ポエック、コーベックスを買収

ポエック株式会社(9264)は、2024年3月29日の取締役会において、コーベックス株式会社(兵庫県神戸市)の発行済株式の全株式を取得し、コーベックスを完全子会社化することについての「株式譲渡契約」の締結を決議した。

ポエックは、ポンプ, 送風機, 空調機, 工場設備機器の製造・販売、機器類修理, 保守点検,設計施工、防災機器の販売、産業設備機器の販売を行う。

コーベックスは、溶剤再生装置・洗浄装置・脱臭装置製造販売・メンテナンスを行う。

株式の取得の理由

ポエック及び関係会社(以下、「ポエックグループ」)は、ポエック及び連結子会社5社(株式会社三和テスコ、東洋精機産業株式会社、協立電機工業株式会社、株式会社マリンリバー及びPBS株式会社)により構成されており、環境・エネルギー関連機器の販売、動力・重機関連機器及び防災・安全関連機器の製造・販売を主な事業内容としている。

コーベックスは、同社の主要株主である平山季藤氏が1969年に廃シンナーの再資源化、再利用を目的として個人創業したものを、業容の拡大に伴い1970年に「コーベックス株式会社」に法人改組したものであり、創業55年、設立54年の業歴を有する。

コーベックスは、特許取得済の独自技術を背景に溶剤再生装置、部品洗浄装置についての設計・製造・施工・メンテナンスを行っており、多数の特許取得技術を持ち、これまでの納入実績は4,000台以上、高精度で耐久性の高い製品により顧客から信頼を得ている。

本件株式取得後におけるグループ企業として、コーベックスの成長余地及びポエックグループとのシナジー効果について以下の通り想定している。

・ポエックの既存事業との相乗効果
ポエックは、これまで水処理機器や熱交換器などの環境関連機器の販売を主力事業としてきた。 コーベックスの有機溶剤リサイクルシステムは、これら既存製品とシナジーが期待できる補完的な製品としても位置づけられる。 工場などの導入先では、当社がソリューションとして提供する水処理と同社の提供する有機溶剤処理の両方のニーズがありワンストップで提供できることは、同社単独の競争力に加えグループの競争力強化にもつながる。

両社の強みが化学反応を起こすことで、環境保護と災害対策に貢献する新たなシナジーの創出が想定できます。 こうしたビジネスモデルによってポエックグループは、環境トレンドに適合したサービスを提供し、「環境創造企業」としてブランドイメージの確立につなげ、ファン層の獲得に注力することを考えている。

また、コーベックスは海外展開後まもなく、現地商社の高い評価を得て販売実績を上げていることから、同社は海外市場においても高いポテンシャルをもつと考えられ、同社がもつ海外市場におけるポテンシャルと海外展開ノウハウをポエックグループが共有し、共同で市場展開を図ることは、グループ全体としても高い相乗効果を生むことにつながる。

・製品ラインアップの補完と販路の拡大
数千社との販売チャネルをもつポエックグループが、コーベックスの開発製品を取り扱うことによりグループの環境関連製品のラインアップが強化される。 大気汚染防止分野でソリューションを提供できるようになることは、新たな環境技術の領域に参入することとなる上、同社の技術力とポエックの販路を組み合わせることで相互にシェア拡大が見込める。

さらに、同社の環境ソリューションの提供を通じ新たなメーカーとの接点が拡がることで、よりスムーズに顧客開拓が行える体制確立に寄与する。 以上の結果、ポエックグループ各社の売上高の増加につながるとともに、製造事業を展開する各社においては限界利益率の上昇と利益の増加に寄与する。

・コスト削減の可能性
コーベックスとポエックグループは、製品の生産、物流、サービスなどの点で共有できる余地があり、これらの機能を相互補完するなど共有展開による生産能力の増強効果、運営コストの削減効果が期待できる。 例えば、生産拠点の共有や共同購買による資材調達コストの低減などが考えられ、このようなコストシナジーを最大限活用し収益力の向上を図る。

日程

取締役会決議日   2024年3月29日
株式譲渡契約締結日 2024年3月29日
株式譲渡実行日   2024年4月1日(予定)

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(提供:日本M&Aセンター

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