永松社長
(画像=永松社長)

セブン&アイ・ホールディングスは、セブン‐イレブン・ジャパンにおける2024年度の経営方針として、商品の磨きこみをベースに、新しい品ぞろえやサービス拡充を通じて新規利用者の獲得や買い上げ点数の増加、来店頻度の向上などを狙う。そのための取り組みとして、冷凍食品の売り場拡大をより進めるほか、新規カテゴリーの導入なども行う。

4月10日の決算説明会で、セブン‐イレブン・ジャパンの永松文彦社長は「セブン‐イレブンで冷凍食品の販売は、この15年で20倍になった。単に買い置きではなく、即食ニーズや美味しいものを食べたいというニーズにこの冷凍食品でこたえたい」と語った。

日本国内において、実質賃金は22カ月連続のマイナスで推移しているため、節約志向が高まっているほか、簡便性や健康志向も強まりつつあるという。また、高齢化により商圏が狭まりつつあることに加え、テレワーク実施者がまだ勤労人口の5分の1以上いるようだ。そこで、セブン-イレブンでは、来店頻度を向上させるため、マーケットニーズに対応した商品を充実させるほか、DXを活用した施策なども進める。

そのための取り組みの1つで、冷凍食品の更なる強化を進める。セブン-イレブンにおける冷凍食品の売上は、15年で約20倍にまで伸長した。また、今年2月にオープンした実験店「SIPストア」においても、売場を拡大し、専用商品などを並べたところ、売上の伸長効果が見られたようだ。

冷凍食品の強化として、立地や売場スペースに応じた品ぞろえを確認し、売上拡大を図る。狭小店舗では売場の拡大を、既存店舗では品ぞろえの拡充を進める。壁面の冷凍什器は通常店舗を中心に、中島冷凍什器は約3,000店にて、それぞれ導入予定だ。また、冷凍食品の新アイテムとして、「パン」「デザート」「ごちそう惣菜」「市場売筋のNB商品」の導入を計画する。

カウンター商品も店内で焼成した出来立てを味わえる商品の導入を進める。メロンパンやクロワッサン、フィナンシェなどを販売する。現在は約600店で販売しており、今後は約3,000店まで広げる。

その他、スムージーは旬の果物など新規性がある商品を計画的に発売するほか、パッケージを変更して健康をより訴求する。地域フェアも行い、値ごろ感のある価格で質の良い原材料を使った商品を提案する。

〈冷食日報2024年4月12日付〉