【新卒採用】学生に選ばれる企業は「この会社でできること、価値観」を解像度高く提示

シンクエージェント

猪俣 知明 代表取締役

【PROFILE】1998年上場企業で新卒採用を担当後、2000年採用コンサルティング会社シンカで売上ギネス・MVPを記録。その後1社の起業を経て、04年就職エージェントの取締役として新卒紹介事業の立ち上げを担当。09年シンクトワイスを創業。

採用競争の激化に伴い企業によって勝ち負けがハッキリしてきたように思います。市場データでは2023年卒で採用が満足に充足した企業は4割(前年比12ポイントダウン)、未充足だった原因として「応募者の不足」「内定辞退」を過半数の企業が挙げています。

「応募者の不足」については就活生にとって企業と出会う手段が、従来型のメディアに加えダイレクトリクルーティングや当社のような新卒エージェントなど多様化していることも一因ではないかと考えます。つまり就活スタイルの多様化に伴い、企業は応募者を確保する経路を複数持つことが求められていることを示唆しているのではないでしょうか。

また「内定辞退」でいうと全体平均で内定からの承諾率は54.5%。つまり採用目標数の1.85倍の内定出しをしないと充足しないという市場データもあります。内定辞退を見越し、質・量を両立した母集団形成や内定者フォローを優先度の高い採用業務として位置づける必要があると考えます。

学生に目を向けると「やりたいことができるか否か」を前提に企業選びの軸に挙げるケースが年々多くなっています。安定性も多く挙がりますが、企業文化や価値観と自身のマッチング度合いも吟味し選考エントリーする傾向にあります。

しかし根本の「何がやりたいことなのか」「どんな企業文化で働きたいか」と悩む学生が非常に多いと感じます。社会人経験のない学生にとって職業選択における「マッチングキー(自身とどの企業や職能がマッチしているか)」を言語化することは容易ではないかもしれません。

当社が展開する新卒エージェントでは、企業担当が「この会社でできること、価値観」を解像度高く具体的にヒアリングし学生へ伝えることで、第三者の立場から学生の「マッチングキー」を呼び覚ますことに注力しています。

オンライン就活がデフォルトな今日だからこそ、意識して「この会社でできること、価値観」を解像度高く提示することが選ばれる企業になる 「キー」なのではないでしょうか。

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