
妹尾美穂(せのお みほ)さんは、ピアニスト、鍵盤ハーモニカ奏者、ドラムサークルファシリテーターとして活躍する音楽家で一般社団法人 鍵盤ハーモニカ教育LABOの代表理事を務め、鍵盤ハーモニカの魅力を広めるための教育活動や演奏活動を精力的に行っています。 そんな妹尾さんに鍵盤ハーモニカの未来についてお伺いしました。 |
鍵盤ハーモニカの歴史を知り、教育楽器から進化して音楽界の位置付けを変えていく

私は音楽大学を卒業してから岡山県の小学校で音楽の先生として勤めていました。音楽が好きで子どもたちと一緒に素敵な時間を過ごしていた一方で、途中から教える事に一生懸命になってしまい自分が心の底から音楽を楽しめずにいました。そんなとき、小学校1・2年生の授業で誰もが演奏した事のある鍵盤ハーモニカとの出会いで私の人生は大きく変わりました。
皆さんは鍵盤ハーモニカについてどんな印象があるでしょうか?
授業で多くの子どもたちが口をそろえて「鍵盤ハーモニカは嫌だ」「ちっちゃい子がやるやつ」「ダサい」と言います。私は当時から悪い印象はないと思っていましたが、歴史を振り返ると鍵盤ハーモニカは20年以上前から教育楽器という位置付けで音程を知る・メロディーを弾くなど教育過程のためだけに使用されており、楽器で演奏するところまで及んでないことに気がつきました。
音楽教育の楽器として優秀ではあるものの将来性やビジョンが不明確な楽器を演奏しても楽しくないのはもちろん、ここで音楽に対して遠い存在になってしまう危険性も感じました。だとしたら音楽界における鍵盤ハーモニカという楽器の位置付けを変えようとしたのが最初の私の思いでした。
鍵盤ハーモニカの演奏技術向上や指導法の研究を通じて、可能性を明かし続ける

先程も話した中でも鍵盤ハーモニカを通して、この楽器で将来性のあるビジョンを見せる音楽家になるために日々試行錯誤しております。鍵盤ハーモニカの魅力を世の中に伝えていく活動として音楽教育から指導者へのコーチング、アーティストとしてライブの演奏から子どもたちに合わせた演奏など幅広く行っています。
音楽鑑賞会でのドラムサークル実施や小学校の音楽専科の経験を生かし、学校でのドラムサークル実践や先生向けのファシリテーションセミナーにも力を入れています。ファシリテーターは教えるだけではなく周りの才能を引き出す役割として音楽業界へ貢献していく役割にもなります。
野球選手やサッカー選手のように有名で活躍している姿を見て憧れるように、いつの日か鍵盤ハーモニカ奏者を見てその姿に憧れる子どもたちが出てくる世の中にしていきます。
鍵盤ハーモニカの学校をつくり、音楽の自由さを表現していく場を提供していく

小学校の先生向けの雑誌に鍵盤ハーモニカの授業を面白く楽しく伝える連載記事を書かせていただく機会があり、鍵盤ハーモニカの教科書を出版しました。幼稚園・保育園の先生へ鍵盤ハーモニカの指導で講師も育成しつつ高齢者に向けて鍵盤ハーモニカの指導をしてきた中で、演奏法や愛好家としてさらに深く知りたい人など興味を持って頂ける方たちに向けてオンライン上の学校をつくりたいと考えています。
まだ確立されていない鍵盤ハーモニカの奏法を皆んな自由に表現し、情報提供しながら一緒につくる学校のようなコミュニティが存在しても良いし、ピアノを演奏していた先生方が鍵盤に持ち替えて指導する場面も徐々に増えてきています。
キングコングの西野さんからコンサルティングを受けたことがあり、この楽器の魅力を伝えつつ新しいロールモデルとなるために世界観を考慮し演奏する新しい世代の音楽家として活動していきます。最終的な目標は武道館で鍵盤ハーモニカの演奏したい人を募集し、来場者全員を音楽の世界へと巻き込み、コンサートを聴きに来た人々が当事者のように参加している状態を作り出したいです。
スタンダードCollaboratorの方は、ご自身のコラムを無料で寄稿できます。
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