厚生労働省がまとめた令和5年「高年齢者雇用状況等報告」によると過去1年間に60歳定年企業で定年を迎えた人の87.4%が継続雇用されたことが分かった。継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.1%だった。

60歳定年を迎えた人の87.4%が継続雇用、60歳以上の常用労働者数は9年で約170万人増加

過去1年間(2022年6月1日から2023年5月31日)に60歳定年企業で定年を迎えた40万4967人のうち、継続雇用された人は87.4%(うち子会社・関連会社等での継続雇用者は3.3%)、継続雇用を希望しなかった人は12.5%、継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.1%だった。

2023年6月1日現在で、高年齢者雇用確保措置を実施済企業の割合は99.9%。実施済企業における雇用確保措置の内訳は、「定年制の廃止」が3.9%、「定年の引き上げ」が26.9%、「継続雇用制度の導入」が69.2%となっており、定年制度の見直しよりも、継続雇用制度の導入を行うことで雇用確保措置を講じている企業が多かった。

継続雇用制度を導入している企業のうち、希望者全員を対象とした制度を導入している企業は84.6%だった。対象者を限定する基準がある制度を導入している企業は15.4%だったが、従業員301人以上の大企業に限ると31.9%となった。

定年を65歳とする企業は23.5%。企業規模別にみると、従業員21~300人の中小企業では24.0%、従業員301人以上の大企業では16.5%となっている。

66歳以上まで働ける制度のある企業は43.3%で、企業規模別にみると、中小企業は43.5%、大企業は40.2%となっている。

70歳以上まで働ける制度のある企業は41.6%で、企業規模別にみると、中小企業は41.8%、大企業は38.1%となっている。

従業員21人以上の企業の常用労働者数(約3525万人)のうち、60歳以上の常用労働者は13.8%の約486万人。年齢階級別に見ると、60~64歳が約262万人、65~69歳が約130万人、70歳以上が約93万人となっている。

31人以上規模企業における60歳以上の常用労働者数は約457万人で、2014年と比較すると約170万人増加している。

集計結果は、従業員21人以上の企業23万7006社からの報告に基づき、2023年6月1日時点での企業における実施状況等をまとめた。

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