こんにちは!みみトモ。ランド代表の高野恵利那です。
今回より「難聴によるストレスと症状とは?当事者の4つの対策方法」をテーマに以下4つのポイントに分けて、4回以上の記事で解説していきたいと思います! ・難聴にはどんな種類や程度があるのか ・それぞれの症状とは? ・難聴当事者のリアルな日常生活と仕事での困難感 ・ストレスと対処方法 今回は「難聴にはどんな種類や症状があるのか」について解説していきます。 |
1.難聴の定義
皆さんにとって「難聴」という言葉と「聴覚障がい」という言葉、どちらになじみがありますか?
そもそも、同じ意味ではないの?と思う人もいるかもしれません。
簡単に伝えると上の図のようなイメージです。
聴覚障がい者を細かく分けると、ろう者と難聴者に分けられます。ろう者に属するのか、難聴者に属するのかについては、第一言語が手話なのか、音声言語(聴こえる人と同じ会話方法)なのかによって異なっていたりします。またその他にも、難聴者には後天的に聴力を失った「中途失聴者」もいたりします。
このように聴覚障がいにも種類があるので、違いをなんとなく覚えていただけると、聴覚障がい者との会話がしやすくなるかもしれません。
2.難聴の種類と症状
難聴には大きく分けて「伝音声難聴」「感音性難聴」「混合難聴」の3つがあります。それぞれ特徴が異なり、聴こえ方も変わるので自分はどの難聴なのか、知り合いはどんな種類の難聴で困っているのか知ってもらえたらと思います!
1)伝音性難聴と症状
まず、伝音性難聴は耳の中のどこの部分が障害されているのでしょうか。
次の画像をご覧ください。
引用:補聴器販売.com
伝音性難聴とは外耳から中耳までに原因のある難聴です。外耳で音を拾って鼓膜へ伝えて、中耳で音声拡張器みたいに音を増幅して内耳に届ける過程に障害があります。
そのときどんな症状があるのかというと
・耳が詰まった感じがする
・大きい音でないと聴こえにくい
・音自体が歪んで聴こえることはあまりない
たとえば、聴こえる人たちがイヤホンをしたり、耳をふさいだりするといつもより会話や音が聴き取りにくくなりますよね。その状態が最も伝音性難聴の聴こえ方に近いと思います。
この難聴の原因は
・中耳炎
・耳垢が詰まる
・耳小骨の奇形や耳の穴がふさがっているなど先天的な奇形 などです。
伝音性難聴は治療をすると治る可能性が高いと言われています。
2)感音性難聴と症状
感音性難聴は、内耳やその先の聴神経の部分が障害されています。内耳は音の高さの区別や、それぞれの音がどの程度の大きさで鳴っているのか、判別してくれます。
感音性難聴の症状は
・音の出どころが分からない
・テレビ、音楽、映画などが上手く聞き取れない
・聞き返し、聞き間違いが多くなる
・遠くの音が聞き取れない
・耳鳴りがする
・電車のホームなど騒がしい場所での会話が困難
・音がゆがんで聴こえる
症状を明記されても、音がゆがむ感覚って正直イメージがつかないと思います。そこで、感音性難聴者の音の聞こえ方をイメージしやすいように、私の聴力検査結果を用いて解説していきます。
こちらはある方の聴力検査結果です。右耳の聴力(赤い線)に注目してください。
周波数は125Hzが1番低い音、8000Hzが1番高い音です。
聴力レベルはー20dBが1番小さい音、130dBが1番大きい音です。
私の右耳の聴力は、低音が高音よりも聴こえやすいことが分かります。
※ちなみに健聴者の聴力レベルは0dBです。ささやき声は30dB程度、普通の会話は60dB程度、そこに日常生活では周囲の騒音など環境音が混ざっていきます。
その上で「あ行」と「さ行」の周波数(Hz)の構成を見てみましょう。
引用:関根弘、阿部勤:音声の可視的描写とその補綴学的応用 42-172
単位:KC=1000Hz 図の下側が低音、上側が高音、右が時系列
こちらが示しているのは、母音「あ行」は低めの音の集まり、「さ行」は「S(子音)」が高い音となりその後に母音の低い音が発生するイメージです。
この方の右耳の聴力では、子音が母音よりも聴こえにくいです。つまり、「朝=あさ」は「ああ」に聴こえてしまう状況が発生します。
引用:https://www.my-kaigo.com/pub/individual/byouki/taiken/choukaku/0020.html
日本語は低音と高音の組み合わせでひとつの文字ができています。文章になった時、青い〇の部分が私の右耳は聞き取りにくいため、音がゆがんで聴こえるという現象になります。
◆感音性難聴の原因
大きな音にさらされる場所に日常的にいたり、イヤホンなど大きな音を長時間聴き続けることによって細胞が壊れることで、音を的確にキャッチできなくなるのが原因です。
感音性難聴は神経の損傷のため、完治することは難しいです。
3)混合性難聴と症状
伝音声難聴と感音性難聴を混ぜた状態です。
3.まとめ
・聴覚障がい者はろう者と難聴者に分けられる
・伝音性難聴は音の大きさが障害される
・感音性難聴は音の質が障害される
・混合性難聴は双方の特徴がある