(本記事は、中村 圭氏の著書『コピーライターがこっそり教える メールで「失礼な人」にならない方法』=きずな出版、2022年7月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
「小学生でもわかる言葉」だけで伝えよう
「文章が上手い人」というと、「難しい言葉を使う人」と考える人もいます。
一方、僕が文章を上手いなと感じる人は、「簡単な言葉を使うけれども、相手に響く文章が書ける人」です。
コピーライターの書く文章は、多くの人に伝わるものでなくてはなりません。
だから、なるべく簡単な言葉を使います。新人コピーライターは、「小学生にも伝わるような単語で文章を書きなさい」と言われます。
とくにこのリモート時代、大事なのは読む相手の時間を節約することです。
調べなければわからない言葉が出てきたときはもちろん、一瞬理解できなくてリズムが崩れるような言葉ですら、相手の負担になります。
じつは、ビジネスシーンでよく見る言葉でも、改めて考えると「あれ? これどういう意味だっけ?」という言葉はあります。たとえば、次のような言葉です。
- ご査収ください
- 杞憂 かもしれませんが
- ご指導ご 鞭撻 のほど
相手がこのような言葉を好んで使うなら、合わせて使うのは問題ありません。
ただ、なんとなく使っているなら、文章を送る前に「もしかしてこの言葉は、相手の負担になるかも?」と考えることは重要です。そう思ったら、
「ご確認ください」「教えてください」
など、わかりやすい言葉に書き換えられないか。
そう考えてみましょう。また、よくやってしまうのが業界用語です。僕が所属する広告業界にも、
- ペライチ(1枚で資料を用意すること。紙のペラペラからきてる?)
- トンマナ(トーン&マナー:広告する商品の「らしさ」みたいなもの?)
- 完パケ(おもに映像が完全に納品できる状態になったもの?)
など、たくさんの業界用語があります。みんなが意味をわかっていれば使えますが、ほかの業界の人に向けて書くときには注意が必要です。
書く相手によって言葉をきちんと使い分ける。
それがイラッとする文章にならないために必要なことです。