矢野経済研究所
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2024年度の動画コンテンツビジネス総市場規模(主要5市場計)は前年度比108.9%の9,880億円を予測

~法人需要に加え、「1億総クリエイター時代」に伴う個人需要も増加し、成長継続の見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の動画コンテンツビジネス市場を調査し、現況、主要セグメント別の市場動向、将来展望を明らかにした。

動画コンテンツビジネス総市場規模推移(主要5市場計)

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1.市場概況

2023年度の動画コンテンツビジネス総市場規模(主要5市場計)は、事業者売上高ベースで前年度比110.5%の9,070億円と推計した。近年、市場が好調な要因としては、SNS上に静止画像から動画コンテンツが増えたことや、副業や趣味を目的とした動画編集ソフトの需要が高まっていること、ライブ配信アプリの認知・利用が広がっていることなどが挙げられる。

2023年度は、これまで視聴機会が少なかった若年層以外の世代においても、動画コンテンツを視聴する機会が増加し、需要拡大の要因となった。特に、50代~60代の年齢層において、コネクテッドテレビ(インターネット接続して動画視聴が可能なテレビ)などの新たなデバイスを通じて、視聴機会が増加したことで市場が活発化した。
また、誰でも気軽に参加できるライブ配信は、コロナ禍による巣ごもり生活のコミュニケーションツールとして需要が一気に高まり、一定規模のファン層を獲得した。コロナ禍明け後の動向が注目されたが、新たなコミュニケーションのかたちとして定着化したことと、ライバー(ライブ配信者)の増加に伴い新規ユーザー登録者数も右肩上がりとなり、順調に裾野が広がっている。

2.注目トピック

ライブ配信アプリの市場動向

2023年度のライブ配信アプリの市場規模は、前年度比112.5%の720億円と推計した。
誰でも気軽に参加できるライブ配信は新たなコミュニケーションのかたちとして定着化したことと、新規ユーザーも右肩上がりで推移していることから、順調に裾野が広がっており、ライブ配信事業者自体も増加し、ライブ配信の機会自体が増えていることも市場を活性化した。
また、従来、ライブ配信は一部のアーティストによる大手動画配信サイトでの配信、プロモーション目的のミュージックビデオ配信のみに留まっていた。しかし、ライブコンテンツのデジタル活用(配信)は、本格的な収益獲得を目指す取り組みとして急速に進んでいる。
このような背景があるなか、ライブ配信事業者の従業員増加や、ライバー(ライブ配信者)の増加、投げ銭(ギフト)機能による収益の増加などをみると、今後もライブ配信アプリの市場規模は増加基調が続くものと考えられる。

3.将来展望

2024年度の動画コンテンツビジネス総市場規模(主要5市場計)は、事業者売上高ベースで前年度比108.9%の9,880億円を予測する。以下の通り、5市場とも総じてプラス要因が多く、市場規模は好調に推移する見通しである。

動画制作サービスは、人材紹介会社が採用動画制作サービスを提供する等々、異業種からの新規参入が増加する見込みである。
動画編集ソフトは、「1億総クリエイター時代」となり利用者は継続的に増加することが見込まれる。 動画配信プラットフォームでは、動画配信をマーケティングツールとして活用するニーズが拡大する見込みで、プラットフォーム需要は好調に推移すると考えられる。
ライブ配信アプリではアバター(自身の仮想空間上の分身)によるライブ配信が浸透し、顔出し無しで多くの人の参加が見込まれる。
アニメ制作は、動画プラットフォーマーへのアニメ作品提供や独占配信などの直接契約・取引など、制作会社のビジネスチャンスの拡大が考えられる。

調査要綱

1.調査期間: 2024年5月~7月
2.調査対象: 動画コンテンツビジネス参入企業、その他関連企業、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用
<動画コンテンツビジネスとは>
本調査における動画コンテンツビジネスとは、①動画制作サービス、②動画編集ソフト、③動画配信プラットフォーム、④ライブ配信アプリ、⑤アニメ制作の主要5市場を対象とし、総市場規模は①~⑤を合算し、算出している。なお、主要5市場の定義は以下のとおりである。

①動画制作サービス:企業が社内外で活用する商品紹介動画やセミナー動画など、BtoB向けの動画制作サービスを指す。なお、BtoC向けの動画広告は含まない。
②動画編集ソフト:コンピューター上でデジタルビデオ・動画を編集するアプリケーションを指す。
③動画配信プラットフォーム:動画ファイルを多数のユーザーが視聴可能とする、有料の法人向け動画配信プラットフォームを指す。なお、無料の動画配信プラットフォームは含まない。
④ライブ配信アプリ:ライブストリーミングによる、インターネット上でのリアルタイムでの動画配信サービスを指す。
⑤アニメ制作:アニメ制作に関わる業務をさし、アニメの映像制作に加え、自社コンテンツを保有する場合のライセンス収入なども含む。
<市場に含まれる商品・サービス>
動画制作サービス、動画編集ソフト、動画配信プラットフォーム、ライブ配信アプリ、アニメ制作

出典資料について

資料名2024 動画コンテンツビジネス市場動向
発刊日 2024年07月31日
体裁 A4 371ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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