複雑化する人事課題の解決には人事情報の有効活用が欠かせない。世界中の成功事例を集約したソフトウェアSAP® SuccessFactors®の導入支援で実績を上げている株式会社オデッセイの秋葉尊社長に、人事革新の実現に必要なアプローチやパッケージソリューションなどについて寄稿してもらった。

人事革新の実現に向けて〜グローバルベストプラクティスで創る未来-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】

株式会社オデッセイ

秋葉 尊 代表取締役社長

【PROFILE】NECにて営業、マーケティングを経験後、2003年オデッセイ入社、2011年より現職。独自の人事ソリューションでSAP業界トップクラスの導入実績を誇る。SAP AWARD OF EXCELLENCE 2024受賞

目次

  1. 人事の未来への指針とグローバルスタンダード
  2. ベストプラクティスの重要性と期待効果
  3. ベストプラクティスを活用した現実的なアプローチ
  4. パッケージソリューション活用のすすめ
  5. 【導入企業の声】ヤマサ醤油

人事の未来への指針とグローバルスタンダード

企業が効率的な経営を継続しサステナブルに成長していくためには、人事情報の戦略的かつ効果的な管理と活用が不可欠である。

近年、世界中の成功事例を集約したグローバル人事パッケージソフトウェアの導入が見直されている。これらのソフトウェアは、人事管理、給与計算、労務管理といったコア人事業務からタレントマネジメントに至るまで人事業務全体を網羅しており、企業が直面するさまざまな人事課題に対応するベストプラクティスとして活用できるからだ。

これが、グローバルスタンダードとして認められている理由でもある。

ベストプラクティスの重要性と期待効果

ベストプラクティスの活用が競争優位な経営を実現する重要な手段とされている主な理由を挙げてみる。

①生産性の向上
人事業務の標準化と組織の生産性向上による企業業績の改善
②エンゲージメントの向上
公平かつ客観的な基準に基づいた従業員の評価や昇進によるエンゲージメント・企業ロイヤリティの向上
③コストと対応工数の削減
業務プロセスの効率化による対応工数やコストの削減と資源の戦略的な再配分
④国際競争力の強化
国内外の規制に対する柔軟かつ迅速な対応による国際競争力の強化
⑤プロジェクトのリスクの低減とROIの向上
成功事例に基づいた人事システム導入プロジェクトの推進による、プロジェクトリスクの低減とROIの高い人事システムの実現

これらの要素により、ベストプラクティスの活用は企業が直面する多くの課題に対する効果的な解決手段となると期待されている。

ベストプラクティスを活用した現実的なアプローチ

ベストプラクティスを日本企業に合わせて有効に活用するためには、グローバル人事パッケージソフトウェアと、その導入をサポートするコンサルティング会社の選択が重要になる。

コンサルティング会社についてはグローバル人事パッケージソフトウェアを日本企業の特性に合わせてカスタマイズした導入テンプレートを保有し、その導入テンプレートをベストプラクティスとして活用したソリューションを提供していれば理想的である。

導入テンプレートやそれに基づいたソリューションの採用が、ベストプラクティスを有効に活用しROIの高い人事システムを構築する現実的な手段になると考えられる。

パッケージソリューション活用のすすめ

具体的にベストプラクティスを活用する例として、当社が提供する導入テンプレートとそれを活用したパッケージソリューションについて簡単に紹介したい。

導入テンプレートであるUlysses(ユリシーズ)は、100社以上にのぼるSAP人事ソリューションの導入経験を基に開発したもので、SAP-HCM(オンプレ)からSAP®SuccessFactors®(クラウド)のプラットフォーム変更にも対応しながら20年にわたって改善を重ねてきた。現在ではカスタマイズテンプレート、アドオンテンプレート、レポートテンプレート等と内容も充実している。

●導入テンプレート「Ulysses」

人事革新の実現に向けて〜グローバルベストプラクティスで創る未来-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】
導入テンプレート「Ulysses」は、国内での25年以上の豊富な導入経験を活かして開発。
SAP®SuccessFactors®導入にあたって、日本企業向けのベストプラクティスとして必要な各種設定や、SAP標準では用意されていないアドオン機能を用意し、業務運用をサポート

またUlyssesは既に使える状態に設定されているため、プロジェクト開始時にお客様環境にコピーするだけで直ちに画面や業務フローを確認しながら要件定義を進めることができる。このプロセスにより、お客様の認識齟齬を防げ、成功事例を参考にした要件の確定も可能になる。

Ulyssesをベストプラクティスとして活用したパッケージソリューションを7種類を用意しており、そのうち5種類はSAPの認定を取得している。対応範囲もコア人事からタレントマネジメント、更には昨今話題の人的資本経営の支援まで各種プランを用意している。

これらのパッケージソリューションから最適なものを選択いただくことでROIの高い人事システムの構築が可能になり、ベストプラクティスを活用した人事革新を実現する現実的な選択肢になると考えている。

●Ulyssesをベースにしたパッケージソリューション

人事革新の実現に向けて〜グローバルベストプラクティスで創る未来-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】

【導入企業の声】ヤマサ醤油

創業:1645年   従業員数:888人   本社:千葉県銚子市
事業内容:醤油を中心に各種調味料や医薬品の製造・販売

紙ベース業務のシステム化やオンプレミス運用を効率化を目的に、給与システム更新と人事管理システムを導入

380年以上の歴史を持つ日本の代表的な醤油メーカーである当社は、給与パッケージの保守サービスが終了になることをきっかけに、長らく紙ベースで行っていた人事管理業務のシステム化やオンプレミスで運用してきたシステムの効率化を目的として、給与システムの更新と人事管理システム導入を検討することにしました。

導入システムについては、すでに基幹システムが移行中だったSAP S/4HANAとの親和性、SaaSソリューションとしての利点、ユーザーインターフェースの良さ、そして人事管理機能の充実度を評価し、SAP® SuccessFactors®を選択しました。

また、導入コンサルティングは、豊富な導入実績とSAP人事ソリューションに関する深い知見をもつオデッセイに依頼しました。

人事給与業務の大幅な効率化で、“守りの業務”だけでなく、新卒採用・社員研修などの“攻めの業務”にも注力

SAP® SuccessFactors®とUlysses テンプレートをベストプラクティスとして業務を標準機能に合わせて導入したことにより、人事給与業務の大幅な効率化が図れました。

これにより、従来時間を取られていた給与計算や制度変更対応などの“守りの業務”だけでなく、新卒採用や社員研修などの“攻めの業務”にも注力できるようになりました。今後は人事情報の活用レベルをさらに高め、情報のプロファイル管理と組織階層の視覚化に取り組み、人材の有効活用に繋げます。

また、タレントマネジメントの強化で人材の能力を最大限に活用して組織パフォーマンスを最適化し、グローバル化に対応したビジネス戦略の実行に必要な人材を効果的に管理・育成していく方針で、オデッセイの継続的な技術支援と保守サービスが必要と考えています。

人事革新の実現に向けて〜グローバルベストプラクティスで創る未来-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】
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