元NBAスターのシャキール・オニール、NFTの集団訴訟に対して1,100万ドルで和解

元NBAの伝説的スターであるシャキール・オニール氏が、自身が関与していたNFTプロジェクト「Astrals」に関連する集団訴訟において、1,100万ドル(約16億円)で和解したことが明らかになりました。プロジェクトは2022年にローンチされ、10,000体の3DアバターNFTとガバナンストークン「Galaxy」を中心としたDAO(分散型自律組織)として運営されていました。

未登録証券との主張、一部訴えが認められる展開に

米フロリダ州の連邦地方裁判所は2024年8月、一部の訴えを退けたものの、「販売者」としてオニール氏が投資家に向けてNFT購入を促す発言をしていた点に関しては、訴訟の継続を認めました。オニール氏はDiscord上でも、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の名セリフを引用するGIFを投稿するなど、積極的にプロジェクトの盛り上げに関与していたとされています。

一方、被告側が「同氏はプロジェクトの経営権を持っていなかった」とする主張は認められ、権力者としての立場には該当しないと裁判所は判断しました。しかし、NFTが未登録の証券に該当する可能性については、訴訟が進行する余地があるとの判断が示されています。

和解の背景と今後の影響

今回の1,100万ドルの和解には、原告側弁護士のアダム・モスコウィッツ氏が関与しています。彼は過去にもFTXやバイナンスを巡る訴訟で投資家側の代理を務めており、「この判決は暗号資産と著名人によるプロモーションを巡る法的判断において、前例を示すものになる」と語っています。

オニール氏自身はこの件に関する公的なコメントを控えていますが、NFTやWeb3プロジェクトにおけるインフルエンサーの責任問題について、改めて注目が集まる結果となりました。

今後も暗号資産業界では、有名人の関与するプロジェクトに対する透明性と法的整備が求められることになりそうです。