北海道内で経営難の企業を救済する、再生型M&A

業績が悪化する背景は会社により様々です。

  • 単純に事業活動が苦戦しており赤字が続いている
  • 国の政策や為替・物価の影響
  • コロナによるダメージが残っている
  • 突発的な売掛金不回収により資金繰りが悪化した等

上記以外の要因も多くありますが、いずれにしても何らかの理由で経営難に陥っている会社は北海道でも増えており、このような企業が全て倒産してしまうと、たくさんの雇用が失われ、北海道経済全体における損失となってしまいます。

そのため、このような企業を、資金力や事業基盤が安定している優良企業が譲り受けることにより、今後も事業を存続させていくことは、雇用の保全にもつながるため、社会的意義が非常に大きいと言えます。

しかし、M&A仲介を行う弊社の立場としては、経営難による譲渡の依頼を全て受けることは難しいのが現状です。

再生型M&Aが成立するための必須条件として、譲受企業にとってメリットがあることが大前提となるからです。

そもそもM&Aは、双方にメリットがあって初めて成約に至るものであり、決してボランティア精神のみで取り組むことはできません。

では、どのような場合に再生型M&Aは成立しているのでしょうか。

業績悪化要因の分析が必要

ここで必要なのは、譲渡対象企業の業績が悪化している要因分析です。

譲受企業のグループに入り、何かメスを入れることで今後の業績が改善すると見込める場合に初めてM&Aを進めることができます。 過去にお手伝いさせていただいた再生型M&A事例について、いくつか概略をご紹介します。

①同業種M&A|北海道M&A

コロナの影響により業績が悪化したホテル運営会社が、M&A後に同業である譲受企業のマーケティング力や企画力により利益率が向上した

②営業強化・周辺事業会社とM&A|北海道M&A

プラント工事をメインに行う建設会社が、土木・建築・設備・解体など、幅広い工事ノウハウを持つ譲受企業の営業力を頼り、売上が伸びた

③販路拡大・領域拡大を狙うM&A|北海道M&A

食肉加工の工場を営む卸売会社が、なかなか販売単価を上げることができず、利益を上げることができなかったが、飲食店をチェーン展開している譲受企業のグループに加わることで、販売先の幅が大きく広がり、増収増益につながった

上記に記載しきれなかった事例もまだまだありますが、結論として、いずれも勝算があってM&Aを行っているということです。

また、再生型と呼ばれるM&Aにおいては、株式譲渡ではなく、事業譲渡や会社分割など、様々なスキームが用いられます。

債務が重すぎる場合は、金融機関と協議のうえ債権カットしていただいた事例もあります。その場合は弁護士にも間に入ってもらう必要があり、非常に綿密に計画を立てる必要があります。

つまり、再生型M&Aは社会的意義がある一方で、全ての会社が成約できるわけではなく、難易度も当然高いものになります。

とはいえ、弊社としては多くの道内企業の存続と発展を目指して日々動いているため、まずは是非ご相談いただければと思います。

日本M&Aセンターでは、事業売却をはじめ、様々な手法のM&A・経営戦略を経験・実績豊富なチームがご支援します。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

著者

伊藤 海 伊藤いとう かい

日本M&Aセンター 北海道営業所

大手証券会社から2019年1月に日本M&Aセンターに入社。入社以来、会計事務所様と連携する部署にて、建設、製造、食品、警備、ホテル、人材派遣、医療等幅広い業種のM&Aを支援。