岐阜のソウルフード「鶏ちゃん」とは?家庭で愛される郷土料理の魅力を紹介!【岐阜エリア】
岐阜のソウルフード「鶏ちゃん」とは?家庭で愛される郷土料理の魅力を紹介!【岐阜エリア】

こんにちは!ライターのりりかです!
突然ですが、みなさんは岐阜のご当地グルメといえばなにを思い浮かべますか?

飛騨牛・五平餅・高山ラーメン…。岐阜県には、自然の恵みを活かした美味しい料理がたくさんありますよね!全国から観光客が訪れるほど魅力的なグルメが勢揃いしています。

そんな中、今回は「鶏ちゃん(けいちゃん)」という、ちょっぴりディープで、でも地元では超定番の郷土料理をご紹介します!聞いたことがないという方も、この記事を読み終わるころには「ちょっと食べてみたいかも…!」となっているはず。

家庭で愛され続ける鶏ちゃんの魅力、さっそく見ていきましょう!

「鶏ちゃん」ってなに?

鶏ちゃんとは、岐阜県の中でも特に奥美濃地域(おくみのうちいき)を中心に親しまれている郷土料理です。伝承地域は主に郡上市、下呂市、高山市南部とされており、いわば「家庭の味」として長年にわたり地域で受け継がれてきた料理です。

名前の由来については諸説あります。豚のホルモン焼きを「トンチャン」と呼ぶことから、鶏肉の料理として「ケイチャン」と名付けられた説や、「混ぜる」という意味の“ちゃん”と、中国語で醤油を意味する“醤(ジャン)”を合わせた「鶏醤(ケイジャン)」が語源とされる説などがあります。

はっきりとはしていないものの、どこか親しみやすさを感じさせる響きが「鶏ちゃん」の人気の秘密かもしれませんね!

実は長い歴史があった?!

鶏ちゃんが誕生したのは昭和20年代(1950年代)ごろといわれています。

当時はどの家庭でも鶏を飼っており、卵を産まなくなった鶏を食材として無駄なく使っていたそうです。ちょうどそのころ、北海道名物のジンギスカンが岐阜県の一部地域で食べられるようになっていたため、それをヒントに考案されたのが「鶏ちゃん」のはじまりだといわれています。

その後、昭和30年代(1960年ごろ)になると、地元の精肉店や居酒屋などがそれぞれ独自に改良を重ね、地域ごと、家庭ごとにさまざまな味の「鶏ちゃん」が誕生しました。

今では岐阜県民にとって「家庭の味」として広く親しまれている定番料理となっています。

作り方と魅力は?

鶏ちゃんは、一言でいうと「味付けした鶏肉と野菜を炒めたシンプルな料理」。でも、シンプルだからこそ奥が深く、地域や家庭によってまったく違った表情を見せてくれるのが鶏ちゃんの面白いところ!

ベースとなるタレは、味噌や醤油を中心ににんにく・しょうが・唐辛子・みりん・酒などをブレンドして作られます。このタレに鶏肉をしっかり漬け込み、キャベツや玉ねぎ・にんじん・ピーマンなどの野菜と一緒に炒めるだけで完成。漬け込むことで鶏肉にしっかり味がしみこみ、炒めることで香ばしさが引き立ちます。

特に、にんにくの効いた甘辛い味わいは、ご飯がすすむこと間違いなし!おかずとしても、お酒のお供としてもぴったり。家庭料理として、またバーベキューやキャンプなどのアウトドア料理としても人気があります。

また、使う鶏肉も家庭やお店によってさまざま。若鶏の柔らかい肉を使ったり、親鶏の噛みごたえのある肉を使ったり、はたまたモツや皮を入れて食感にアクセントをつけたり。バリエーションは無限大です!

どこで食べられるの?

「鶏ちゃんを食べてみたい!」と思った方、ご安心ください!

岐阜県内には、鶏ちゃんを提供している飲食店がたくさんあります。中でも有名なのが、元祖・鶏ちゃんの店といわれる「まるはち食堂」。

下呂温泉で有名なJR下呂駅から車で15分ほどの場所にあり、地元客にも観光客にも人気のお店です。自家製のタレに漬け込まれた鶏ちゃんは、ここでしか味わえない味。アツアツの鉄板で提供されるので、じゅうじゅうと香ばしい音と香りがたまりません!

また、スーパーや道の駅などでは、すでにタレに漬け込まれた状態の「鶏ちゃんセット」が販売されていることも多く、自宅で手軽に本場の味を再現することができます。

お気に入りの野菜を加えて炒めるだけで、自分だけのオリジナル鶏ちゃんが完成しますよ!

【まるはち食堂 店舗情報】
住所:〒509-2312岐阜県下呂市御厩野139-1
アクセス:JR下呂市から車で15分
電話番号:0576-26-2077
営業日:月・木~日 (火・水定休日)
営業時間:11:00~15:00

おわりに

いかがでしたか?

豊かな自然と、人々の知恵や工夫から生まれた岐阜の郷土料理「鶏ちゃん」。元々は家庭で飼っていた鶏を無駄なく使うための料理でしたが、その美味しさと手軽さから、今では多くの人に愛される存在となりました。

特別な日に食べる“ごちそう”から、日常の中で気軽に楽しめる“家庭の味”へと進化した鶏ちゃん。味付けや具材にルールはなく、それぞれの家庭や地域で「うちの鶏ちゃん」があるのが、また素敵ですよね。

皆さんもぜひ、岐阜を訪れた際は本場の鶏ちゃんを味わってみてください! そして、おうちでもお気に入りのアレンジで、自分だけの鶏ちゃんを作ってみてはいかがでしょうか?

参考リンク

・岐阜県公式観光サイト「ぎふの旅ガイド」
https://www.kankou-gifu.jp/
・郡上市観光連盟「郡上の鶏ちゃん」特集ページ
https://www.gujokankou.com/
・鶏ちゃん合衆国(ファンサイト)
https://keichan-union.com/