キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
左から:キリンビール マーケティング部 事業創造室 小島亨介氏、マクアケ インサイトマーケティング事業部 シニアプロデューサー 早川将司氏

キリンビールは、酒類領域に新たな事業および価値創造を実現することができる人材の開発を目的に2021年度に実施した社内新規事業提案制度の中から、ウイスキーの熟成とともに消費者の人生に寄り添うことで、忘れられない乾杯を提供するサービス「人生を共に生きるウイスキー」を採用した。同事業は、6月6日から開始するクラウドファンディングサービス「Makuake」での応援購入によって資金調達を募り、目標金額に到達した場合、事業の本格展開を開始する。5月23日に行われた「人生を共に生きるウイスキー」説明会では、同サービスの起案者であるキリンビール マーケティング部 事業創造室 小島亨介氏がプロジェクトの詳細およびサービス概要について説明した。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
キリンビール マーケティング部 事業創造室 小島亨介氏

「2016年にキリンへ入社し、研究所で酵母発酵に関する研究に従事。2019年にはキリンビール工場でビール醸造に従事してきた。2021年の工場在籍中に社内新規事業公募制度で『人生を共に生きるウイスキー』を起案し、最終審査を通過。マーケティング部 事業創造室にて、ホームタップの事業成長と新規事業開発の二足の草鞋を履きながら取り組みを推進している」と、小島氏が自身の同社での経歴を紹介する。「今回の事業を起案した背景には、“子どもが中学生になるくらいまで毎年柱に線を入れていた子どもが一人立ちした後に家を建て直す時、その柱は捨てずに新しい家の一部に使用した”というエピソードを聞いた際、子どもの成長と共に変化していくモノを節目で楽しみ、その中には家族の歴史を体現できるモノや親にとって特別な価値があるモノが存在すると思った。この他にも24名の親にヒアリングを実施したところ、写真、アルバム、動画、足型、記念樹、家の柱に線を入れるといった回答が得られた」と、子どもの成長を楽しむ家族は少なくないと思ったのだという。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
「人生を共に生きるウイスキー」

「そこで、消費者の人生を共にすることで、一生忘れられない乾杯を提供する新サービス『人生を共に生きるウイスキー』を社内新規事業公募制度で起案した」と、同事業のビジョンについて語る。「同サービスでは、熟成0年時点のウイスキーを購入。キリンディスティラリー社保有のウイスキー樽内で熟成させる。熟成期間は20年。一定期間ごとに熟成途中のウイスキーを届ける。過去の仕込原酒も購入可能(Makuakeでは2019年~2025年の原酒を購入可能)となっている」と、事業概要について発表。「価格は10万円(税別)。熟成途中のウイスキー100ml(50ml×2本)を6回発送する。20年目には熟成のウイスキー700mlを届ける」と、商品の詳細について教えてくれた。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
「人生を共に生きるウイスキー」熟成0年ウイスキー(500ml×2本)

「熟成0年の提供ウイスキーは、原酒はモルト原酒を採用。樽詰前の蒸溜液を瓶詰して発送する。その後は、熟成3年、7年、10年、13年、16年のウイスキーを届ける。届ける際には、手紙を同梱し、その時の子どもへの想い、将来への願いを記し、20年後のタイムカプセルとしての機能も有する。そして、熟成20年のウイスキーを700mlの瓶に詰めて発送。最終的に20年熟成品となった香味特長をブレンダーの言葉で紹介する」と、節目にウイスキーが届けられる仕組みになっていると教えてくれた。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
「人生を共に生きるウイスキー」(左から:50mlの熟成0年ウイスキー、熟成3年ウイスキー、熟成7年ウイスキー、熟成10年ウイスキー、熟成13年ウイスキー、熟成16年ウイスキー、700mlの熟成20年ウイスキー)

「ターゲットは、人生の節目を迎えた人へ贈るサービスであるため、すべての人が対象と想定する。出会いや結婚、会社設立や起業、新サービスの開発、孫の誕生、移住・引っ越し、退職・定年といった節目を迎える人々に届けるサービスであると考えている」と、「人生を共に生きるウイスキー」の対象者について言及した。「また、同サービスの紹介とともに、消費者の人生で忘れられない乾杯エピソードを聞いて走る人生リアカー企画を実施している。走る様子は公式Instagramで配信する予定」とのこと。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
「人生を共に生きるウイスキー」をPRするキリンビール マーケティング部 事業創造室 小島亨介氏

「同サービスは20年という長期にわたるものだからこそ、応援購入してくれた人々と一緒により良いものにしていきたいという想いからクラウドファンディングという形で展開する」と、クラウドファンディングで展開する意義について説明する。「今回、All or Nothing形式での挑戦のため、目標未達の場合は、事業を開始しない。目標金額は1億円に設定。6月6日から開始する。MakuakeにおいてAll or Nothing形式の過去最高目標金額は5000万円。過去に1億円超えのプロジェクトを実施した割合も0.1%以下と高いハードルに設定した」と、20年にわたる事業のため、同事業のファンになってもらった人々の声を聞きながら、一緒にサービス体験を向上していきたいという想いから、資金調達をクラウドファンディングで行い、「人生を共に生きるウイスキー」の本格展開を目指すのだと訴えた。

キリン、ウイスキーの熟成度合いを体感するサービス「人生を共に生きるウイスキー」の「Makuake」での応援購入を開始
マクアケ インサイトマーケティング事業部 シニアプロデューサー 早川将司氏

次に、マクアケ インサイトマーケティング事業部 シニアプロデューサー 早川将司氏が、クラウドファンディングサービス「Makuake」について紹介した。「Makuakeは、アタラシイものや体験の応援購入サービス。流通前の市場における新商品や新サービスを消費者がいち早く応援購入できるプラットフォームとなっている。応援購入とは、購入することで応援の気持ちを示す、新しいサービスの形としている」と、Makuakeのサービス概要について説明した。「Makuakeサービスでは、企画中の新製品やサービスをMakuakeに掲載し魅力をアピール。掲載されたプロジェクト情報を見て応援購入してもらう。プロジェクト実行者に対して当社手数料等を控除した応援購入総額が提供される。プロジェクト実行者からは応援購入者にリターンを提供するという流れになる」と、サービスの仕組みについて解説してくれた。「プロジェクト実施パターンには、All in方式とAll or Nothing方式の2パターンを用意。All in方式では、達成の有無に関わらず、終了日までに調達した金額が獲得できる。1人の応援購入からリターン配送義務が発生する。一方、All or Nothing方式では期間内に目標金額を達成すると、集まった金額が獲得できる。目標金額の達成後、リターン配送義務が発生する」と、実施パターンについて教えてくれた。「これまでに、4万4000件以上のプロジェクトを実施し、累計応援購入額は1100億円以上となる。累計会員数は300万人以上となっている」と、多くのプロジェクトを実施してきたのだとアピールした。

「人生を共に生きるウイスキー」では、熟成0年時点のウイスキーを消費者に「Makuake」で応援購入してもらい、その後キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所のウイスキー樽内でその原酒を熟成させる。熟成期間は、20年間とし、その過程で一定期間ごとに熟成途中のウイスキーのサンプルを届ける。人生が移り行く時とともにウイスキーの熟成度合いを体感してもらい、その時にしか味わえない特別な一杯を楽しめる。「Makuake」での応援購入では、2019年から2025年までの原酒の購入が可能となっている。

[小売価格]10万円(税別)
[開始日]6月6日(金)

キリンビール=https://www.kirin.co.jp