株式会社スタイラ(以下、スタイラ)は2014年に創業12年を迎える企業で、オーガニック化粧品では国内トップシェアを誇ります。野田義宗社長は元副社長の奥様と共に12年前に事業を立ち上げ、創業直後の様々な出来事を乗り越えて、2人3脚で同社の成長を牽引し、卓越した経営手腕で増収増益を続け、現在に至っています。

「家業から企業へ」安定成長のために事業パートナーを得たい

ファンドによる資本参加受入
(画像=FotoDuets/Shutterstock.com)

―外部からの資本参加を考えたきっかけは何でしたか

野田氏 オーガニック化粧品を広く扱うようになり事業も順調に進んでおりましたが、東日本大震災でこれまでの考え方ががらりと変わりました。というより、それまで漠然としていたもう一つの思いが沸き上がってきました。従業員を100名近く抱えるようになり、様々なリスクとジレンマがありました。このまま夫婦2人の経営で成長し続けられるのだろうかと。

そして『家業から企業への変革』を決意しました。次なる安定成長の為に事業パートナーを得たいと即断し、日本M&Aセンターに相談しました。

事業パートナーを日本M&Aセンターさんと一緒に探していく中で、事業に関心があり、私たちの考えに最も理解のあった国内ファンドのライジング・ジャパン・エクイティ(以下、RJE)さんに巡り会いました。今後について様々な相談や交渉をしていた折、なんと米国の重要な取引先が当社以外の他社と事業承継を検討していると相談がありました。 大きな不安を覚えると同時に、千載一遇のチャンスだと思い逆に当社が名乗りを挙げました。しかし、買収なんてやったことはありませんし、ましてや海外です。先方から提示された金額もかなりの額でした。リスクヘッジと更なる成長を考えての資本参加受入と同時並行して、大きなビジネスチャンスとしての買収話が進められることになりました。非常に複雑なスキームと多額の資金が動く中、この取り組みは時間が掛かったとしても、必ず纏まるだろうと私は信じていました。それは、本件に携わるRJEその他プロの方達が非常に素晴らしいメンバーで構成されていたためでした。実際に、海外企業の契約締結ではRJEさんにだいぶ汗をかいて頂きました。

急拡大による様々な歪みを除き、成長軌道を取り戻すことが出来た

―RJEからみた資本参画はいかがでしたか

坂内氏 スタイラさんのお話を頂いた時から、今後の成長を予感できる素晴らしい会社だと感じていました。同時にこの成長を維持していくのは大変だとも感じました。当初は、男性ばかりの当社において化粧品はやはりイメージがつかみにくかったのも確かです。そのため、資本参加検討にあたり、化粧品市場を勉強し、RJE社内へ四苦八苦しながら説明していったのを覚えています。野田社長の話にもありましたが、海外の重要な取引先との提携実現はチャンスだと思いました。海外取引先の要求はハードルが非常に高く困惑しましたが、スタイラさんの一層の成長のためには是が非でもやらねばならないとの思いで、スタイラさんへの資本参画と海外取引先の資本提携を同時並行で行いました。

資本参画後、経営の一部に関わらせていただいて、野田ご夫妻のご苦労と才知を思い知らされました。よくお二人でやられてきたなと。それとともに、お二人だけでは限界を感じていた実態も目の当たりにしました。参画する1年ぐらい前から、明らかにこれまでの急拡大による様々な歪みが社内に生じ、成長が停滞し始めていました。これは危険だと様々な対応を無我夢中で行いました。ポテンシャルが高い会社でしたので、いくつか喉元の骨を注意深く取り除き、対策することで非常に短期間にかつての成長軌道に戻すことが出来ました。絶妙なタイミングでサポートをさせて頂く機会をいただけたと考えております。現在も成長を支える会社のインフラ整備のお手伝いをさせて頂いております。

ファンドによる資本参加受入
(画像=Futureより)

2年後にはいよいよ年商100億円、業界世界ランキング100位へ

―野田社長から振り返ってみて、今いかがでしょうか

野田氏 RJEさんに資本参画頂いたことで、2年分の成長をこの1年で果たすことができました。そして抱いてきた夢が現実になると確信できるようになりました。

多くの方々に事業に関わっていただくようになり、夫婦2人3脚で奮闘してきた頃と比べ、事業にも生活にも余裕が出来、より俯瞰して周りを見渡せるようになりました。また、事業推進の意思決定や専門性において学ぶべき事が多く、資本参画をして頂いて本当に良かったと感じています。 

今年は表参道に旗艦店を出店し、さらに本社も移転します。2年後の年商100億円が見えてきました。化粧品企業において年商100億円は世界ランキングで100位になります。守りも堅くなりましたので、今後は資本参加した米国ブランドの代表として、念願のグローバル市場での活動を存分に出来ることにワクワクしているところです。

野田義宗氏(スタイラ 代表取締役社長)
坂内克行氏(ライジング・ジャパン・エクイティ パートナー)

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