日本のZ世代はハラスメントの被害を受けた際に78%が職場に通報していることが、デロイト トーマツ グループ(東京・千代田、木村研一CEO)の「Z・ミレニアル世代年次調査2023」で明らかとなった。ミレニアル世代は44%にとどまった。
日本のZ世代がハラスメント被害を受けた際、「職場に通報した」との回答は78%に上った。これはグローバルのZ・ミレニアル世代の回答と同水準である一方で(グローバルZ世代78%、ミレニアル世代80%)、日本のミレニアル世代の回答は44%に留まり、日本では世代間ギャップが見られた。
現況についてデロイト トーマツ グループは「日本のミレニアル世代は、ハラスメントの被害を受けても沈黙していることがうかがえる」と指摘する。
【ハラスメントに対する職場への通報率 日本】
●Z世代
職場に通報(対応に満足) 40%
職場に通報(対応に不満) 38%
通報しなかった 15%
その他 7%
●ミレニアル世代
職場に通報(対応に満足) 21%
職場に通報(対応に不満) 23%
通報しなかった 50%
その他 6%
また、2年以内の離職意向を聞くと、グローバルのZ・ミレニアル世代においてコロナ禍の昨年よりも上昇した(2022年:Z世代40%、ミレニアル世代24%、2023年:Z世代45%、ミレニアル世代27%)。
日本においてもZ世代が昨年に引き続き40%であった一方で、ミレニアル世代は13%と昨年の14%から下降した。
世代間の違いについてデロイト トーマツ グループは「職場に不満があった際に早々に見切りをつけるZ世代と、たとえ不満があっても現在の職場に留まろうとするミレニアル世代という、日本特有の対比が見て取れる」とした。
【2年以内の離職意向 日本】
●Z世代
2019年 64%
2020年 29%
2021年 32%
2022年 40%
2023年 40%
●ミレニアル世代
2019年 49%
2020年 23%
2021年 24%
2022年 14%
2023年 13%
企業における働き方の柔軟性について聞くと、「出社を強制された場合に転職を検討する」との回答がグローバル、日本の両世代で60%を超えた(グローバルZ世代77%、ミレニアル世代75%、日本Z世代70%、ミレニアル世代62%)。
これについてデロイト トーマツ グループは「コロナ禍でリモートワークが普及したことを受け、職場の働き方の柔軟性を重視する傾向がうかがえる」とした。
調査は、2022年11月~2023年3月、世界各国のZ・ミレニアル世代2万2856人を対象としてWebアンケート方式、および一部対象者に定性インタビューで実施した。(うち、国内回答者は801人、Z世代501人:ミレニアル世代300人)
※本調査ではZ世代を1995~2004年生まれ、ミレニアル世代を1983~1994年生まれと定義