神戸魂が宿る文化統合の象徴【白鶴美術館】【兵庫エリア】
神戸魂が宿る文化統合の象徴【白鶴美術館】【兵庫エリア】

皆さんこんにちは!バタバタ走るよ、お祭りガールことライターのかすみです。

皆さんは文化鑑賞はお好きですか?私は美術や音楽など文化的な物が大好きです。中でも兵庫には和洋折衷の素晴らしい建造物がたくさんありますよね。

今回は兵庫を含む阪神を代表する建造物、白鶴美術館を紹介していきます!

白鶴美術館の概要

白鶴美術館は、神戸市東灘区の四季を感じられる六甲山の麓・住吉川西岸に位置し、本館は東洋と西洋・伝統と近代の文化が見事に融合した意匠が随所に施されています。

昔から水はけの良い土地であったことから美術館周辺は積極的に住宅開発が行われ、現在も憧れの高級住宅地として多くの豪邸が立ち並ぶエリアです。住吉川を流れる水の音も涼やかで、のんびりと落ち着けるような場所です。

美術館は、神戸で280年以上続く老舗酒造メーカー「白鷗酒造」の7代目嘉納治兵衛によって建てられました。嘉納氏は元々美術品収集が趣味で世界的価値のあるコレクションを私蔵するのではなく、ひとりでも多くの方の目に触れてほしいという想いから所蔵する古美術品500点の公開を始めたそうです。今では美術館の所蔵数は1450点を超え、新館も建てられました。

新館・本館の両方とも開館時期は春と秋の年2回です。
常に開いているわけではないので、行く時期に気をつけなければなりませんね。

阪神間モダニズムの真髄

本館は数々の美術品が見られるだけではなく、建造物としても美術的な価値があります。

それが、阪神間モダニズムです。阪神間モダニズムとは、明治初期から大正・昭和戦前期にかけて、大阪と兵庫・神戸間のエリアで生まれた近代的な芸術や文化、生活様式の総称です。

1995年の阪神淡路大震災によって多くの建造物は倒壊・焼失してしまいました。しかし、震災で建物がなくなっても、当時の建物を取り戻そう、日本の伝統文化を近代に蘇らせようという動きが「阪神間モダニズム」の名前の由来になりました。

そして、白鶴美術館は震災を経て現代にのこる希少な建造物の1つです。

建築から鑑みる和と洋の文化

鉄筋コンクリートで作られた本館は昭和9年に建てられました。

なかでも注目したいのは、本館前面に位置する八角灯籠で、奈良・東大寺大仏殿の前面に立てられている国宝・八角燈籠(奈良時代)を模して作られました。
廊下の天井には何本もの梁が均等にわたされ、美しい装飾が特徴の蛙股(梁の上に置かれる建築部材)が施されております。

本来は鉄筋コンクリート造りの建物に梁や蛙股は不要なものですが、日本の伝統文化の良さを取り入れるために喜納は敢えて、こだわりを持って作ったようです。建物の各所には白鶴酒造の代名詞というべき鶴の意匠が描かれております。

建物の内部には大理石の柱がそびえたち、階段造りの西洋式階段が目を惹きます。また、休憩スペースや内部の家具は西洋の細かい装飾が施されており、和洋折衷の文化を鑑みることができます!

おわりに

いかがでしたか?
白鶴美術館は和洋折衷の文化と阪神淡路大震災をきっかけに、より強固になった地域愛が合わさった阪神間モダニズムの象徴ともいうべき建造物です。建造物からもこんなにも文化と歴史を感じさせる建造物は日本にもなかなか無いでしょう。

みなさんも是非、白鶴美術館を訪れた際には館の内部にも関心を寄せてみてください!当時の人々の息遣いが感じられるかもしれませんよ。

以上ライターのかすみでした。

参考

白鶴酒造株式会社ホームぺージ
https://www.hakutsuru.co.jp/
公益財団法人 白鶴美術館 ホームページ
https://www.hakutsuru-museum.org/about/
建築好きの名建築訪問49/白鶴美術館新館
https://www.hckjx206.com/2020/04/11/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%BB%BA%E7%AF%89%E8%A8%AA%E5%95%8F49-%E7%99%BD%E9%B6%B4%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%E6%96%B0%E9%A4%A8/
ラジオ関西トピック ラジトピ 【阪神間モダニズム】 芦屋・西宮に見る「名建築」の歴史と魅力 フランク・ロイド・ライトや片岡安設計も
https://jocr.jp/raditopi/2022/11/16/465866/
阪神間モダニズムの真髄とは? 神戸のタウン誌ー月刊 神戸っ子
https://kobecco.hpg.co.jp/5246/
豪壮華麗な意匠は圧巻!神戸を代表する近代建築・白鶴美術館
https://www.travel.co.jp/guide/article/7140/