結果としてEpic Gamesはこの要請に応じることはせず、冒頭紹介した通り、Apple側がEpic Gamesのアカウント自体の停止に踏み切ったわけだ。