湖北工業、エピフォトニクスを買収

湖北工業株式会社(6524)は、2024年3月28日開催の取締役会において、エピフォトニクス株式会社(神奈川県大和市)の株式を取得し、子会社化することについて決議した。

湖北工業は、アルミ電解コンデンサ用リード端子の製造・販売、光通信用部品の製造・販売、石英ガラスを材料とした精密部品の製造・販売を行う。

エピフォトニクスは、超高速光スイッチ、波長選択スイッチ、光変調器などの研究開発、製造販売、開発受託を行う。

株式の取得の理由

湖北工業は、海底ケーブルのキーデバイスである光アイソレータ市場において 50%以上の高い市場シェアを有する。海底ケーブル用光アイソレータ以外にも、光サーキュレータ、光フィルタなどの光デバイス、結晶素子であるファラデー回転子や、高純度石英ガラス部品、また石英ガラスのキャピラリなどを用いたファイバ/ファイバアレイ加工品など、様々な光部品・デバイスの開発・製造・販売を行う。 光通信市場においては、生成AIやIoTの進化などに合わせたデータ通信容量の飛躍的な拡大が求められている。

こうしたニーズに対応する技術開発が急速に進められており、同社において、今後ますます光通信の高速化、省電力化のニーズが高まる中で、開発体制の強化、業界関連企業とのコラボレーションなど、次世代情報通信技術の開発に向けての活動を強化している。

エピフォトニクス社が手掛けている「PLZT薄膜形成技術」は、次世代光情報通信技術として注目されているテーマであり、現在の光デバイスで主流となっているLN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)薄膜に対して10倍の電気工学効果を有するなど、光通信市場において大幅な省電力、高速通信を進める上で極めて有望な要素技術と考えられる。また、従来にない高速演算処理を求められる光量子コンピュータへの応用が期待されている。

エピフォトニクス社は、PLZT薄膜形成技術を応用した光デバイスに強みを持ち、光スイッチ、光変調器などのデバイスを開発、製品化を実現している。また、次世代光情報通信技術の開発に向けた波長選択スイッチの開発も行っている。

湖北工業においては、光情報通信に関する技術に強みを持ちまた米国シリコンバレーに開発拠点を持つ「エピフォトニクス社」を傘下に収めることで、湖北工業グループが保有する光部品・デバイスの材料技術(結晶育成技術)や精密組み立て技術とのシナジー効果による両社での開発を加速、次世代情報通信インフラに向けた製品ラインアップの強化と販売ネットワークの拡充を進め、大容量化が進む光情報通信関連市場でのシェア拡大を目指す。

日 程

取締役会決議日 令和6年3月28日
契約締結日 令和6年3月28日
株式譲渡実行日 令和6年4月1日(予定)

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(提供:日本M&Aセンター

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