本記事でわかること
・リキッドステーキングって何? ・リキッドステーキングの特徴や仕組みを知りたい ・リキッドステーキングのやり方がわからない... |
2024年に入り暗号資産市場の盛り上がりと共に、注目を集めているのがリキッドステーキングです。
この革新的な方法は、従来のステーキングの利点を活かしつつ、さらなる柔軟性を提供します。ステーキングに興味はあるけど、資産を長期間固定したくないという方や、より効率的な資産運用を目指している投資家の方々にとって、リキッドステーキングは魅力的な選択肢です。
本記事では、リキッドステーキングの仕組みや特徴、おすすめの銘柄について詳しく解説します。
また、リキッドステーキングの始め方についても画像付きで解説しているので、是非最後までご覧ください。
目次
リキッドステーキングとは
リキッドステーキングは、従来のステーキングの概念を一歩進化させた革新的な仕組みです。
通常のステーキングでは、保有する暗号資産をネットワークの安定性維持のために預け入れ、その見返りとして報酬を得ます。しかし、この方法では預け入れた資産を自由に使用することができず、流動性が失われるというデメリットがありました。
リキッドステーキングは、この問題を解決する仕組みとなっています。
リキッドステーキングはユーザーがステーキングのために暗号資産を預け入れると、その代わりに同等の価値を持つ「ステーキング証明トークン」が発行されます。このトークンは元の暗号資産と同様に、取引や他のDeFiプロトコルでの利用が可能です。そのため、ステーキングによる報酬を得ながら、同時に資産の流動性も維持できるのが特徴です。
リキッドステーキングの仕組み・特徴
リキッドステーキングの仕組みや特徴は、以下の3つです。
・ステーキングと流動性が両立できる ・二重で報酬を受け取れる ・簡単に利用できる |
順番に解説します。
ステーキングと流動性が両立できる
リキッドステーキングでは、ステーキングをするとトークンが発行され、発行されたトークンは自由に利用できます。このステーキングによる報酬獲得と、資産の流動性維持を同時に実現できる点がリキッドステーキング最大の特徴です。
この仕組みにより、投資家は長期的なステーキング報酬を得ながら、同時に短期的な市場の動きにも対応できる柔軟性を手に入れられます。
また、ステーキングされた資産が完全にロックされることなく市場に還流することで、取引の活性化や流動性の向上につながります。
二重で報酬を受け取れる
リキッドステーキングのもう一つの大きな特徴は、二重の報酬を得られる可能性がある点です。
リキッドステーキングは、通常のステーキングと同様に、ネットワークの維持に貢献したことへの報酬を受け取れます。それに加えて、発行されたステーキング証明トークンを活用することで、追加の収益機会を得られるのが特徴です。
このように、一つの資産から二つの収入源を確保できることは、リキッドステーキングの大きなメリットと言えます。リキッドステーキングを活用すると、投資家は従来のステーキングよりも高い利回りを目指しながら、リスクを分散しながら、より効率的に資産を運用できます。
預けたトークンは簡単に引き出せる
リキッドステーキングの特徴の一つが、預けたトークンを簡単に引き出せる点です。
従来のステーキングでは、預けた資産を一定期間ロックされるなどの課題がありましたが、リキッドステーキングではそのような制約がありません。
ユーザーは、ステーキング証明トークンを返却するだけで、比較的かんたんに資金を引き出せます。この柔軟性により、市場の変動に素早く対応したり、緊急時に資金を確保したりすることが可能です。
リキッドステーキングの簡単な引き出し機能は、暗号資産投資の柔軟性を大幅に向上させ、より多くの投資家にステーキングの機会を提供しています。
リキッドステーキングできる銘柄おすすめ3選
ここでは、リキッドステーキングできるおすすめの銘柄3選を紹介します。
・ETH(イーサ) ・SOL(ソラナ) ・SUI(スイ) |
順番に解説します。
ETH(イーサ)
名称 | ETH(イーサ) |
トークンシンボル | ETH |
価格 | 377,775 円 |
総発行枚数 | 発行上限無し |
時価総額ランキング | 2位 |
2024年8月21日時点
ETHは、リキッドステーキングの分野で最も注目されている暗号資産の一つです。基盤となるブロックチェーンはイーサリアム(Ethereum)です。スマートコントラクトの先駆者として、多くの分散型アプリケーション(DApps)やDeFiプロジェクトの基盤となっています。
ETHのリキッドステーキングは、イーサリアムのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行後、特に注目を集めています。
ETHのリキッドステーキングの魅力は、その高い流動性と豊富な利用機会です。
特にstETH(Lidoで発行されるトークン)は多くの取引所で取引可能であり、また様々なDeFiプロトコルで担保として使用できるのが大きな特徴です。
SOL(ソラナ)
名称 | SOL(ソラナ) |
トークンシンボル | SOL |
価格 | 20,868 円 |
総発行枚数 | 発行上限無し |
時価総額ランキング | 5位 |
2024年8月21日時点
Solanaは、高速で低コストな取引を特徴とするブロックチェーンプラットフォームで、リキッドステーキングの分野でも注目を集めています。
ネイティブトークンであるSOLは、ネットワークの安全性と効率性を維持するためにステーキングされます。
ソラナのリキッドステーキングの特徴は、その高速性と低コストな点です。
ソラナネットワークの特性を活かし、ステーキングやトークンの移動が迅速に行えます。また、手数料が低いため、小額の投資でも効率的に運用できる点が大きな魅力です。
SUI(スイ)
名称 | SUI(スイ) |
トークンシンボル | SUI |
価格 | 126 円 |
総発行枚数 | 10,000,000,000 枚 |
時価総額ランキング | 32位 |
2024年8月21日時点
Suiは、新興のレイヤー1ブロックチェーンプラットフォームで、高速で低コストのトランザクションを実現できるのが特徴です。
SuiのネイティブトークンであるSUIは、ネットワークのセキュリティとガバナンスに重要な役割を果たし、リキッドステーキングの対象としても注目を集めています。
SUIのリキッドステーキングの魅力は、その高速性と柔軟性です。
SUIの並列処理技術により、ステーキングやトークンの移動が非常に迅速に行えます。
また、Suiの独自のオブジェクトモデルにより、リキッドステーキングトークンの柔軟な利用が可能になっています。
リキッドステーキングの始め方
リキッドステーキングの始め方を画像付きで解説します。
1. 国内取引所で暗号資産を購入 2. 暗号資産ウォレットを作成 3. ウォレットに暗号資産を送金 4. ウォレットをリキッドステーキングプロトコルに接続 5. 暗号資産をステーキング |
順番に解説します。
1.国内取引所で暗号資産を購入
リキッドステーキングを始めるためには、暗号資産が必要となります。
暗号資産を購入するために、まずは国内取引所の口座開設を行います。
口座開設手順は以下の通りです。
1. アカウントの登録 2. 個人情報の入力 3. 本人確認 |
本人確認を行う際は、スマホと本人確認書類の2つが必要です。
本人確認書類は、以下のいずれか一つを準備しておきましょう。
・運転免許証 ・パスポート ・マイナンバーカード ・住民基本台帳カード |
などがありますので、どれか一つ準備しておきましょう。
口座開設が完了したら暗号資産を購入しましょう。
2.暗号資産ウォレットを作成
続いて、 暗号資産ウォレットを作成します。
暗号資産ウォレットは、対応するブロックチェーンが決まっている点に注意が必要です。
プロトコルによって利用できるウォレットが異なりますので、利用するプロトコルに対応した暗号資産ウォレットを作成しましょう。
なお、ウォレットをお持ちでない方は、まずMetaMaskウォレットを作成してみましょう。
2024.3.18
3.ウォレットに暗号資産を送金
ウォレットを作成できたら、国内取引所で買った暗号資産を送金します。
ウォレットに暗号資産を送金する手順は以下の通りです。
1. ウォレットのアドレスを取得する 2. コピーしたウォレットアドレスを取引所に登録する 3. 取引所で送金手続きを行う |
送金する際の注意点は、ウォレットアドレスの入力ミスです。暗号資産を送金する際には、いきなり全額を送金するのではなく、少額でテスト送金するのがおすすめです。
4.ウォレットをリキッドステーキングプロトコルに接続
続いて、ウォレットをリキッドステーキングプロトコルに接続を行います。
本記事では、リキッドステーキングプロトコルの中で特に人気の高いLidoを例に始め方を解説します。
Lidoにアクセスし、「Stake」をクリックします。
「Connect wallet」をクリックし、ウォレットを接続しましょう。
利用規約とプライバシーポリシーを確認してチェックを入れ、接続するウォレットを選択します。
ウォレットでの処理をして、接続は完了です。
5.暗号資産をステーキング
ウォレットが接続できたら、ステーキングする数量を入力します。
数量が入力できたら「Stake」ボタンをクリックして完了です。
注目のリキッドステーキングプロトコル3選
注目のリキッドステーキングプロトコルを3つ紹介します。
・Lido ・Jito ・Haedal |
順番に解説します。
Lido
名称 | Lido Finance |
基盤チェーン | Ethereum |
TVL/預かり資産 | 25,498,711,572 ドル |
ガバナンストークン | LDO |
公式サイト | https://lido.fi/ |
2024年8月21日時点
Lidoは、リキッドステーキング市場をリードする最大手プロトコルです。
イーサリアムを中心に、複数のブロックチェーンネットワークに対応しており、ユーザーフレンドリーなインターフェースと高い安全性で多くの投資家から支持を集めています。
Lidoの特徴は、ステーキングの敷居を大幅に下げたことです。
従来のイーサリアムステーキングでは32ETHという高額な最小額が必要でしたが、Lidoではわずか0.01ETHからステーキングに参加できます。
これにより、小口の投資家でもイーサリアムのステーキング報酬を得られる可能性があります。
Jito
名称 | Jito |
基盤チェーン | Solana |
TVL/預かり資産 | 12,700,000 SOL |
ガバナンストークン | JTO |
公式サイト | https://www.jito.network/ja/ |
2024年8月21日時点
jitoは、ソラナチェーン上に構築されたリキッドステーキング特化のDeFiプロトコルです。ソラナの高速性と低コストという特徴を活かし、効率的なステーキングサービスを提供しています。
jitoを利用してSOLをステーキングすると、JitoSOLというトークンが発行されます。このJitoSOLは、ソラナのDeFiエコシステム内で幅広く利用可能で、DeFiプロトコルへの流動性提供やレンディングの担保として活用できます。
ユーザーは、ステーキング報酬に加えて、これらのDeFi活動からも収益を得る機会があります。
Haedal
名称 | Haedal |
基盤チェーン | SUI |
TVL/預かり資産 | 32,829,000 SUI |
ガバナンストークン | HASUI |
公式サイト | https://www.haedal.xyz/ |
2024年8月21日時点
Haedalは、新興のレイヤー1ブロックチェーンであるSui(スイ)に特化したリキッドステーキングプロトコルです。
Haedalの特徴は、Suiのネイティブステーキング機能と完全に統合されている点です。これにより、ユーザーはSuiのネットワークセキュリティに直接貢献しながら、リキッドステーキングの恩恵を受けられます。
また、Haedalは、Suiの特性を活かした独自の報酬分配メカニズムを採用しているのも特徴です。
ステーキング報酬に加えて、ネットワーク手数料の一部も参加者に還元される仕組みを構築しており、これにより競争力のある報酬率を実現しています。
リキッドステーキングのリスク・注意点
リキッドステーキングのリスクや注意点を解説します。
・トークン価格の下落リスクがある ・手数料がかかる ・ハッキングリスクがある |
順番に解説します。
トークン価格の下落リスクがある
リキッドステーキングのリスクや注意点として、トークン価格の下落リスクがある点が挙げられます。
リキッドステーキングによって発行されるトークンは、原資産と連動していますが、完全に同じ価値を保証するものではありません。
市場の需給バランスや、プロトコルに対する信頼度によって、価格が変動する可能性があります。このリスクを軽減するためには、信頼性の高いプロトコルを選択し、市場動向を常に注視しながら投資先を分散させることが重要です。
また、長期的な視点を持ち、短期的な価格変動に一喜一憂しないことも大切です。
手数料がかかる
リキッドステーキングのリスクや注意点として、手数料がかかる点があります。これらの手数料は、プロトコルの運営や開発、ネットワークの維持に使用されますが、投資家にとっては収益を圧迫する要因となります。
多くのリキッドステーキングプロトコルでは、ステーキング報酬の一部を手数料として徴収しています。
また、リキッドステーキングを開始する際や、デリバティブトークンを元の資産に戻す際にも手数料がかかる可能性が高いです。
手数料の影響を最小限に抑えるためには、長期的な投資戦略を立て、手数料構造が透明で合理的なプロトコルを選び、取引のタイミングを慎重に選ぶことが重要です。
ハッキングリスクがある
リキッドステーキングのリスクや注意点として、ハッキングリスクが挙げられます。ハッカーは、スマートコントラクトのバグや脆弱性を探し出し、それらを悪用して資金を不正に引き出そうとします。
リキッドステーキングプロトコルは、注目度が高く大量の資金が流入しているため、攻撃者にとって魅力的なターゲットとなりやすくなっています。
また、フィッシング詐欺や偽のウェブサイトを通じて、ユーザーの個人情報や秘密鍵を盗み取ろうとする手法も存在します。
これらのリスクを軽減するには、セキュリティ監査を定期的に受けている、オープンソースで透明性が高いプロトコルを選ぶことが重要です。
リキッドステーキングに関してよくある質問
リキッドステーキングに関してよくある質問は以下の通りです。
・リキッドステーキングって何? ・リキッドステーキングをした時の税金は? ・リキッドステーキングはどのくらい儲かる? |
順番に回答します。
リキッドステーキングって何?
リキッドステーキングは、従来のステーキングの概念を進化させ、資産の流動性を維持しながらステーキング報酬を得られる仕組みです。
ユーザーは暗号資産をステーキングすると、同等の価値を持つ「ステーキング証明トークン」をもらえます。このトークンは他の暗号資産と同じように、取引したりDeFiプラットフォームで運用できたります。
大きなメリットとして、複数の収益源を確保できる点や小額からの投資が可能な点が挙げられます。
リキッドステーキングをした時の税金は?
リキッドステーキングに関する税金の取り扱いは、国や地域によって異なり、また法制度の整備が追いついていないのが現状です。一般的な考え方としては、リキッドステーキングから得られる収入は課税対象となる可能性が高いです。
暗号資産に関する税制は頻繁に変更される可能性があるため、最新の情報を常に確認することが重要です。
また、確実な情報を得るためには、暗号資産の税務に詳しい税理士や会計士に相談するのがおすすめです。
2024.9.9
リキッドステーキングはどのくらい儲かる?
リキッドステーキングの収益性は、様々な要因によって変動するため、一概に断言することは難しいです。しかし、ステーキング報酬率を参考にすると、おおよその収益性を推測できます。
ステーキング報酬率は、ステーキングしている暗号資産の種類やネットワークの状況によって異なります。
例えば、イーサリアムのリキッドステーキングでは、年利4〜5%程度の報酬率が一般的です。100万円分のイーサリアムを預ければ、単純計算で1年で4〜5万円の報酬を受け取れることになります。これに加えて、リキッドステーキングトークンの運用方法次第では、さらなる収益が見込めます。
ただし、この報酬率は市場の状況によって変動する可能性があるので注意が必要です。
まとめ:リキッドステーキングとは
本記事では、リキッドステーキングの特徴や注目のプロトコルなどを紹介しました。
リキッドステーキングは、従来のステーキングの利点を維持しつつ、資産の流動性を確保することで、投資家に新たな可能性を提供しています。
本記事で紹介した銘柄やプロトコルは、それぞれ異なる特徴を持っています。
投資したいと思える銘柄やプロトコルの特徴を確認し、自身のニーズに合ったものを選びましょう。
リキッドステーキングを始める方は、まずは暗号資産取引所の口座開設から始めてみましょう。