矢野経済研究所
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2019年のパチンコ・パチスロ参加人口を780万人と推計、昨年調査よりも減少傾向

~パチンコ・パチスロファンが他に行うレジャーは「スマホゲーム」、「宝くじ」、「競馬」~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、インターネットアンケート調査によりパチンコ・パチスロファンの遊技動向を明らかにするとともに、2025年までのパチンコ産業の重要指標の将来予測を行った。ここでは、2019年のパチンコ・パチスロ参加人口、パチンコ・パチスロファンが他に行うレジャー、喫煙状況について、公表する。

2019年のパチンコ・パチスロ参加人口

矢野経済研究所
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1.調査結果概要

パチンコ産業は2000年代半ばからは長期縮小トレンドで、パチンコホール経営企業や営業店舗数も減少傾向にあり、パチンコ・パチスロ参加人口も減少していると言われる。
2018年には遊技機規則が改正され、全ての遊技機(旧規則機)を新規則機へと入れ替えることが必要となった。これを受けて、人気旧規則機の撤去によるファンの離脱が懸念されているほか、2020年4月からの改正健康増進法全面施行によって、パチンコホールが原則禁煙となったこともファンの遊技意欲低下を招くと危惧されている。また、パチンコホール経営においては、新規則機の導入に伴う投資負担に耐えられない企業の廃業が想定されるなど、将来の市場成長に対する強い懸念要素を抱えているのが、パチンコ産業の現状である。

2020年2月に実施したインターネットアンケート調査結果(n=30,000)をもとに、2019年のパチンコ・パチスロ参加人口を780万人と推計する。昨年調査の参加人口820万人より40万人減少しており、参加人口の減少を裏付ける結果となった。
内訳をみると、男性が589万人(構成比75.5%)、女性が191万人(同24.5%)となり、遊技状況別では、パチンコ機のみ遊技するファンが372万人(同47.7%)、次いでパチンコ機・パチスロ機いずれでも遊技するファンが242万人(同31.0%)、パチスロ機のみが166万人(同21.3%)であった。重複を考慮するとパチンコファンが614万人、パチスロファンが408万人であった。
また、年齢別にみると、パチンコファンはパチスロファンよりも高齢者層の比率が高く、加齢による参加率低下の影響を強く受け易い結果となった。

2.注目トピック

本調査ではパチンコ・パチスロファン(回答者数619人)に対して、さらに詳細な遊技実態や他のレジャーの利用状況などの調査を行った。加えて、2020年4月の改正健康増進法全面施行によってパチンコホール内が原則禁煙となることを受け、パチンコ・パチスロファンの喫煙状況と禁煙化による影響についても明らかにしている。

【パチンコ・パチスロファンの併用レジャー】
パチンコ・パチスロファン(n=619)が2019年中に併用したレジャーは、「スマホゲーム(非課金)」が29.2%と高く、「スマホゲーム(課金)」も8.7%の割合で併用している。近年のスマホゲームの急成長にはパチンコ参加人口も影響したと言われるが、当調査結果からもその可能性が見て取れる。
ギャンブル的な要素を魅力とするレジャーである宝くじ・公営ギャンブルについては、「宝くじ」が20.8%、「競馬」は15.2%と併用率が高い。その一方で、「toto」は8.1%、「競輪」は5.3%、「競艇」は4.5%、「オートレース」が1.8%と併用率は低い。同様の要素を持つレジャーであるが、必ずしもパチンコ・パチスロファンが全てのギャンブル的なレジャーを好む嗜む訳ではないことが分かる。

【パチンコ・パチスロファンの喫煙状況】
本調査による18歳~70歳代までの男女(n=30,000)の喫煙率は18.5%であったが、一方、パチンコ・パチスロファン(n=619)の喫煙率は全体で58.6%、うち男性61.0%、女性51.2%であり、大幅に喫煙率が上昇する。2020年4月からの原則禁煙化後の店舗選択については、喫煙者の62.1%が「喫煙できる店舗を優先する」と回答しており、また、61.4%が「喫煙環境が整った店舗を優先する」と回答している。パチンコ・パチスロファンの喫煙率の高さを踏まえると、喫煙者がストレスを感じにくい環境の整備が非常に重要になると考える。

調査要綱

1.調査期間: 2020年1月~3月
2.調査対象: パチンコ・パチスロファン、パチンコホール経営企業、遊技機メーカー
3.調査方法: インターネットアンケート調査、当社専門研究員による市場予測
<本調査について>
本調査で実施したインターネットアンケート調査では、2019年のパチンコ・パチスロ参加人口を拡大推計するとともに、パチンコ・パチスロファンの遊技頻度・予算・店舗利用状況および、喫煙状況・パチンコホール禁煙化による影響、他のレジャー実施状況などを明らかにした。

本調査とは別に「YANOパチンコデータベース」を基に、パチンコ産業の実態を表す重要指標として、「市場規模:売上高(貸玉・メダル料)」、「市場規模:粗利額」、「参加人口」、「パチンコ店舗数」、「パチンコホール経営企業グループ数」、「遊技機設置台数(パチンコ機・パチスロ機)」、「遊技機販売台数(パチンコ機・パチスロ機)」等の2025年までの将来予測を遊技機規則改正の影響を加味し、3パターンで実施した。
昨年同様に何れの指標も非常に厳しい予測結果となり、パチンコホール経営企業のみならず、遊技機メーカーや周辺設備機器メーカーにおいても、この先数年間がまさに正念場を迎えていることは間違いない。なお、各種指標の予測は2020年3月に実施しているため、新型コロナウイルス感染拡大による影響、および旧規則機撤去の経過措置の延長の影響は加味していない。
<市場に含まれる商品・サービス>
パチンコファン、パチスロファン、パチンコホール経営企業、パチンコホール、パチンコ機、パチスロ機

出典資料について

資料名2020 パチンコ産業未来予測
発刊日2020年04月15日
体裁A4 46ページ
定価185,000円(税別)

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