MHD モエ ヘネシーディアジオ「6月以降は需要回復、ブランドへの信頼は厚い」/ブルノ社長会見
(画像=MHD モエ ヘネシーディアジオ代表取締役社長ブルノ・イヴォン氏)

MHD モエ ヘネシーディアジオ代表取締役社長ブルノ・イヴォン氏は8月11日、オンラインで会見し、「コロナウイルスに影響は受けたが、7月以降は出荷数も増えている。全社員およびトレードパートナーの健康と安全を最優先しながら、デジタルでの展開やEリテールに注力していく」と話した。

◆コロナウイルスの影響

3月以降、状況が深刻化し、緊急事態宣言後は大きな影響を受けたが、当社に関わる全メンバーが健康で安全であることを最優先に考えながら、コミュニケーションもデジタルからの発信へとシフトした。

緊急事態宣言が解除された6月以降、徐々に需要は回復し、7~8月は出荷数も増えている。コロナウイルスの治療薬が見つからない以上、半年から1年はこの状況が続くとみるが、当社のブランドはいずれも長い歴史を持ち、消費者からの信頼感も変わっていない。長期的視野で見れば、きっと回復できると信じている。

◆ブランドごとの状況

オントレードは4~5月、相当な打撃を受けたが、トレードパートナーへのきめ細やかな対応を継続する。

一方でオフトレードの需要は、好調に推移した。なかでも、日本市場におけるシャンパーニュの優位性は強い。コロナによるインパクトは大きいが、この状況を脱すれば回復できると信じている。ウイスキーも同様で、長期的に見れば未来は明るい。上期にリリースした「アードベッグ」の新製品や、ボトルのサイズ展開などが好意的に受け入れられている。

◆デジタルコミュニケーションについて

物理的な接点が持ちづらい状況下、LINEやYouTubeなどのデジタルメディアを通じた発信を強化した。「ヴーヴ・クリコ」や「モエ・エ・シャンドン」では「おうち時間」を楽しむ企画を展開。「モエ・エ・シャンドン」「クリュッグ」「ルイナール」「グレンモーレンジィ」などでは、造り手によるオンラインセミナーも実施。

〈デジタルからのブランド発信強化、Eリテールに向けた取り組みも〉

◆下期の具体的戦略

下期も社員とトレードパートナーの健康と安全の確保が最優先だ。ウイルスの感染を防ぎ、安全を確保できるよう、企業責任として万全の対策をとる。もちろんポートフォリオ全体において、また全チャネルにおいて、さまざまな営業努力は続けていく。

9月には「ドン ペリニヨン」の新ヴィンテージや、「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム」のコラボ商品などをリリース予定。「ジョニーウォーカー ブルーラベル」からは200周年記念商品を発売する。「ヘネシー」「オールドパー」「タリスカー」「クラウディ ベイ」などでも、デジタルを主体としたプロモーションを企画する。

なお、秋の酒税改正に関しては、プライスレンジを考えると当社のポートフォリオに大きなインパクトはないとみる。コロナウイルスの感染拡大は心配だが、長期的にみると日本の市場が大きく変わるとは思わない。コロナの後にはいい未来が待っていると楽観的に見ている。

また、STAYHOME期間中はオンラインショッピングへのシフトが進んだが、コロナ終息後もこの状況は続くだろう。「モエ・エ・シャンドン」では、楽天に公式オンラインショップもあり、今後もEリテールに力を入れる。

◆CSRとサステイナビリティ

企業の社会的責任やサステイナビリティへの取り組みが問われる時代、当社でもグローバルなテーマとして取り組んでいる。サステイナブルな未来に向けた「リビングソイルズ」(生きた土壌)をテーマとするシンポジウムの開催に加え、欧州では2年前からサステイナブルデベロップメントウィークに合わせて開催していた「シチズンウィーク」を、今年も日本で先週開催したばかり。オンライン形式でさまざまなゲストスピーカーを招き、価値観を共有した(詳細は追って掲載)。

◆ロット番号削除問題

コロナの影響で活動はスローダウンしたが、引き続き日本洋酒輸入協会と欧州ビジネス協会と活動を続ける。

◆ロックダウンの影響

出荷状況にも物流においても大きな問題は起きていない。

〈酒類飲料日報2020年8月17日付〉