コロナ禍での買い控えから回復する製品がある一方、補助金等で大幅に需要拡大した製品は反動減も。世界的な材料費や輸送費の高騰による生産コスト上昇、半導体不足による納期長期化が問題に
~2023年度のME機器(診断機器)市場規模は、前年度比1.2%増の3,764億5,000万円と予測~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のME機器(診断機器)市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
本調査では、病院や一般診療所、健診センター等で使用されるME(Medical Engineering)機器のうち、32項目(37製品・57分類)の診断機器を対象としている。
2022年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止支援に関連した補助金等により需要が拡大した製品については、一部製品で前年度に続き購入増があったものの、大半の製品では前年度から反動減となった。 一方、コロナ禍において優先度が低く、予算執行が延期されていた製品の購入が活発化してきたことで、一部製品はプラス成長となり、2022年度のME機器(診断機器)市場規模を前年度比2.2%増の3,720億2,100万円と推計した。また、世界的な材料費や輸送費の高騰による生産コスト上昇や、半導体不足の影響による納期の長期化が深刻な問題になりつつある。
2.注目トピック
生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)
生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)市場は、大規模医療施設から一般診療所に設置されている生体情報モニタや、心電計、脳波計・誘発電位検査装置等の検査室製品に、各科固有の製品を含んでいる。
2022年度の市場はそのうち、市場規模が大きい生体情報モニタはコロナ禍関連の補助金による特需からの反動減、赤外線酸素飽和度モニタでは手術室予算の復活や新製品上市によるプラス成長、成長トレンドにある冠血流予備量比(FFR)測定装置はコロナ禍の買い控えからの回復基調で拡大しており、2022年度の生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)市場は前年度比2.3%減の586億9,900万円と推計、2023年度は同0.2%減の586億円になると予測する。
3.将来展望
引き続きコロナ禍関連の補助金により特需が発生した製品の反動減はあるものの、多くの製品では買い控えからの回復もあり、需要は堅調に推移する見込みである。2023年度のME機器(診断機器)市場規模は、前年度比1.2%増の3,764億5,000万円になると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2023年4月~9月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材調査、ならびにアンケート調査併用 |
<ME機器(診断機器)市場とは> 本調査におけるME(Medical Engineering)機器市場とは、病院や一般診療所、健診センター等で使用される診断機器、CTやMRI、各種X線撮影装置、超音波診断装置に代表される画像診断機器(装置)や、生体情報モニタや心電計等に代表される生体情報・生体機能検査装置、内視鏡関連製品、各科特有の製品等、32項目(37製品・57分類)を対象とした。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 心電計、生体情報モニタ、ポリグラフシステム、EEG・EMG、内視鏡、ハンディタイプ内視鏡、極細径内視鏡・細径内視鏡システム、超音波画像診断装置、IVUS・ICUS・ICE、医用X線CT装置、MRI、血管撮影X線装置/循環器X線撮影装置、外科用X線テレビ装置/回診用(移動型)X線装置、PET、脳磁計、骨密度測定装置、イメージャー/プリンター、自動現像機、サーマルビデオプリンター、CR・DR・FPD、FFR、(連続)心拍出量装置・CCO・連続モニタリングシステム、パルスオキシメータ、赤外線酸素飽和度モニタ、経皮血液ガス分圧測定装置、各種血流計、麻酔ガスモニタ、非観血式自動血圧計、(医科向)電子体温計、深部体温測定装置、ウロダイナミクス・ウロフロメータ、聴診器 |
出典資料について
資料名 | 2023年版 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(診断機器編) |
発刊日 | 2023年10月06日 |
体裁 | A4 560ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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