1.バローホールディングスの事例
株式会社バローホールディングスは、同社の連結子会社である中部興産株式会社が、株式会社鷺富運送の発行済株式の100%を取得しました。
中部興産は、 1969年の創業以来、物流システム、設備などを設計・開発する独自の物流技術を活用した倉庫運営と自社配送を行っております。
また、東海・北陸・関東・関西エリアに展開する当社グループ店舗に対応して物流センターを24拠点運営しております。
鷺富運送は、主に石川県・福井県・富山県を中心に3温度帯別の食料品と医薬品の輸配送業務を事業基盤としています。
幹線輸送から各センターでの仕分け、共同配送など多様な物流サービスを提供しております。
中部興産は物流センターから各店舗への配送を得意としており、鷺富運送はより川上に当たる各メーカーから問屋倉庫への配送を得意としております。
今回、バローホールディングスが株式取得することで下記のシナジーが期待されます。
倉庫運営ノウハウの共有
- 今後複雑、高度化するシステム投資等の圧縮
- マテハンの共有化 ・人材交流と育成
川上への物流領域の拡大とサプライチェーンの高度化の高度化
- 両社ネットワークを活用した新規集荷、配送業務の受託拡大
- 両社の近隣集荷先、配荷先の整理による配送効率の向上
- 両社の事業所、倉庫の共同利用
2.三菱食品の事例
三菱食品株式会社は、株式会社キユーソー流通システムと両社の物流事業の一部を統合し、両社を出資者とする合弁会社へ会社分割により承継させることに関し、統合契約および合弁契約を締結し業務提携を行うことを決定しました。
分割する事業は、主に食品を対象とした首都圏における低温物流事業です。
三菱食品は、国内外の加工食品、低温食品、酒類、菓子の卸売を主な事業内容とし、物流事業およびその他サービス等を展開しております。キユーソー流通システムは、食品物流の運送会社です。 両社はトラック運転手の不足が懸念される物流の「2024年問題」への対応が求められるなか、異業種間の協業を深めていきます。
まとめ
物流業界の2024年問題が食品業界に与える影響は大きいです。
しかし、食品企業がM&Aを活用することによって、輸送能力の不足や品質の低下を最小限に抑えることもできます。
企業間で共通した顧客を持つ場合、配送ルートが重なることも多いです。M&Aによってそれを集約し、ひとつの車で効率的に配送ることでコストや時間の削減にも繋がります。
また、M&Aを活用することで大企業の子会社になり、ブランドイメージの強化や労働環境の改善に繋げることができます。そうすることで、採用力が強化され新たな人材の確保がしやすくなることも期待できます。
いかがでしたでしょうか? 食品業界のM&Aへのご関心、ご質問、ご相談などございましたら、下記にお問い合わせフォームにてお問い合わせを頂ければ幸甚です。 買収のための譲渡案件のご紹介や、株式譲渡の無料相談を行います。 また、上場に向けた無料相談も行っております。お気軽にご相談ください。