労働組合のうち7割超が賃金・退職給付に関して何らかの労使間交渉を行っていることが、厚生労働省が実施した「令和4年労使間の交渉等に関する実態調査」で明らかとなった。

賃金・退職給付に関して労使間交渉を行う労働組合は7割超

過去3年間(2019年7月1日から2022年6月30日の期間)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、「賃金・退職給付に関する事項」72.6%(2020年調査74.9%)、「労働時間・休日・休暇に関する事項」70.0%(同74.1%)、「雇用・人事に関する事項」60.4%(同61.0%)などとなっている。

【何らかの労使間の交渉があった事項 トップ7】
賃金・退職給付に関する事項 72.6%
労働時間・休日・休暇に関する事項 70.0%
雇用・人事に関する事項 60.4%
職場環境に関する事項  57.1%
健康管理に関する事項  46.4%
福利厚生に関する事項  46.0%
経営に関する事項    40.7%

事項別に「何らかの労使間交渉があった」組合のうち、「使用者側と話合いが持たれた」割合をみると「賃金額」89.8%、「賃金制度」88.0%、「職場環境に関する事項」86.1%などとなっている。

事業所に正社員以外の労働者がいる労働組合について、労働者の種類別に「組合加入資格がある」をみると、「パートタイム労働者」42.0%(2021年調査37.3%)、「有期契約労働者」40.9%(同41.5%)、「嘱託労働者」38.2%(同39.6%)、「派遣労働者」5.0%(同6.6%)となっている。

また、労働者の種類別の「組合員がいる」についてみると、「パートタイム労働者」34.5%(同30.0%)、「有期契約労働者」32.4%(同32.9%)、「嘱託労働者」30.4%(同29.9%)、「派遣労働者」0.9%(同2.2%)となっている。

過去1年間(2021年7月1日から2022年6月30日の期間)に、正社員以外の労働者に関して使用者側と話合いが持たれた事項(複数回答)をみると、「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」66.2%(2021年調査71.2%)が最も高く、次いで「同一労働同一賃金に関する事項」55.2%(同61.3%)、「正社員以外の労働者(派遣労働者を含む)の正社員への登用制度」38.7%(同36.7%)などとなっている。

「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」を事項別にみると、「賃金に関する事項」52.9%(同57.5%)が最も高くなっている。

【正社員以外の労働者に関して使用者側と話合いが持たれた事項】(複数回答)
正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件 66.2%
同一労働同一賃金に関する事項 55.2%
正社員以外の労働者(派遣労働者を含む)の正社員への登用制度 38.7%
有期契約労働者の雇入れに関する事項 36.5%
パートタイム労働者の雇入れに関する事項 35.5%

【話合いが持たれた正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件】(複数回答)
賃金に関する事項 52.9%
福利厚生に関する事項 44.8%
契約の締結・更新・雇止めに関する事項 34.4%

調査は、2022年7月、労働組合員30人以上の労働組合のうちから、無作為に抽出した約5200労働組合を対象にインターネットで実施し、3137件の有効回答を得た。

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