矢野経済研究所
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2023年度の国内ビル管理市場規模を前年度比101.3%の4兆6,494億円と予測

~建物オーナーとビル管理会社が一体となってビル運営を行い、付加価値の創出が期待される~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のビル管理市場を調査し、建物使途別や業務別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

ビル管理市場規模推移

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1.市場概況

2022年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は4兆5,889億円、前年度比105.7%となった。
コロナ禍で先送りされていた新規の案件が稼働したことや、前年度に続きビル管理関連の改修工事等の受注が多かったことが市場拡大の要因として挙げられる。

2.注目トピック

建物使途別では、「事務所ビル」がビル管理市場全体のおよそ5分の1程度を占める

2022年度のビル管理市場規模を建物使途別にみると、住宅が約1,773億円(建物使途別シェア3.9%、前年度比112.3%)、非住宅が約4兆4,115億円(同96.1%、同105.4%)と推計した。

非住宅の内訳を見ると、事務所ビルが市場規模約9,945億円(同21.7%、同105.1%)と、ビル管理市場規模のおよそ5分の1程度を占めている。次いで、店舗・商業施設:約8,297億円(同18.1%、同105.2%)、医療・福祉施設:約4,679億円(同10.2%、同106.5%)、工場・作業所:約4,283億円(同9.3%、同105.1%)、学校施設:約4,274億円(同9.3%、同103.4%)という順になった。

3.将来展望

2023年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比101.3%の4兆6,494億円と予測する。2023年度は先送りや一時休止となっていた案件の新規稼働が進むことに加え、既存契約においては採算を重視した契約の更新が進んでいることなどが、いずれもビル管理事業者の売上増加に寄与し、市場の拡大は進む見込みである。

なお、良好なビル運営を行う上で、ビル管理事業者が日常のビル管理運営を下支えする機能を果たしているが、これが円滑に継続的に機能していくためには当該建物オーナーの協力が必要不可欠であり、建物オーナーとビル管理会社が一体となってビル運営を行っていく必要がある。
建物オーナー側には、建物とその建物に集まる人々に何を与えるか、地域社会の中でどのような地位を確立していくのか、という視点に立った付加価値の創出に向けた動きが期待される。一方、ビル運営面で、非日常的な付加価値を建物オーナーと一体となって創出することが出来るのはビル管理業界であり、協業して不動産の価値を高めていく事業を展開していくことが必要であると考える。

調査要綱


1.調査期間: 2023年7月~9月
2.調査対象: 全国の有力ビル管理事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話アンケート調査、ならびに文献調査併用
<ビル管理市場とは>
本調査におけるビル管理市場とは、ビルの清掃、設備管理、警備業務等の受託サービスを対象として、元請金額ベースで市場規模を算出した。ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含む。
<市場に含まれる商品・サービス>
衛生管理業務、設備管理業務、警備保障業務、その他業務(建物修繕等)

出典資料について

資料名2023年版 ビル管理市場の実態と展望
発刊日2023年09月28日
体裁A4 391ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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