生成AIを活用している企業は59.6%に上ることが、総合人材サービス会社のパーソルキャリア(東京・千代田、瀬野尾裕社長)がまとめた「生成AI」活用調査で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

企業の生成AI活用は6割、未活用企業も5割が今後導入を検討

企業に対して、生成AIツールの活用の現状を確認すると、全体の59.6%が活用していることが明らかになった。業種別にみると、上位から「IT・通信(73.0%)」、「金融(70.7%)」、「メーカー(68.8%)」と並んだ。

【生成AIツールを活用している企業 上位5】
IT・通信 73.0%
金融   70.7%
メーカー 68.8%
商社   65.7%
小売   60.0%

現在生成AIツールを未活用の企業に対して今後の活用予定を聞くと、47.5%と半数近くの企業で活用を検討していることが分かった。

業種別でみると、特に1年以内の早急な活用開始を想定している業種は、「商社(25.0%)」、次いで「運輸・物流(23.5%)」となった。

これらの業種の動向についてパーソルキャリアでは「“運輸・物流”は、残業規制の観点から業務効率化が急がれ、また、“商社”はデータを活用する業務が多く煩雑なトランザクションの効率化ニーズから活用を早急に進めたい背景が見受けられる」と指摘する。

個人に対して、現在業務で生成AIを活用しているかを聞くと、活用している割合は約2割(19.8%)に留まった。

【業務における生成AIツールの活用】(複数回答)
テキスト生成AI 14.2%
画像生成AI    8.4%
動画生成AI    5.2%
音声生成AI    4.0%
デザインの自動生成   2.4%
ソースコードの自動生成 2.4%
生成AIツールは活用していない 80.2%

一方、業務を離れた転職活動での生成AI活用状況では約3.5割(34.8%)にのぼり、業務上での活用状況を超えた。

活用内容としては、上位から「自己分析(19.4%)」「自己PRの作成(17.8%)」、「職務経歴書の作成(15.6%)」と続いた)。

【転職活動における生成AIツールの活用】(複数回答)
自己分析     19.4%
自己PRの作成   17.8%
職務経歴書の作成 15.6%
企業研究     11.8%
企業の選択     8.6%
面接の練習     7.4%
生成AIは活用していない 65.2%

さらに、転職後の企業で生成AIツールを「活用してみたい」と考えている個人は、計54.0%と5割を超えた。

【転職先での生成AIツールの活用意向】
活用してみたい   17.4%
やや活用してみたい 36.6%
あまり活用してみたくない 26.2%
活用してみたくない 19.8%

続いて個人に対し、転職先を検討する際に、生成AIツールを活用している企業としていない企業どちらの方が良いと思うかを尋ねたところ、生成AIツールを「活用している企業の方が良い・やや良い」の回答は計30.0%と、「活用していない企業の方が良い・やや良い」の回答の計15.0%と比べ2倍の差があった。

【転職先の生成AIツール活用の印象】
活用している企業の方が良い    8.0%
活用している企業の方がやや良い  22.0%
どちらともいえない        55.0%
活用していない企業の方がやや良い 6.0%
活用していない企業の方が良い   9.0%

調査は、2024年7月29日~8月1日、転職を検討している20~60代男女、会社員(正社員・契約社員)を対象にインターネットで実施し、500人の回答を集計した。

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