矢野経済研究所
(画像=Takahiro/stock.adobe.com)

ウィズコロナをはじめとする ”ニューノーマル” 時代を見据える戸建て住宅市場

~間取りや内装、設備などハウスメーカーにおける商品提案が大きく変化する~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の戸建て住宅市場を調査し、各分野(注文住宅、建売住宅、建て替え住宅、中古住宅)ごとに現況、および将来展望を明らかにした。

1.調査結果概要

2019年度の戸建て住宅の着工戸数は、2019年10月の消費税率引き上げを見据えた上期の駆け込み需要に対し、下期にはその反動減が見られたものの、通年では微減に留まった。過去の消費税率引き上げ時の動向を踏まえ、住宅需要の標準化を図るため、国による住宅ローン減税の拡充や次世代住宅ポイント制度などの政策整備により、過去2回の消費税率引き上げ時程の大幅な反動減は見られなかった。

2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大というかつてない状況に晒されており、経済環境の悪化による消費マインドの低下のほか、年度始めはハウスメーカーによる住宅展示場での営業や販促イベントなどが制限されたこと等の影響から、戸建て住宅市場の縮小は避けられない見通しである。
一方で、2020年5月に緊急事態宣言が解除されたことで、経済活動は平常化へ向けて動き出しており、戸建て住宅市場においても感染拡大防止を図りながら営業活動が再開している。また、ウィズコロナ時代を見据えた新たな住宅商品の展開や、リモートワークの普及や在宅時間増加などから「戸建て住宅」に対する市場ニーズの変化もあり、今後の感染状況の推移を注視する必要はあるものの、市場の ”底” は脱していくと見られる。

2.注目トピック

ウィズコロナ時代における戸建て住宅の動向

2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の拡大は、ハウスメーカーにおける商品提案にも大きな変化をもたらした。新型コロナウイルス対策に向けた間取りや内装、テレワークの普及や在宅時間の増加に対する工夫など、これまでは顕在化しなかったニーズが生まれ、ハウスメーカー各社共にそれらに対して迅速かつ鋭敏に反応し、2020年度以降における新商品提案に結び付けている。

ハウスメーカーのコロナ禍における特徴的な提案アイテムとしては、テレワークや在宅ワークスペースの確保や、換気・空調システムによる空気清浄、在宅時間増加に伴う光熱費の上昇を抑制する2重サッシ等の省エネ性の高い設備、外から室内にウイルスを持ち込ませない間取りの工夫などが挙げられる。
また、従前からの職場や都心へのアクセスの良さといった利便性に対するニーズはある一方、リモートワークの普及による在宅時間の長期化から、広さや快適性を求めるために郊外へ戸建て住宅を求めるニーズも増加しており、特にハウスビルダーが供給する建売住宅は値ごろ感とも相俟って販売増加につながっているなどの傾向もみられる。

調査要綱

1.調査期間: 2020年9月~10月
2.調査対象: 戸建て住宅関連企業(ハウスメーカー、パワービルダー、中小工務店、リフォーム事業者他)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用
<戸建て住宅市場とは>
本調査における戸建て住宅市場とは、新築戸建て住宅(注文住宅、建売住宅、建て替え住宅)、中古戸建て住宅を対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
新築戸建て住宅(注文住宅、建売住宅、建て替え住宅)、中古戸建て住宅

出典資料について

資料名2020年版 戸建て住宅市場の徹底研究
発刊日2020年11月11日
体裁A4 250ページ
定価120,000円(税別)

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