サントリーは、サントリー白州蒸溜所において、さらなるサントリーウイスキーの品質向上や蒸溜所魅力訴求の強化を主な目的として、昨年から実施しているリニューアルを9月に完了する。8月27日にはサントリー白州蒸溜所で、サントリーウイスキーの品質への取り組みやリニューアル概要について説明した他、新見学ツアーのポイントや新設されたレストラン「Hakushu Terrace」の紹介およびメニュー・ドリンク体験などが行われた。
「当社が目指すウイスキーは、創業者の“やってみなはれ”精神を継承し常に革新を続け、世界一愛されるウイスキーを目指し、その火を消さずに永続させることとしている」と、サントリー ウイスキー部長 奈良匠氏。「1923年に山崎蒸留所を着手。昨年100周年を迎えた。1972年には知床蒸留所を着工、翌年には白州蒸留所を竣工した。1980年代には白州蒸留所と山崎蒸留所を大改修。この大改修によってつくりだされた『山崎12年』が2003年にインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(以下、ISC)を受賞。2006年には『白州18年』がISCを受賞した」と、世界的な評価を得るウイスキーを生み出していると胸を張る。「近年においても、『白州25年』がISCで部門最高賞『トロフィー』を過去3度受賞した。『山崎25年』は全部門約2300品の頂点であるシュプリームチャンピオンスプリットを昨年受賞した」と、世界的なコンペティションでサントリーウイスキーが高い評価を得ているという。
「そして、さらなる美味品質の追求を行うべく、山崎蒸留所および白州蒸留所で昨年から100億円規模を投資し、品質向上と蒸留所魅力訴求に向けた改修を行った」と、大規模改修を行ったと説明する。「山崎蒸留所では、ジャパニーズウイスキーの始まりの場所であることから、創業者から受け継がれ続けるウイスキーづくりの魂を感じてもらうべく、施設の改修を行った。また昨年11月から新見学ツアーも開始。新ゲストルームでのおもてなしや、つくり手との交流を含む製造工程見学が行える」と、魅力訴求の刷新ポイントを紹介。
「白州蒸留所は、佐治敬三の想いからはじまる企業理念を体現する森林公園工場をコンセプトに、自然と共生した未来に向けたものづくりを体験してもらえるようになった」と、施設改修の他、ものづくりのこだわりや貯蔵庫でのテイスティングなどが体験できる新見学ツアーを行うとアピールした。
次に、同 白州蒸留所 工場長の中島俊治氏が、白州蒸留所について詳しく紹介した。「当社は、“人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命の輝き』をめざす。”ことを企業理念としている。この理念のもと、白州蒸留所は『森林公園工場』をコンセプトとした。白州蒸留所は、1973年に自然との調和を掲げた蒸留所を目指して開設。蒸留所内にはバードサンクチュアリ“野鳥の聖域”を併設している」と、森と一体化した蒸留所なのだと訴える。「今回の改修では、『白州の森』というコンセプトのもと、豊かな自然の魅力とつくり手の想いをより体感してもらえる場に進化した」と、サントリー白州蒸留所とサントリー天然水南アルプス白州工場からなる「白州の森」は企業理念を体現できる場なのだと力説する。
「昨年9月には、ビジターセンターとテイスティングラウンジが完成。そして今年、バードブリッジとHakushu Terraceが完成した」と、「白州の森」を体感できる施設が完成したのだという。
「蒸留所の豊かな自然の魅力をより体感してもらうため、5月にビジターセンターからバードサンクチュアリにつながる橋『バードブリッジ』を設置。9月1日から、白州の森を五感で味わう癒しの場所として、自然や地域と共生した新レストラン『Hakushu Terrace』をオープンした。森を感じる開放的な空間となっており、白州の森で生まれた製品の魅力を体感できるとともに、地元食材を活用したメニューも楽しめる」と、自然との共生を体感できる施設を開設したと説明する。
「さらに今回の改修では、品質向上への取り組みとして、原料にもさらにこだわり、より高品質な原料のつくり込みを目指す」と、仕込みから発酵、蒸留、熟成、ブレンド、製品化といった流れの中において、仕込みの際の麦芽の原料にこだわったり、発酵時の酵母や熟成の時の樽材などにもこだわっているとのこと。
「8月中旬から、大麦を床の上で発芽させて麦芽をつくる伝統的製法『フロアモルティング』を本格稼働した。フロアモルティング麦芽の研究を通じさらなる品質工場に挑戦する。また、9月中旬から稼働を予定している酵母培養プロセスは、酵母をウイスキー生産に必要な規模にまで増殖させ、また適切な状態に制御するためのプロセス、酵母の安定的な調達と、より高品質なウイスキーづくりへ挑戦する」と、今まで以上に高品質な原料のつくり込み、熟成・美味品質向上を目指すと意気込む。
「9月20日から、白州蒸留所の自然と共生したものづくりのこだわりやそこから生まれる製品の魅力を最大限体感できる新ツアーを開始。『白州蒸留所ものづくりツアープレステージ』(料金:1万円、130分、定員10名、週2回開催)では、ものづくりの歴史を体感、フロアモルティング見学でつくり手との交流も図れる。さらに自然を感じながらの特別テイスティングや白州と地元食材の究極のマリアージュ体験も楽しめる」と、ものづくりをさらに体感してもらえる新ツアーを開始するとのこと。
「『白州の森』で行われていたツアーはこれまで4つであったが、9月以降は新たに『白州の森ミニツアー』も開設するなど、自然をさらに体感できるようになっている」と、多くの人に蒸留所の豊かな自然の魅力を体感してほしいと訴えた。
この後、「白州蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」を体感。白州の自然と共生したものづくりのこだわり、「サントリーシングルモルトウイスキー 白州」ブランドの魅力を最大限体感できるツアーとなっており、前半は、白州蒸溜所の歴史を感じる場所での映像演出やつくり手との交流、さらには、品質向上の取り組みの一つである「フロアモルティング」を案内。
テイスティングでは、豊かな自然に囲まれた白州蒸溜所ならではの空間で「白州森香るハイボール」や「サントリーシングルモルトウイスキー白州 12年」を提供し、ここでしかできないマリアージュ体験を楽しめるようになっている。
レストラン「Hakushu Terrace(ハクシュウ テラス)」は、「白州の森と響きあうレストラン」というコンセプトのもと、豊かな自然に囲まれた空間の中で癒されてもらいたいという想いからオープンするという。
山梨県産の食材をふんだんに使った石窯ピザをはじめ、「Hakushu Terrace(ハクシュウ テラス)」でしか味わえない「サントリーシングルモルトウイスキー 白州」のオリジナルカクテルも楽しめる。森を感じる開放的な空間で、地元食材と白州の森で生まれた製品を堪能してほしいという。
[レストラン「Hakushu Terrace(ハクシュウ テラス)」概要]
営業時間:10:00~16:30
定休日:年末年始・工場休業日
オープン日:9月1日(日)
予約開始日:8月28日(水)10:00~
※白州蒸溜所のホームページ内、レストラン特設サイトから予約が可能
[白州蒸溜所ものづくりツアー プレステージ概要]
開催日:月曜日・金曜日(年末年始・工場休業日を除く)
開催時間:11:30~13:40
所要時間:130分
参加費:1万円(税込)
初回開催日:9月20日(金)
※白州蒸溜所ツアーの新設については20歳未満の人は参加できない
※「白州ものづくりツアー プレステージ」の新設に伴い、「白州ものづくりツアー プレミアム」は終了となる
※ツアーの開催日は変更になる場合がある
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