矢野経済研究所
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2019年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比8.7%増の3,133億円の見込

~アフィリエイト出稿数、アフィリエイトサイトの増加が続くも伸長率は鈍化傾向~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のアフィリエイト市場を調査し、市場概況、アフィリエイトサービス事業者の動向を明らかにした。

国内アフィリエイト市場規模推移と予測

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1.市場概況

主要アフィリエイトサービス事業者は、引き続き売上が拡大している事業者が多く、伸長率は鈍化しつつあるものの、アフィリエイト市場は拡大傾向にある。広告主によるアフィリエイト出稿数の増加とともに、アフィリエイトサイト数も増加が続いている。その結果、2018年度の国内アフィリエイト市場規模は、前年度比110.2%の2,881億8,000万円まで拡大した。2019年度も同様な傾向が続いており、同市場規模を同108.7%の3,133億2,000万円と見込む。

業種別に市場をみると、金融分野、特に仮想通貨やロボアドバイザーなどの投資や資産運用に関する商材で市場が拡大した。また、EC分野も大きく伸長しており、その他、2019年のゴールデンウィークが通常より長期間であったことによる旅行分野、10月の消費税増税前の駆け込み需要により、家電分野が拡大した。販売手法をみると、単品商材を中心とした定期購入(サブスクリプションモデル)が増加するなど、単価の高い案件が増えており、アフィリエイト市場の拡大に寄与している。

アフィリエイトサービス事業者各社は、アフィリエイトパートナー(サイトオーナー)であるメディアの強化や獲得に注力するとともに、既存の広告主に対してアフィリエイト出稿数の増加を図った取り組みが成果に繋がっている。優良顧客を送客して欲しいという広告主のニーズを満たしたメディアネットワークを構築し、広告主の出稿効果に結び付ける取り組みを実現した事業者は、広告主やメディアへの信頼を得ることで、更にクライアント数が増加し、売上拡大に繋がっている。

2.注目トピック

プラットフォーマーのレギュレーションの変更への対応

外部環境に関しては、ITP(Intelligent Tracking Prevention:サイトトラッキングの抑止機能)によるクッキーの制限や、Googleアルゴリズムのアップデートによる検索順位変動のほか、ヤフーのレギュレーションの強化によるアフィリエイトサイトの広告出稿の厳格化など、アフィリエイトサイトにとってネガティブと考えられるレギュレーションの変更が行われた。また、広告出稿の厳格化に関しては、Facebookなどのソーシャルメディアにおいても、広告出稿専用アカウントの閉鎖といったレギュレーションの厳格化が図られるなど、アフィリエイトメディアに対してもネガティブなインパクトを与えている。

しかしながら、現状のプラットフォーマーによるレギュレーションの厳格化に関しては、景品表示法や薬機法などの法規制を遵守しない一部のアフィリエイトパートナーや広告代理店に対して大きな影響を与えているものの、優良なアフィリエイトメディアや広告代理店においてはほとんど影響を受けていない。違法サイトが追放されるという観点においては、アフィリエイト業界にとってはプラスになるため、長い目で見ると決してネガティブ要因ではないと考える。

3.将来展望

アフィリエイト市場は今後も拡大を続け、2023年度の国内アフィリエイト市場規模は4,654億1,400万円まで拡大すると予測する。

市場の拡大要因として、以下のような事柄が挙げられる。
まず、広告主として、自社ブランドの製品を持つ大手企業であるナショナルクライアントのインターネット広告への出稿が増えていることである。この流れは、ダイレクトレスポンス系の広告やECサイトなどでの広告出稿増加に繋がる可能性が高く、アフィリエイト市場においてもプラスに影響するとみる。アフィリエイトの提案による広告出稿効果がこれまで確実に出てきており、アフィリエイトへの評価が高まっていることも市場拡大の背景にある。
次に、EC化率の拡大も主たる要因となり、商品購入時のEC化率の拡大やEC決済サービスの導入障壁が低くなっていくことが挙げられる。分野としては、女性向けのダイエット商材やコスメ商材等が期待され、加えてサブスクリプションモデルの浸透も市場を牽引する要因となると期待されている。
それ以外では、キャッシュレス化の進展による金融分野のアフィリエイト拡大のほか、アフィリエイトパートナーを登録制とするクローズドアフィリエイトサービスを提供するアフィリエイトサービス事業者やアフィリエイトメディアが増えていることも挙げられる。