矢野経済研究所
(画像=Vipada/stock.adobe.com)

2023年度の屋根材市場規模は前年度比95.1%の84,103千㎡

~新設住宅着工戸数の減少や倉庫需要の減少により屋根材市場は縮小見込、リフォーム需要の取り込みが課題に~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の屋根材市場を調査し、素材別の製品動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

国内屋根材市場規模推移

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2023年度の国内屋根材市場規模は、メーカー出荷数量ベースで84,103千㎡(前年度比95.1%)と推計した。国土交通省「建築着工統計」によると新設住宅着工戸数は前年度比93.0%で推移しており、また、倉庫等の建設需要も落ち着き着工床面積が減少したことから、前年度比減少と推計した。
屋根材市場は、金属系屋根材の主要用途である物流倉庫等の建築物着工床面積や新設住宅着工戸数に高く依存していることから、今後もこれらの動向に連動して推移すると考える。

2.注目トピック

リフォーム需要の取り込みが課題に

近年、日本各地で多発している自然災害を背景とした復旧需要やスレート屋根材が改修適齢期を迎えていることから、屋根材のリフォーム需要が高まっている。
屋根材のリフォームについてはこれまで塗装が一般的であったが、改修頻度やコスト、耐久性、意匠性などを踏まえ、既存屋根材の上から新規屋根材を施工するカバー工法なども採用されるケースが増えている。

3.将来展望

2024年度の国内屋根材市場規模は、82,340千㎡(前年度比97.9%)と予測する。戸建住宅、非戸建住宅(非居住建築物)いずれの分野も減少を見込む。
戸建住宅分野については、屋根材メーカー各社がカバー工法による屋根リフォームを訴求することでリフォーム需要の創出に努めているものの、新設住宅着工戸数減少の影響が大きい。また、非戸建住宅分野についても、屋根材の主要用途である倉庫や工場等の着工床面積が減少傾向にあることに加え、人手不足等を背景に建築工事の遅延等が発生しているとみられることから、メーカー出荷数量ベースの屋根材市場規模は縮小を予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年7月~9月
2.調査対象: 屋根材製造事業者、屋根材販売事業者や屋根材関連業界団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<国内屋根材市場とは>
本調査における屋根材市場は、粘土瓦、セメント系瓦[プレスセメント瓦、コンクリート瓦、住宅屋根用化粧スレート(新生瓦)]、シングル材(基材にアスファルトを塗った板状の屋根材)、金属系屋根材(ガルバリウム鋼板、ステンレス、アルミ、 銅、チタン等を採用した屋根材)、石粒付金属屋根材を対象として、メーカー出荷数量ベースで算出した。但し、ビル等の陸屋根の屋上に打設した押えコンクリートや各種防水材は含んでいない。
市場規模は屋根材メーカーへの直接面談や、政府や各業界団体の統計データをもとに推計した。
<市場に含まれる商品・サービス>
粘土瓦、セメント系瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦、新生瓦)、シングル材、金属系屋根材、石粒付金属屋根材

出典資料について

資料名2024年版 屋根材市場の全体像と素材別実態
発刊日2024年09月27日
体裁A4 303ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2024 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。