豆乳メーカーのVAプロジェクト(大阪市中央区)は9月、「靖一郎豆乳&cafe 中之島フェスティバルプラザ店」をオープンした。カフェスペース併設店は、大阪・梅田の「阪急三番街店」に次いで2店目となり、席数30席の本格カフェレストラン形式で展開する。森本和伸社長は、「豆乳のおいしさにとことんこだわっている。カフェスペースを併設した店舗をゆくゆくは5店へ増やしたい」と展望を語る。
靖一郎豆乳のネーミングは、「父の名前から」と森本氏。「せいいちろう?やすいちろう? 読み方に悩むと思う。そこがいい」と楽しげな笑顔を浮かべる。正解は「せいいちろう」で、豆乳のパッケージにも店舗の看板にも「○せ」とヒントがある。
アロハシャツににっこり笑顔がトレードマークの森本氏は、大学卒業後にリクルートで4年勤務した後に、ゲーム会社を起業した経歴を持つ。スカンクがおならで敵を倒す「クーリースカンク」といった個性的なゲームを数々リリースした。その会社を解散してから数年後、森本氏はテレビ番組で「第5回ものづくり日本大賞」で内閣総理大臣賞を受賞した「無浸漬豆乳プラントエコスター」(福岡県飯塚市、ワイエスピー社)を知り、「これだ!」と直感した。すぐに福岡県へ行き、その豆乳のおいしさに惚れ込み、この製法を採用して豆乳事業を始めた。
この製法は浸漬工程が不要のため、従来20時間かかっていた豆乳づくりが20分に短縮できる。さらに、大豆を水にさらすことがないので大豆本来の風味と旨味を逃さないという。
看板商品の「靖一郎豆乳」は、豆乳づくりに最も適した国産大豆を厳選してブレンドした。「おいしい豆乳のためなら、価格は高くてもいい」と、最高級の大豆を使用している。大豆と水だけで作った無添加・無調整のこの豆乳は濃厚な味わいで、大豆本来のうま味、甘味、深みのあるおいしさが特徴だという。有名料理店や菓子店などでも利用されている。
また、同社では豆乳やおからを最大限加えたシフォンケーキや焼きドーナツなどを外注し、ラインアップを拡大している。
〈カフェ併設店をゆくゆくは5店に、「全国的にもおいしいよと言われるようになれば」〉
同社の直営店は、本社・松屋町工場併設の販売所、クリスタ長堀店、そしてカフェ業態2店だ。全国の有名百貨店のグロサリー売り場などでも販売されている。新店の「中之島フェスティバルプラザ店」では、豆乳、豆乳をベースにしたドリンク、焼きドーナツ、豆乳スープなどの定番メニューに加えてフードメニューが充実” “している「。選べる焼きドーナツスープセット」、「豆乳ショコララテ」など同店限定メニューも用意している。こういったカフェ併設店をゆくゆくは5店へ増やしたい考えだ。
「本当においしい豆乳を作り続けたい。大阪はもちろん、全国的にも『靖一郎豆乳はおいしいよ』と言われるようになれば」とにっこり。
〈大豆油糧日報2024年11月6日付〉