株式会社セブン&アイ・ホールディングス(3382)は、Fortress Investment Group LLC(以下、フォートレス)の関連事業体たる特別目的会社である杉合同会社(以下、譲受会社)との間で、セブン&アイ・ホールディングスが保有する株式会社そごう・西武(東京都豊島区)の発行済株式の全部を、譲受会社へ譲渡する契約に係る覚書を締結、本件譲渡の実施時期を2023年9月1日とすることを、8月31日付で発表した。
また、本件譲渡の実施に伴い、セブン&アイ・ホールディングスの連結子会社である株式会社セブン&アイ・フィナンシャルセンター(以下、7FC)が持つ、そごう・西武に対する債権約1659億円のうち約916億円を本件譲渡契約の規定に基づき放棄し、セブン&アイ・ホールディングスから、7FCおよびそごう・西武に対して本件譲渡に係る損失補填を行うことを決定した。
セブン&アイ・ホールディングスは、日本を中心に世界各地でコンビニエンスストア、総合スーパー、食品スーパー、百貨店、レストランなどを展開している。本件により、百貨店事業から撤退する。
そごう・西武は、百貨店業およびショッピングセンター、大規模商業施設の経営等を行う。2006年からセブン&アイグループの百貨店事業を担ってきた。
フォートレスは、アメリカの投資ファンド。
杉合同会社は本件の譲受会社。セブン&アイ・ホールディングスとフォートレスの関連事業体たる特別目的会社。
そごう・西武は、2006年6月にセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となり、グループの百貨店事業を1社で担っていた。しかしながら、国内の百貨店業界における事業環境は年々厳しさを増し、2023年2月期において4期連続の最終赤字となり、グループ内での経営再建が困難と判断された。
そごう・西武の売却方針について、セブン&アイ・ホールディングスは、同社に代わるオーナーを複数の候補から検討を重ねてきた。その結果、フォートレスをベストオーナーとして選定し、2022年11月11日に譲渡契約を締結した。
フォートレスは、ヨドバシホールディングスをビジネスパートナーとして、そごう・西武の企業価値の最大化に努めるとしていたが、雇用の維持やヨドバシ出店への反発などを受けて、譲渡の実施時期が延長されてきた。本件譲渡が公表されてから既に9カ月が経過し、譲渡後にフォートレスの下で期待されていたそごう・西武の成長投資も実行出来ない状況となっていた。
セブン&アイ・ホールディングスは、そごう・西武の「事業の継続」および「雇用の継続」に最大限配慮したリニューアルプランをフォートレスに要請。結果、そごう・西武の企業価値について300億円を減額。本件譲渡の前提条件の一部を変更すること等、本件譲渡契約の規定の一部を変更する本件覚書の締結を行い、2023年9月1日に、本件譲渡の実施を遂行することを決定した。
本件譲渡の実施を通じて、セブン&アイ・ホールディングスグループは、コンビニエンスストア事業への経営資源の集中的な配分、および株主還元の充実化を図るとともに、「食」の強みを軸とし国内外コンビニエンスストア事業の成長戦略にフォーカスすることにより、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループへの成長戦略を一層推し進める。
今後の予定
株式譲渡実行日 9月1日