BtoB企業こそ、メールマーケティングを活用しよう!

目次

  1. マーケティングとは
  2. BtoB企業のマーケティングは、BtoC企業とは異なる
  3. BtoBに向いているメールマーケティング
  4. メールマーケティングの主な手法
  5. メールマーケティングの取り組み方
  6. メールマーケティングで成果を上げるためのコツ
  7. まとめ

BtoB(企業間取引)の事業を展開している企業であっても、取引先を新規開拓し、売上や利益を伸ばして成長させていくためにはマーケティング活動が不可欠です。マーケティングには様々な手法がありますが、比較的着手しやすく、かつ効果が見込みやすいメールマーケティングの基本について解説します。

マーケティングとは

「マーケティング」と聞いて、広く一般消費者にアピールする広告や宣伝を思い浮かべてしまうことはないでしょうか?そのようなイメージでマーケティングを捉えていると、「我が社は、特定領域で企業だけを相手にするBtoBビジネスだから、マーケティングに力を入れる必要はない」と考えてしまうこともあります。

しかし、そのようなイメージは、マーケティングを誤解しているものです。
マーケティングという言葉は、論者によって様々な定義がありますが、共通するのは、「顧客を満足させるような価値を創造して、それを正しく顧客に伝え、提供することで、製品やサービスが自然に売れるようにする活動」だといえます。つまり、マーケティングは企業活動の上流から下流に至る価値提供のプロセス全体に関係する、非常に広い概念であり、決して宣伝や広告だけに限定した話ではありません。

自社が創造する価値によって、顧客に満足してもらい、その対価として売上を得るというプロセスは、BtoBビジネスでもBtoCビジネスでも同じでしょう。したがって、BtoBビジネスであっても事業の持続的な成長を望むのであれば、マーケティング活動には一定の注力をしなければなりません。

マーケティングの「4P」

マーケティングは価値提供のプロセス全体に関係するといわれても、それだけでは漠然として捉えどころがありません。そこで通常、マーケティングはいくつかの要素に細分化して考察されます。細分化の方法にも種類がありますが、もっともオーソドックスなのは、「プロダクト:Product(商品)」「プライス:Price(価格)」「プレイス:Place(流通)」「プロモーション:Promotion(販促)」の4つの要素に分ける方法で、それぞれの頭文字を取って、マーケティングの「4P」と呼ばれます。また複数の要素をあわせて考えることから「マーケティングミックス」とも呼ばれます。

プロモーションの種類

プロモーションは、一般的に、顧客とのコミュニケーションによって顧客を変化させ、自社商品の購買につなげる取り組み全体のことを指します。その内容には、広告宣伝、広報(PR:Public Relations)、販促(SP:Sales Promotion)などが含まれます。 また、その手法には、マスメディア(テレビ、新聞、雑誌等)、デジタルメディア(Webサイト、メール、SNS、リスティング広告等)、DM、屋外広告、交通機関広告、イベントなど、多種多様なものがあります。
本記事では、電子メールを用いたプロモーション活動である「メールマーケティング」について解説します。

BtoB企業のマーケティングは、BtoC企業とは異なる

マーケティングの重要性は、BtoBでもBtoCでも同様です。しかし、BtoBの企業(法人)顧客と、BtoCの個人顧客とでは、購買の目的や意思決定プロセスなどの購買行動に大きな違いがあります。
具体的には、企業の購買行動は以下のような特徴を持ちます。

①機能、効果、価格など、購買の決定要因が比較的、合理的かつ明確である(情緒的、感情的な要因が少ない)
②製品・サービスの利用者と意思決定者が異なっており、また、複数の決定者が意思決定にかかわることが多い
③意思決定の前に見積、検討、交渉などのプロセスが必要となる場合が多い
④上記の②③から、意思決定までの期間が長い
⑤一度購買された製品・サービスのブランドチェンジが生じにくい

BtoBマーケティングの実施にあたっては、企業の購買行動の特徴を理解した上で、それに適したプロモーション活動を実施しなければなりません。

BtoBに向いているメールマーケティング

上記のようなBtoB購買の特性を踏まえると、BtoBマーケティングにおいてメールを活用することには、以下のようなメリットがあります。

詳細な情報を提供できる

個人の購買では、なんとなく良さそうだから買うとか、外見に一目惚れして衝動買いをするといったことはよくありますが、企業の購買ではそのような非合理的、感情的な購買行動は、通常ありえず、売上がどのくらい伸びるのか、業務がどの程度効率化されるのか、生産性がどれだけ向上するかなど、おおむね計量化できる要素が合理的、客観的に比較検討された上で、購買の意思決定となります。

そのためには、検討材料となる情報が必要です。メールマーケティングにより、自社の商品の機能や購買による効果、メリットなど、購買検討に役立つ情報を、比較的長い文章や画像によって詳細に伝えることが可能です。

長期間、コミュニケーションを取り続けられる

企業の購買では、製品を利用する現場と決裁者が異なっていたり、社内で稟議を上げたり、会議にかけたりしなければならないなど、決定プロセスが複雑で時間がかかることが普通です。

そこで通常、BtoBのプロモーションでは、長期にわたる意思決定プロセスの過程で、検討段階に応じて、過不足無いコミュニケーションを続けることが求められます。 メールマーケティングでは、購入を検討しているいわゆる見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り続け、検討の段階に応じて、適宜必要な情報を提供するといったことも簡単にできます。

ほとんどの企業が利用しており、送付リストを作りやすい

メールを送付するには送付先のメールアドレスリストが必要ですが、既存の顧客や、過去にビジネス上で接点があった見込み顧客からは、通常、名刺などに記載のメールアドレスを取得することができます。SNSやLINEなどは、業務で利用している企業は少数派ですが、メールを利用していない企業はほとんどないため、もっとも間口が広く、土台となるのがメールマーケティングです。

費用対効果が高い

もっとも初歩的なメールマーケティングは、送付件数が少なければ、業務で通常使っているメールソフトだけで実施可能です。特別なツールなどを購入しなくても実施できるため、費用対効果が高い点もメリットです。また専用ツールを導入するとしても、月額数千円程度の安価なクラウドツールもあるので、ハードルは高くありません。

新規顧客開拓にも、既存顧客深耕にも使える

マーケティング=新規顧客開拓ではありません。既存顧客に対するプロモーション活動によって、クロスセル(関連商品の販売)やアップセル(上位製品へのリプレース販売)などを促すことができます。メールマーケティングであれば、メールの内容の基本は共通とし、一部だけを新規顧客と既存顧客のそれぞれにあわせて書き換えて、別々に配信するといったことも簡単にできます。

メールマーケティングの主な手法

メールの内容や送信方法によって、いくつかのメールマーケティングの手法があります。

メールマガジン・ニュースレター

雑誌のように定期的に配信します。すべての受信者に同じ内容が一斉に配信されます。また、毎回の配信内容は基本的に独立したものとなるので、受信者はいつからでも読むことができます。広報やブランディングにも、販促にも利用できます。

告知メール

メールマガジンとは別に、新製品発売、セミナー開催、プレゼント企画の実施など、特別な出来事があるときに、それを知らせるために配信するメールです。

ステップメール

ステップメールとは、カスタマージャーニーやリード育成プロセスに沿って、ストーリーに沿った一連の複数のメールを、あらかじめ設定した順序やタイミングで段階的に送信する仕組みのことです。

例えば、Webサイトから製品資料ダウンロードをした見込み顧客に対して、①ダウンロードのお礼→②製品の特徴紹介→③製品導入事例紹介→④操作方法セミナーへの案内→⑤限定キャンペーン案内、といった内容のメールを顧客の反応やスケジュールに応じて送信します。
メールマガジンが、すべての送信先に一斉に送信されるのに対して、ステップメールは顧客ごとに個別のタイミングで配信されます。

ターゲティングメール

一定の条件を満たした見込み顧客に対して送信するものをターゲティングメールと呼びます。例えば事業規模や業種、現在競合の製品を利用しているなどの情報をもとに送信する内容を変え、見込み顧客のニーズに合わせたものを配信する手法です。

メールマーケティングの取り組み方

BtoB企業がはじめてメールマーケティングに取り組む際のステップを解説します。

①目的と目標を決める

先に述べたように、プロモーションにも様々な内容や目的があります。
例えば「広報(PR)」は、会社のことを知ってもらい共感を得るなど、顧客や顧客以外のステークホルダー、社会全体と、長期的に良好な関係を築くことが目的です。

一方、宣伝広告は、会社や商品の価値を理解してもらいその価値を高める(=ブランディング)ことや、商品自体の機能や特徴を具体的に知ってもらうことが目的になります。さらに、営業や販促(SP)は直接的に購入を促すことを目的とするものです。

メールマーケティングにおいても、何を目的とするのかを最初に決めておきましょう。その上で、KPI(重要達成度指標)としての目標値も決められれば、なおよいでしょう。
KPIとされるのは、例えば、メールの開封率、メール内に記載したWebサイトURLのクリック率、メールでの問い合わせ件数、などです。

②メールリストの作成

配信先のリストを作成します。まずは、通常の営業活動や商談会、展示会などで交換した名刺が中心となるでしょう。その他に、企業のWebサイトなどで公開されているメールアドレスなどから収集することもできます。

③コンテンツと配信計画を決める

具体的に、何をどれだけ伝えたいのか、つまり、メールの内容(コンテンツ)や配信頻度などを計画します。
本格的なコンテンツ制作には、カスタマージャーニーマップなどを用いたマーケティングプロセスの分析と、それに応じたコンテンツ設計ができるとベターです。しかし、いきなりそこまで本格的な設計をしようとするとハードルが高くなりすぎるので、①の目的を実施するためにはどんな内容のメールを送信すればいいのかと考えるだけでもOKです。

また、配信頻度は、最初は月1回でも十分です。慣れてきたら、月2回、週1回などと頻度を増やしてもいいでしょう。
ただし、メールマガジンとして配信するのであれば、2、3回で終わってしまっては効果が薄いので、最低でも1年は継続することを目指しましょう。そのためには、例えば月1回配信予定なら、12回分のコンテンツ案をあらかじめ考えておくと、毎回頭を悩ませる必要がなく継続しやすくなります。

④普段の業務で使っているメーラーでも配信可能だが限界もある

メールの送付件数が100件程度までであれば、業務で利用しているメールソフトだけで送付可能です。
その際のポイントは、「BCC」機能を使って送付することです。誤って「CC」にすると、受信者に他の受信者のアドレスも知られてしまい、プライバシー上の問題となるので十分注意しましょう。

ただし、一般的なメールソフトによるBCCでの送信では、

・どれだけ読まれたか(開封率)
・誰が、どのURLをクリックしたのか

といったデータを収集することができません。
また、送信側のメールサーバによっては、一斉に配信できる数に制限があったり、受信側のメールサーバによっては、BCCで一斉送信されたメールを迷惑メールと判定されたりする可能性が生じます。
さらに、マーケティングメールを送信すると、配信停止を希望する受信者が出ることも予想されますが、メーラーでの送信ではそういった対応も手作業でおこなわなければならず、件数が増えると大変です。

⑤専用ツールを用いると効果抜群

配信頻度や配信先が増えて、上記のような問題が顕著になったり、より詳細な分析をして具体的な成果と連動させたくなったりした場合は、メールマーケティング専用ツール(配信ツールや効果分析ツール)の導入を検討しましょう。
専用ツールを使うと、送付先が何千件に増えても、安定した配信が可能となります。
また、未達になったアドレスの自動削除や、スケジューラーによる自動配信、顧客のステータスに応じたステップメールの自動送信など、送信管理も効率化できます。
さらに、メールがどれだけ読まれたか(開封率)、誰が、どのURLをクリックしたか(開封率、開封者)なども把握することができ、データ分析によって、より効果的なメールマーケティング施策実施への改善が図れます。

メールマーケティング専用ツールには、アドレス管理や一斉配信などの機能に特化したものから、CRM(顧客関係管理)ツールやMA(マーケティング・オートメーション)ツールと連動して、個々の顧客との関係性や導入検討段階に応じたきめ細かな対応が可能となるものまで、様々な機能の製品、サービスが存在します。
また利用料も、月額数千円から数十万円まで幅広くラインナップされているので、自社のニーズにあった製品を選ぶことができます。

メールマーケティングで成果を上げるためのコツ

最後に、メールマーケティングで成果を上げるためのコツを簡単にまとめておきます。

顧客に有益な情報を提供する

受け取った顧客が読みたくないようなメールを送るのは無駄どころか、マイナス効果になりかねません。顧客にとってなんらかの価値のある、有益な情報を配信することを心がけましょう。といっても、特別な情報が必要ということではありません。自社の業務に関連することで、「これを教えてあげたら喜ばれそうだな」と思うことを書けばいいだけです。

例えば、ソフトウェア会社なら、他社がどんな風に自社のソフトウェアを使っているのか「他社活用事例」、不動産会社なら「今月のおすすめ物件紹介」、ビルメンテナンスの会社であれば、働く人が健康的で快適に過ごせるオフィス維持のノウハウ、士業であれば最新の法改正情報など、自社の業務の中からいくらでもヒントは見つかります。
もしわからなければ、営業の際などに、顧客に「今度メルマガを出そうと思っているのですが、どんなことを知りたいですか」と直接聞いてもいいでしょう。

トライ&エラーをしながら改善していく

可能な限り、専用ツールを使って効果測定をし、それを見ながらトライ&エラーで改善を図っていきます。例えば、タイトルにどんな言葉が入っているとき開封率が高いのか、どんな情報を出すとクリック率が上がるのか、といったことです。
内容は同じで、タイトルの文言だけを変えたメールを用意して、ABテストを実施するのも非常に有効です。専用ツールを使えば、こういったテストも簡単にできます。

特定電子メール法に注意

「特定電子メール法」とは、スパムメール、迷惑メールを防止するための法律です。メールマーケティングの際には、同法に抵触しないように注意しましょう。具体的には、オプトイン(配信の事前同意)された相手にのみ広告宣伝メールを配信し、オプトアプト(配信停止)にもしっかり配慮します。
また、同法ではオプトインが必要な広告宣伝メールを送信する場合、送信者や連絡先の表示も義務づけられています。

まとめ

メールマーケティングは、BtoBの事業にとって、高い費用対効果を得られるマーケティング手法です。これまで取り組んでいなかった企業でも、まずは月1回のメールマガジンやニュースレターから取り組まれてみてはいかがでしょうか。

BtoB企業こそ、メールマーケティングを活用しよう!
取材協力
中村 史織
シナジーマーケティング クラウド事業部マーケティンググループマネージャー
不動産業界にて営業から集客コンサルティングまでを経験し、その後はSaaSベンダーにてマーケティング部門の立ち上げなどに奮闘。得意分野はリスティング広告・SEO分野で、シナジーマーケティング入社後は展示会や広告・SEO・ナーチャリングと様々な手法を組み合わせたデジタルマーケティング全般の企画から実行までを幅広く担当している。
BtoB企業こそ、メールマーケティングを活用しよう!
記事執筆
中小企業応援サイト 編集部 ( リコージャパン株式会社運営
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