(本記事は、藤由 達藏氏の著書『「すぐやる人」になる一番かんたんな方法』=ぱる出版、2022年11月11日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
◎『7つの習慣』の時間管理のマトリックス
ビジネスが、「busy(忙しい)」という語根から成り立っているように、私たちは仕事は忙しいものと承知しています。そのため緊急の課題にばかり気を取られ、大事なことをないがしろにしてしまいがちです。
このことを、仕事の緊急度と重要度についてわかりやすく整理しているのが『完訳7つの習慣30周年記念版』(スティーヴン・R・コヴィー著キングベアー出版以下『7つの習慣』)で紹介されている「時間管理のマトリックス」です。
あらゆる仕事を緊急度(緊急/非緊急)と重要度(重要/非重要)の二つの軸で、四つの領域に分類して考えることが提案されています。
この時間管理のマトリックスは、私たちにいろいろなことを考えさせてくれる、味わい深いフレームワークです。
『7つの習慣』によれば、この四つの領域の活動の特徴は次のように整理できます。
第Ⅰ領域: 【緊急・重要】危機への対応・差し迫った問題・期限のある仕事
第Ⅱ領域: 【非緊急・重要】予防・「成果をあげるための能力」を高める活動・人間関係づくり・新しい機会を見つけること・準備や計画・心身をリラックスさせること
第Ⅲ領域: 【緊急・非重要】飛び込みの用事・多くの電話・多くのメールや報告書・多くの会議・無意味な接待や付き合い・期限のある催し物
第Ⅳ領域: 【非緊急・非重要】取るに足らない仕事・雑用・多くのメール・多くの電話・暇つぶし・快楽だけを追求する遊び
言われてみれば確かにそうだと納得のいく分類ですが、普段私たちは目の前の仕事を、必ずしもこのようなマトリックスにあてはめて考えてはいません。だから、あれもこれもやらなければならないと考えてしまったり、仕事の本質からしたらどうでもいいことにこだわって長々と時間を費やしてしまったりするのです。
『7つの習慣』は、多くの人が第Ⅰ領域と第Ⅲ領域の活動に心を奪われて、その場その場を乗り切ることに大半の時間を費やして、緊急ではないが重要な第Ⅱ領域の活動をないがしろにしていることに警告を発しています。
周囲の変化や要求に振り回されて、受動的な反応を繰り返すだけでは、他人に支配されているようなものです。そんな生き方を変えて主体性を取り戻したいと思うなら、第Ⅱ領域の活動にこそ注力すべきなのです。
あなたにとって大事なことを最優先するために、取りこぼすことなく、必ず取り組めるようにスケジューリングしなさいということが『7つの習慣』には書かれています。これを学んだとき、まさにその通りだし、そうありたいと心から納得したのを覚えています。
あなたの人生において大事なことを大事にすることがもっとも大事なことなのです。
- ココがポイント!
- 大事なことを大事にするために緊急度と重要度で仕事を分類してみよう!
1991年、早稲田大学卒業後、プラス株式会社に入社。営業や企画、新規事業設立などを経験。2009年全プラス労働組合中央執行委員長に就任。2010年、平本あきお氏のプロコーチ養成スクール(講師:宮越大樹氏)でコーチングを学ぶ。2013年独立。2016年に株式会社Gonmatusを設立し、コーチングや研修、ワークショップ、「魂が悦ぶ®出版講座」、「ビーイング瞑想®」などを企業や労働組合、個人の方々に提供している。
著書は、35万部突破した『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)、『「鬼滅の刃」に学ぶ「夢を叶える8つの力」』(ぱる出版)等多数ある。
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