
セイコーウオッチは、クレドールと画家・山口晃氏の美意識が結実した数量限定モデルを、8月8日から発売する。国内限定15本です。
「クレドール」と画家・山口晃氏は、ともに日本の伝統や文化を大切にしながら、独自の感性と現代性を融合させ、昇華させる姿勢において共鳴し、今回特別なコラボレーションが実現した。
「クレドール」は、1974年に誕生して以来、彫金や漆、螺鈿など、日本の伝統工芸の技術を取り入れたモデルを多く展開し、そのすべてに匠の精神と卓越した技術が息づいている。一方、山口氏の作品は、大和絵のような俯瞰視点を持ちつつ、圧倒的な細密さと独創性によって建築物や人物を描き込み、唯一無二の世界観を築いている。
独自のスタイルで日本の美意識を昇華させてきた「クレドール」と山口氏。その互いの哲学が融合し生まれた限定モデルとなっている。

デザインコンセプトは「数寄メカニカル」。「てんぷ」を起点に、一雫が万象へと化生する生命の律動から着想した。
「数寄(すき)」とは、風流なものや風雅なものに心を寄せることを意味する。機械式腕時計の魅力を、山口氏ならではの感性で存分に表現してもらった。山口氏がまず着目したのは、機械式腕時計の心臓部ともいわれる「てんぷ」。機械式腕時計が正確に時を刻むために欠かせない、この重要なパーツを起点に、生命の息吹が波紋のように広がり、万物が展開していく様子をイメージしている。

てんぷの動きを際立たせるため、ダイヤルの6時位置から9時位置にかけて、スケルトン仕様を採用。ダイヤルの切り抜き形状にも山口氏の想いが込められている。何か新しいものが生まれる瞬間のエネルギーと広がりを表現すべく、「開かれる」イメージの造形を取り入れた。このデザインは、昨年ブランド誕生50周年を迎え、海外の高級時計市場へ進出するクレドールの新たな船出をも象徴している。
さらに、ムーブメントとダイヤルの間には、一枚の透明なガラスを挟み、ガラスの表面にメカニカルな意匠を取り入れることで、スケルトン部分の機械的な美しさを一層際立たせている。ガラスに様々な技法を施し、二次元と三次元がオーバーラップするようなレイヤー感は、クレドールの過去のモデルから着想を得た。

山口氏はクレドールのインデックスの輝きに着目し、日本画のコードの一つである菱文様を構成するものとして採用した。光の入り具合によって光と影が反転する美しいデザインを実現するために、菱文様を構成する合計11種、60本に及ぶインデックスを新たに開発。盤面の様々な菱文様と立体的に配置されたインデックスが重なり合い、平面であるはずのダイヤルに奥行き感が生まれる。この独自の構造は、まるでだまし絵を見ているような不思議な感覚をもたらす。時計のインデックスを、時刻を正確に把握するために規則正しく配置するのではなく、ダイヤルのデザインの一部として再構築をするという山口氏の発想は、新たな視覚効果を生み出し、唯一無二のデザインを実現している。

裏ぶたのデザインは、輝きながら規則的に動くてんぷを月に見立て、そこからススキの野原が広がり、そのススキがほどけて秋草となり、曲線へと展開し、やがて天体の楕円軌道へとつながっていくさまを表している。裏ぶたをくり抜くことで、ダイヤルのスケルトン部分に光を取り込み、全体の輝きを一層引き立てる効果も生まれる。さらに、山口氏のファンにとっては、特別な意味を持つ山口氏の落款印の刻印もデザインの一部として巧みに組み込んでいる。
[小売価格]330万円(税込)
[発売日]8月8日(金)
セイコーウオッチ=https://www.seikowatches.com/jp-ja