
伊藤忠商事は、社会における女性活躍を推進する取組の一環として、「フェムテック」や「女性特有の生活課題」に焦点を当てたイベント「ITOCHU Femtech Junction!」を、 3月8日から5月4日まで、ITOCHU SDGs STUDIO(場所:東京都港区北青山)で開催する。3月7日に行われたオープニングセレモニーでは、イベントの開催背景や同社の「女性活躍推進」に関する取り組みについて紹介した他、企業の人事・総務担当者向けのトークセッションを実施した。あわせて、「生理」をテーマにした企画展「Period museum-生理と社会の交差展-」の先行内覧会も行われた。

「当社にとって、女性が活躍できる環境づくりは、企業成長に欠かせない要素だと考えており、フェムテックを働き方改革の柱として位置付けている」と、伊藤忠商事 代表取締役 副社長執行役員CAOの小林文彦氏が挨拶。「フェムテックの取り組みとしては、多様化する女性特有の健康課題に対応し、生産性向上や周囲の理解促進を図るため、卵子凍結の費用補助や妊活の費用補助などを実施してきた。そして今回、この取り組みの一環として、『ITOCHU Femtech Junction!』を開催する」と、「ITOCHU Femtech Junction!」の開催背景を説明する。「フェムテックは、女性だけでなく、男性やそれぞれの家庭にとっても重要であり、将来的には社会課題の解決にもつながると考えている。今回のイベントをきっかけに、すべての人が女性の生活課題を『自分ごと化』し、フェムテックの持つポテンシャルについて理解を深めてもらいたい」と、年齢・性別を問わず多くの人がイベントに訪れることに期待を寄せた。

続いて、同 第8カンパニー プロジェクトリーダーの古賀弘子氏が、フェムテックプロジェクトの活動内容と新規事業の構想について発表した。「フェムテックプロジェクトの活動としては、昨年9月から11月の3ヵ月間、妊活サポートデバイス『kegg』に関する経済産業省実証事業を行った。『kegg』は、1日2分の測定で、頸管粘液の状態をモニタリングし、排卵日や妊娠しやすい期間を把握できるフェムテックデバイス。実証事業では、当社女性社員および男性社員の配偶者が『kegg』をトライアルし、アンケートとインタビューを通じたフィードバックを受領した」と、フェムテックデバイスの実証事業に取り組んだという。「この結果、信頼性・機能性・デザインなど製品に関する好意的な意見が多く寄せられ、妊活を始める上で『kegg』が与えるポジティブな影響を確認することができた。今後は、実証事業で判明した課題を踏まえて、まずはユーザーの安心感が得られやすく、より効果的に製品便益を伝えられる医師向けの販売を目指す。今年中には医療機関での販売を開始し、来年以降に本格的に販売を拡大していく」と、実証事業の結果と今後の展開を説明した。

「女性活躍の推進において、育児は非常に高いハードルになっている。当社が男女3000人を対象に行った独自アンケート調査でも、育児や家事の負担の主体は、未だに女性に偏っていることが明らかとなった。そこでフェムテックプロジェクトでは、働く女性をターゲットとした育児領域の新規事業の開発に着手する」と、今後大きな成長が見込まれる育児市場において新規事業を展開していく計画を明らかにした。「具体的には、子育てに関わる様々な悩みを解決し、総合的にサポートする育児版『ケアマネージャー』を提供する。まずは、育児世代の働く女性をメインターゲットとして成果を出し、育児世代の働く男性への波及も目指す。今年4月から効果測定を目的としたサービストライアルを開始し、来年1月には企業へのサービス提供を開始したい」と、子育てをワンストップでサポートする新サービスを早期に立ち上げると意気込みを語った。

オープニングセレモニーの第二部では、企業の人事・総務担当者を会場に招き、「本音で語る『女性活躍』~今の社会に思うこと~」をテーマにトークセッションを実施した。トークセッションには、野村證券 代表取締役副社長の鳥海智絵氏、つくばウエルネスリサーチ 代表取締役社長の久野譜也氏、伊藤忠商事 執行役員 法務部安全保障貿易管理室長の寺内香織氏が登壇し、伊藤忠商事が男女3000人に実施した独自アンケート調査の結果も交えながら、女性活躍の現状に対する想いや課題について意見を交わした。また、積極的に女性活躍を推進している各社の取り組み状況も紹介し、女性のキャリアとプライベートの向き合い方などについて、来場した人事・総務担当者と考えを共有した。

オープニングセレモニー終了後には、ITOCHU SDGs STUDIO内の展示エリアで開催される「生理」をテーマにした企画展「Period museum-生理と社会の交差展-」の先行内覧会が行われた。それでは、展示内容のポイントを紹介しよう。「生理と職場」エリアでは、伊藤忠商事の社員が生理痛体験デバイス「ピリオノイド」をつけながら仕事に取り組み、痛みを感じながら働く大変さについて考えた「生理痛とはたらくムービー」を投影する。それぞれの体験者の千差万別の感想を聞きながら、来場者は自由な感想や想いをポストイットで貼ることができる。

「生理と歴史」エリアでは、生理とともに進化してきた社会の歩みを様々な視点から知ることができる。生理に関するプロダクトや制度は、一直線に進歩してきた訳ではない。ポジティブに見える出来事の裏にも、様々な挑戦や課題があったという。同コーナーに設置されたパネルを回転させると、出来事の裏に隠れたエピソードや知られざる意外な事実が見えてくるとのこと。

「生理と言葉」エリアでは、生理に関する「言葉」をたくさん用意した。生理の症状は、痛みや辛さも人それぞれ。壁面のボードに「言葉」を貼って生理の痛みや辛さを表現することで、来場者それぞれの「生理痛文学」を紡いでいく。共感と理解を生む参加型のコンテンツとなっている。

「生理とウワサ」エリアでは、社会に流れる「生理にまつわるウワサ」を集めた。生理にまつわる正しい知識は、なかなか人に聞きづらかったり、みんなで話す機会がないのが実状。知らないことは全く恥ずかしいことではないので、答えを想像しながらパネルをめくってみてほしいという。

「生理と学校」エリアでは、想像以上に我慢を強いられている高校生たちのリアルが隠れたロッカーを設置している。学校生活における生理の悩みは、まだまだ見過ごされているのが現実。ロッカーの扉を開くと、未来を良くするヒントが見つかるとのこと。

「生理とスポーツ」エリアでは、生理と向き合うアスリートの実態を解き明かす。トレーニングや大切な試合のタイミングで訪れる体調の波。パフォーマンスに及ぼす影響は図りしれない一方で、なかなか語られる機会が少ないアスリートと生理の関係について紹介する。

「生理と今」エリアでは、伊藤忠商事が男女3000人に実施した独自アンケートの調査結果を紹介。生理はすべての人に関わること。アンケート調査では、経験の有無にかかわらず、同じ質問を投げかけたという。「誰かと生理の話をすることはある?」「生理のイメージってどんなもの?」「生理についてもっと知りたい?知りたくない?」「生理に優しい社会ってどんな感じ?」3000人の答えがここにある。

「フェムテックに触れてみよう」エリアでは、生理に関連する様々な最新フェムテックを展示している。女性特有の困りごとを解決するテクノロジー“Femtech(female+technology)”。誰かの声から生まれた技術と想いが形になったフェムテックを思う存分、見て、触れて、感じることができる。

この他に、イベント期間中、レストラン「星のキッチン」では、養生茶・養生スープの無料試飲、フェムテック・フェムケア商品の展示を実施する。さらに、「KIDS PARK」「ラジオステーション」連動施策として、産前産後の女性に向けたカラダとココロのコンディションを整えることを目指す運動プログラムなど、女性に嬉しいワークショップの開催も予定している。
[「ITOCHU Femtech Junction!」概要]
主催:伊藤忠商事
後援:厚生労働省
開催期間:年3月8日(土)~5月4日(日)
会場:ITOCHU SDGs STUDIO
(東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F)
料金:入場無料
営業時間:11:00~18:00
休館日:月曜日(※月曜日が休日の場合、翌営業日が休館)
内容:
(1)企画展「Period museum-生理と社会の交差展-」
(2)「星のキッチン」フェムテック・フェムケア商品の展示、養生茶・養生スープ無料試飲
(3)「KIDS PARK×ラジオステーション」連動のワークショップ開催
伊藤忠商事=https://www.itochu.co.jp/ja/
ITOCHU Femtech Junction!=https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/20250307.html