MA Channel:ちょっとためになるコラム
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30歳で会社を興して60歳で引退するまで30年―企業寿命30年は社長人生の長さでもあります

“企業寿命30年説”をご存知ですか?
1983年に日経ビジネスが唱えたとされるこの説ですが、今なお実感を伴ってしばしば取り上げられます。

企業繁栄のピークは30年とするこの説。
全ての企業は、30年という時間の中で「経営環境の大きな変化」や「経営者の世代交代(事業承継)」という経営課題に直面します。多くの企業はこの壁を乗り越えられず、倒産・合併・廃業などにより姿を消します。
30年ですら続けるのが難しいのですから、100年続く“100年企業”は、30年とされる企業寿命の壁を少なくとも3回乗り越えて存続している“スーパー優良企業”ですね。

長寿企業大国!ニッポン!

日本は長寿企業大国です。世界の創業200年超の企業のうち、半分以上の約3,000社が日本企業だそうです。「家業は代々受け継ぐものという日本企業の文化」や「顧客第一主義」など理由は諸説あります。
外部要因の一つをあげると、日本の人口ボーナスがあげられます。人口増加により、様々な業界は恩恵を受けてきました。明治以前の日本の人口は約3,000万人。2004年の1億2,000万人のピークまでの130年間、右肩上がりで人口は増加しました。生産年齢人口も消費人口も増え続ける環境でしたが、これからの100年はそうはいきません。人口は1億2,000万人から4,700万人へと急減し、かつ高齢化社会となっていきます。このような環境下での企業の存続は、人口拡大期に比べて極めて難しいでしょう。企業はこれまでの100年とは異なる経営方法で乗り切っていかなくてはなりません。

どんな会社が100年長生きするのか?

100年企業に共通する長寿のコツは、

・会社の経営を任せられる後継者及び中堅幹部の育成
・企業文化(カルチャー)の醸成

と言われています。

この2点については、企業内部で完結するケースもあれば、外部の資本や人材を受け入れて達成するケースもあります。M&Aは企業を長寿にする選択肢のひとつなのです。

世界最古の会社も日本にある!

ちなみに日本最古の会社と言われる「株式会社金剛組」は、578年創業。現存する世界最古の企業です。2005年まで金剛一族が経営してきましたが、同年11月髙松建設(現髙松コンストラクショングループ)の子会社へ移行しています。世界最古の会社も、時代に応じて経営を変え、M&Aを経験して存続しているんですね。

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プロフィール
日本M&Aセンター 執行役員 役員室 室長
幸亀 努(こうかめ・つとむ)

大手証券会社にてM&Aアドバイザリー業務に従事後、2002年日本M&Aセンター入社。大手企業から中小企業まで数百件のM&A成約に関与。SFPホールディングス(東証2部上場)の創業者が「約束のとき」というタイトルで出版した書籍の中で、担当のM&Aコンサルタントとして登場している。
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