矢野経済研究所
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パチンコホール経営企業の店舗戦略は慎重姿勢

~出店数は低水準、閉店数は踏みとどまるも2020年は悪化する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、パチンコ経営企業及びパチンコホールを調査し、全国パチンコホールの出店トレンドや閉店実態、及び有力パチンコ経営企業10社の店舗戦略などを調査した。

パチンコ経営企業上位196社の店舗戦略

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パチンコホールの閉店数の推移

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1.調査結果概要

 YANOパチンコデータベースから2019年末時点で10店舗以上を経営していた上位196の企業グループ(以下グループ)について、それらの過去10年間における店舗数増減(グループ規模の変化)と、2019年末時点のグループの平均台数(店舗の台数規模)の2つの指標を使って、各グループの店舗戦略の現状を「安定成長」「拡大優先」「再編縮小」「要対策」の4つに分類したところ、「安定成長」は79グループ、「拡大優先」は60グループ、「再編縮小」は26グループ、「要対策」は31グループであった。

「安定成長」のグループは、過去10年間の店舗数増減がプラス(≒グループ規模が拡大)で、平均台数が500台より多い(店舗規模が全国平均より大きい)グループであり、グループ、店舗の両面でパチンコホールにとって重要な規模の優位性を有していると言え、有力企業10社の中では、(株)マルハン、(株)延田エンタープライズ、NEXUS(株)、(株)ニラク、(株)パラッツォ東京プラザ、(株)遊楽、(株)ベガスベガスが該当する。

「拡大優先」のグループは、過去10年間の店舗数増減がプラス(≒グループ規模が拡大)だが、平均台数が500台(店舗規模が全国平均より小さい)より小さく、グループ規模は拡大しているものの、店舗規模に不安のあるグループと言え、有力企業10社の中では、(株)ダイナム、アンダーツリー(株)が該当する。

「再編縮小」のグループは、過去10年間の店舗数増減がマイナス(≒グループ規模が縮小)だが、平均台数が500台より多い(店舗規模が全国平均より大きい)グループで、この中には不採算店の整理が既に完了しているグループと、まさに不採算店の整理を進めているグループが混在している。有力企業10社の中では、(株)ガイアが該当する。

「要対策」のグループは、過去10年間の店舗数増減がマイナス(≒グループ規模が縮小)なうえ、平均台数が500台(店舗規模が全国平均より小さい)より少ないグループで、早い段階で適切なスクラップ&ビルドに取り掛からなければ、深刻な事態に陥ってしまう可能性があるだろう。このグループには、多店舗展開を始めた時期が早い、いわゆる“老舗企業”が多く見られ、限界を迎えた店舗を閉店しているものの、適切な規模の出店ができないために閉店が止まらないケースや、大型店(≒買い手がつく店舗)から売却しているために中小型店だけが残っているケースなどが考えられる。有力企業10社の中には該当する企業がなかった。

2.注目トピック

2019年のパチンコホール閉店数は562店舗、閉店率は6%

 YANOパチンコデータベースから、2018年末時点に営業していた9,783店舗を抽出して、2019年末時点の営業状況(閉店or継続)を集計した。その結果を見ると、2018年末に営業していた9,783店舗のうち、2019年末時点で閉店したのは562店舗で、閉店率は6%であった。

前年と比較すると、閉店数は62店舗減少しており、2年連続で閉店数は減少推移したものの、2020年は新型コロナウイルスに伴う営業自粛による売上減の中、新規則機への移行を進める厳しい状況となっており、閉店数が急増する可能性がある。

調査要綱

1.調査期間: 2020年1月~3月
2.調査対象: 全国のパチンコホール経営企業および全国のパチンコホール
3.調査方法: YANOパチンコデータベースをもとに集計(矢野経済研究所が保有するパチンコホール、及びパチンコ経営企業のデータベース)
<本調査について>
YANOパチンコデータベースをもとに、パチンコ経営企業の上位196社の新規則時代へ向けた各社の店舗戦略を「安定成長」「拡大優先」「再編縮小」「要対策」の4つに分類し、その特徴や課題を考察した。また、パチンコ有力企業10社については、過去7年間の統計(出店数、閉店数、平均台数、平均人口等)をもとに詳細な分析を行った。その他、パチンコホールの店舗戦略策定に必要な「新店成功のポイント」や「閉店実態」なども調査した。
<市場に含まれる商品・サービス>
パチンコ経営企業、パチンコホール

出典資料について

資料名2020年版 パチンコ有力企業の店舗戦略(出店トレンドと閉店実態)
発刊日2020年06月24日
体裁A4 250ページ
定価120,000円(税別)

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